取材

島民15人とネコが100匹以上暮らす島「青島」で大量のネコと戯れてきました


愛媛県大洲市、瀬戸内海の海上には、15人ほどの島民に対して100匹以上のネコが暮らす「青島」という小さな島が存在します。そんなネコ好きの心を激しく奮わせる猫島までは、定期旅客船が出ているとのことだったので、実際に愛媛県から船で行ってきました。

青島にどのくらいネコがいるかがわかるムービーは以下のムービーから視聴してみて下さい。

島民が15人と猫が100匹の猫の楽園「青島」はこんな感じ - YouTube


場所はここ。

大きな地図で見る

青島へ渡るには、愛媛県大洲市の長浜港から定期旅客船「あおしま」に搭乗します。「JR伊予長浜駅」から徒歩数分、松山空港のある松山市内からは車で約1時間で到着し、無料駐車場もあります。

定期旅客船「あおしま」時刻表及びアクセス|大洲市
http://www.city.ozu.ehime.jp/life/guide/bus_ship.html

往復運賃は、大人が1330円、子どもが670円。1日2便出港しており、季節によって出港時刻が異なります。1便は7時台とかなり早めですが島でゆっくりと滞在できます。2便は午後からのため、島での滞在時間は1時間ほどとなります。


また、この近海は波が荒れやすいため、波浪警報や注意報が出たり、船長の判断で欠航となることが多々あります。遠方から来ても欠航で泣く泣く帰る人も少なくないので、行く場合は天候チェックと、港への連絡はしておく方がベター。

定期船発着場に到着。青い看板が目印。


看板の向かいには無料の駐車場。帰船時まで後列の車が出られなくなりますが、8~10台ほど駐車可能。


見た感じ人はおらず、切符売り場のようなところはありません。


手前の建物は長浜港検潮所。


奥には使われていない建物。訪れた人はここをのぞき込む人が多いのですが誰もいません。


向かい側に定期旅客船「あおしま」が停船しているのが見えます。


切符は船内で販売しているとのことなので、橋を渡って発着場へ向かいます。


定員は45名で、土日祝日の午後の便では満員で乗れずに帰って行く人も出てきているとのことなので、早めに行った方が確実。船には出発の1時間前から乗船可能です。


14時30分の便に搭乗予定で、13時40分ほどに到着すると、既にお客さんがちらほら乗り込んでいました。先に切符を購入するため船に乗り込みます。


外の景色を眺めたい人は甲板にあるイスに座ることができますが、冬の海上は冷えるので上着やカイロがあった方がよさげ。


中はこんな感じ。切符の購入は奥にいる船員・船長に話しかければOK。


出発時刻が近づくとどんどん人がやってきて、この日もほぼ満員になりました。


というわけで定刻通り港を出発。なお、島には自動販売機などはなく、飲食物は一切販売していないので、飲み物や食べ物などは乗船前に用意しておく必要があります。


扉には「島民15人と猫100匹 猫の楽園」とキャッチフレーズが貼られており、その上には「台湾人 私が死んだらこの島に埋めてWWW」と、なぜかニコニコ動画のようなテプラが貼られています。


この日も波は荒め。船員さんによると、数日間悪天候のため欠航が続いていたとのこと。


船内にはトイレもあるので安心。


45分ほどたつと、青島が見えてきました。


島民の方や、島の診療所の先生が橋を渡してくれました。既に「にゃーにゃー」とネコたちの鳴き声が聞こえます。


ネコはどこにいるのかと期待を胸に上陸してみると……、出たそばから20匹ほどのネコがお出迎え!


奥へ進んでみると、いまだかつて見たことのない密度のネコまみれ。思わず顔がほころんでしまいます。


よそ見していると踏んでしまうほどなので注意して歩かなければいけません。なお、特に動物のニオイやフンのニオイがきついということはありませんでした。


「カサカサ」と袋の音がすると、何十匹というネコたちがエサをくれるのかと大集合。


エサに限らず、カバンやリュックを手にガサガサしているとぶら下がるレベルで群がってきます。なお、定期旅客船「あおしま」のウェブページには、「青島でのネコへの餌やりは、ネコの健康や島の環境保全のためご遠慮いただいておりますので、ご協力よろしくお願いいたします。」と記載されています。


島民の方にエサやりについて聞いてみると、急に観光客が増えたため、野生のエサを食べていたネコたちが慣れないエサをもらうようになって体調を崩すネコが出てきているとのこと。「エサやりは、できれば遠慮してもらうか、様子を見ながら少量であげてほしい」とのことでした。


ありえない数のネコが暮らしていますが、一番多いのは茶トラ。


キジトラもたくさんいます。


子ネコはまるで天使のようでした。


一番巨大な体を持っていたボスネコ。


まだら模様のネコ。


黒ネコもいました。


港の周辺には至る所にネコが歩いており、道だけでなく塀の上までネコまみれ。


エサをくれると思って人には寄ってくるものの、なでたり触ろうとすると逃げてしまうものが大半。


エサを見つけると必然的に争奪戦になるため、奪い合いのケンカが起きてしまい、流血してしまうネコも……


ケンカが原因か加齢のためかは不明ですが、目が見えないネコもいました。


この日は40~45人ほどの観光客が来島。


一心にカメラをのぞき込んできたネコ。


突っ立っているとこのように脅されたり……


「みゃーみゃー」と襲いかかってきます。


ひらひらしたリュックのヒモなどはネコパンチの格好の餌食。


他の場所にもネコがいないか、島の中心部へ行ってみると……


ネコはおろか、人もいない感じ。1955年当時、島民の数は800人以上いたとのことですが、2013年には15人になっているため廃屋がいくつも存在するようです。


元の船着き場に戻ってきて座っていると、すぐにネコが膝の上に乗ってきました。


別のネコもやってきましたが、触ろうとすると逃げられてしまいます。


気がつくと、隣にネコが座っていたのでなでてみると、ゴロゴロと喉を鳴らして気持ちよさそう。島民さんによると、人に慣れているネコも何匹か存在し、「慣れているネコは家まで入ってきて何か食べられるの」と笑っていました。


爪は伸び放題なので引っかかれるのは覚悟する必要があります。


女性の方はレザーのカバンに飛びつかれて、「カバンはやめて~」と嘆いていました。


誰かが魚をあげたのか、「お魚くわえたドラネコ」状態のネコを発見。


魚を口にしたネコは、奪われないようにずっと「ウー」と、うなりながら食べます。


また、座って何か食べていた男性の元には、大量のネコが集結してネコまみれ。男性にどんな感じか聞いてみると、「温かい」と話していました。


島には10年ほど前からネコが増え始めたとのことですが、今でも増えていることがわかるとても小さな子ネコ。


普通サイズのネコと比較するとこのくらい。


2便で行くと、島に着いてから最終便までは1時間しかないので、あっという間に帰る時間になってしまいました。


100匹以上のネコと別れるのは名残惜しいものですが、船に宿泊施設や飲食店は存在せず、とどまることはできないので帰りの船に乗り込みました。


出航してからもずっと、診療所の先生は頭を下げて見送ってくれ、島民の方は手を振り続けてくれました。


帰りの船内ではこのような感想ノートが回ってきます。しかし、海がさらに荒れて、手を伸ばせばデッキから海面に触れる勢いで傾いて揺れていたため、酔ってしまいノートを見るどころではありませんでした。


17時ごろに長浜港へ到着。


青島では、100匹以上のネコという予想をはるかに超えるネコの大群と触れあえるので、ネコが好きな人は訪れてみると幸せになれること間違いなし。ただし、行く際はしっかりと、船の便の時間や愛媛県の天候を調べることをおすすめします。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
猫様が飼い主の人間の世話をするためのハウツーガイド - GIGAZINE

ネコがあなたを殺そうとしているサイン - GIGAZINE

工場なのに宮殿、四国なのにウィーン、絢爛豪華すぎる日本食研の「宮殿工場」を見学してきました - GIGAZINE

日本食研の「宮殿工場」で「晩餐館焼肉のたれ」やから揚げ粉をつくる様子を見学してきました - GIGAZINE

飼い主がいない時のネコの行動を24時間密着追跡するとこんな感じになる - GIGAZINE

ネコが実は忍者であるというのは都市伝説では無いことを力説するムービー - GIGAZINE

アクセスするだけで愛くるしいネコたちのムービーが流れまくる「Evercat」 - GIGAZINE

in 取材,   生き物,   動画,   ピックアップ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.