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カナダの郵便公社が個別の郵便配達を5年以内にやめることを発表

By S. L.

カナダの郵便事業を運営する公社「カナダ・ポスト」は、手紙の発送量の著しい減少を受けて、5年以内に各家庭への郵便配達をストップし、すべて「コミュニティ・メールボックス(地域ごとに設置されている集合ポスト)」に配達することや、「切手価格の値上げ」、「人員の削減」などの方針を発表しました。

News Releases
http://www.canadapost.ca/cpo/mc/aboutus/news/pr/2013/2013_action_plan.jsf

カナダでは、デジタル通信の増加に伴い手書きの手紙は歴史的な衰退を見せており、カナダ産業審議会4月の報告書では、このまま行くと2020年にはカナダ・ポストの1年ごとの経済損失は約10億カナダドル(約967億円)にのぼると予想されており、納税者の負担が増加する恐れもあります。そこで著しい赤字を計上し始めているカナダ・ポストは、以下の計画を発表しました。

◆コミュニティ・メールボックスへの配達

By Sharon Drummond

カナダには道路や、公園などエリアごとに郵便物を受け取るための集合ポストが設置されています。カナダ・ポストによると、すでにコミュニティ・メールボックスの使用率は3分の2に達していますが、残りの3分の1に対しても、個別の郵便配達を中止し、全ての郵便物をコミュニティ・メールボックスに配達する予定で、5年以内にカナダ全土までカバーできる見込みであるとのこと。

◆切手価格の値上げ

By Dan McKay

2014年3月31日から、現在の切手価格の63セント(約61円)から、1カナダドル(約97円)と59%アップし、コイル切手・切手帳など、まとめ買いの場合は1枚あたり85セント(約82円)の価格へと変更されます。

◆人件費の削減

By Alan Levine

ビジネスモデルの変更にあたって、5年以内に6000~8000件の仕事をカットし、12%の従業員を解雇する予定。カナダ・ポストによると、現在の従業員の平均年齢は48歳で、定年退職や自主退職の予想数も含んだ計画となっています。

そのほかにも、「フランチャイズの拡張」「オペレーションの合理化」という5つの方針を発表しており、これらの計画の実施により、年間で7億カナダドル(約678億円)から9億カナダドル(約872億円)を削減できると考えられていますが、カナダ郵便事務労働者組合の社長や、カナダの新民主党からは、「早急すぎる判断から下降のスパイラルに陥る」ことや、「貧困層・年配者・地方に住む人々を孤立させる恐れ」があると指摘されています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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