取材

「幸福」という名の炒め物・ラープを求めて


東南アジアのラオスに「幸福」という意味のラープという炒め物があるのをご存知でしょうか?おいしいラープが食べたくて街を彷徨い、3度目の正直で幸福の女神が微笑みました。

こんにちは!世界新聞特命記者の赤坂惟名です。世界一周中の私は現在、ラオスの南部にあるパークセーという街に滞在しています。


ラオスでは、ルアンパバーンとパークセーに滞在しました。どちらもメコン川沿いにあり、のんびりした街です。


インドから来た私としては、のんびりした雰囲気と控えめな現地人から、ひしひしと安らぎを感じます。

◆幸福という名の炒め物


ラオス料理の中に「ラープ」という名の炒め物があります。National Geographic日本版によると「ラープという言葉には”幸福”という意味があります。だから、お正月や誕生日などおめでたいときには欠かせない料理です」とのことで、また「ラープはお店でラオス人が一番注文する料理です。でも、日本のお客さんはラープがタイ料理だと思っている人も多いんですよ」とも書かれています。日本でいえば、おせち料理や手巻き寿司のような印象でしょうか?そんなラープに、強く興味が湧きます。

ラープとは「叩いて細かくした肉を香草や野菜と一緒に炒めた料理」だそうです。それを頭に入れて、様々なレストランへ行ってみます。

◆麺類が多い?
さっそくこじんまりした食堂に入ってみます。ラープがあるか尋ねると、まさかの「ない」という回答。


仕方ないので、麺類を注文します。


ラオスは麺類が充実しています。街を歩いていても、現地の人がお昼ご飯に麺類を食べているのをよく見かけます。

小麦粉からではなく、米から出来ているフォー



街中でも、乾燥させているフォーを見かけたりします。


中華麺の様なヌードルに……


担々麺の様なヌードルもあります。これ、見た目より辛くなくて、美味しかったです。


◆可愛い名前のスチームライス
別の日にもラープのある食堂を探して、彷徨います。


とある店に入り、ラープがあるか尋ねると、まさかの二度目の「ない」という回答。「何だ?メジャーな料理じゃないのか?」と思ってしまいます。

仕方がないので、タイやラオスでメジャーな餅米「カオニャオ」を頂きます。注文すると、このような籠に入って運ばれてきます。


開けると、山盛りの餅米。世界一周の中で不味いスチームライス(臭い・べしゃべしゃ・パサパサ)を何度も食べてきた身としては、もちもち感がたまりませんでした。


お供に豚の照り焼きの様な物。ラオスは肉料理や麺に生野菜盛り合わせが付いてくることが多いです。


今回の生野菜盛り合わせ、一通り味見してみましたが、正直キャベツ以外は何の野菜か分かりませんでした……。


◆幸福なお皿との出会い
そして、三度目の正直で、少し高い(ツーリスト向けの)お店で初めてラープを発見。テンションが上がって注文します。


鶏肉、豚肉、牛肉、魚、等種類があるようですが、鶏肉で注文してみます。

「これが、噂の幸福という名の炒め物かー!」と1人、少し興奮気味に頂きます。ソースの色が濃く、思っていた以上に魚醤の匂いがします。


お味は……うーん……?美味しいのか、これは……??期待しすぎていたのでしょうか。魚醤がきつすぎる。肉とハーブ(ほぼ生)のミックスは、意外と抵抗なくいただけて、むしろ暑いラオスではさっぱり食べることが出来ると感じたのですが、味付けが......。


「幸福ってこういうことなのか……」と、少し寂しくなりました。

◆東南アジアの料理
東南アジアの料理は、合う人と合わない人がいる印象です。私はスパイシーすぎる料理や、パクチーが嫌い(匂いも味も受け付けない)です。なので、「東南アジアのご飯は合わない派」と思っていました。ですが、ラオスに来て、タイとは違うマイルドな味付けの料理に少し期待が高まっていただけに、このラープのお味は残念でなりませんでした。

ラオスで食べて美味しかった物で言えば、鶏の照り焼きは、甘辛くて日本人好み。


こちらの串焼きも、ミノを少し柔らかくした感じのホルモンで、めちゃくちゃ美味しかったです。


◆英語が通じない国
この世界一周の旅を通して、国によって英語の通じやすい国と通じにくい国があるのを痛感しています。今回のラオスは、申し訳ないですが、後者です。

一度目のラープがイマイチだったので、別のラープのある食堂を求めて、更に街を彷徨います。ラオス人ツーリストの多そうな店を発見しました。メニューもラオス語表記のみで全く理解出来ません。


おばさんは英語が全然話せないようなので、「ラープ?ラープ?」とアクセントや発音を変えながら五回程言うと、理解したように笑顔で厨房へ行ったので、「よしっ!」と期待して待ちます。


そして……出てきた料理がこちら。きっと、ラープではないですよね……と思いながら頂きました。ニンニクのよく香る鶏と野菜(玉葱・ピーマン)の炒め物でした。これはこれで、美味しかったです。


◆幸福の女神が微笑んだ
ラープ探しも疲れ始めていた頃、適当に入ったレストランにラープがありました。三度目の正直を信じて、注文してみます。


今回は、豚肉のラープをチョイスしました。


量は少ないですが、絶妙な塩・胡椒加減ですごく美味しい。魚醤の味もきつくありません。

正直、「ハーブとの相性ってどうなん?」って思っていました(私はハーブもそんなに好きではない)。しかし、豚肉はジューシーで、思っていた以上に美味しくて思わずニヤニヤしてしまいます。


ラオスを代表するBeer Laoとも良く合い、ビールがすすみます。


◆美味しいご飯が人を幸せにする
やっとの思いで、出会えた美味しいラープ。フレッシュなハーブとジューシーな豚肉の相性の良さは、お祝いの料理にふさわしく、まんまと幸せを感じてしまいました。

世界一周していると、予期せぬ所や自分が苦手と思っていた分野で美味しい物に出会えることがあります。そういうのも、旅中の楽しみの一つです。


現地の人が大切にしている料理、大切に育てた家畜や野菜を美味しい料理として食べることが出来る。しかも、安く。そんな幸せを改めて感じさせてくれたラオスのラープでした。


文・取材:赤坂惟名

監修:世界新聞 sekaishinbun.net


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in 取材,   , Posted by logc_nt

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