生のコーヒー豆から新鮮なコーヒーをたった15分でドリップできるコーヒーマシーンが登場
おいしいコーヒーのためなら生のコーヒー豆を焙煎することさえいとわないコーヒー愛好家が世界中に数多くいますが、そこまでの情熱はなくてもおいしい珈琲が飲みたいと思っている人はもっと数多く存在します。生のコーヒー豆から簡単にわずか15分足らずで新鮮なコーヒーを淹れることのできるコーヒーメーカーが登場しました。
World’s first roast-grind-brew coffee machine
http://www.kickstarter.com/projects/jimguldi/worlds-first-roast-grind-brew-coffee-machine
生のコーヒー豆からコーヒーを作る「World’s first roast-grind-brew coffee machine(RGBCM)」が生まれた背景とそのコンセプトが理解できるのがこちらのムービーです。
RGBCMプロジェクトの発案者のHans Stierさん。「私には、誰もが簡単に新鮮なコーヒーを楽しめるようにするという大きな夢がある」と語ります。
あなたは新鮮なコーヒーを楽しめていますか?
イエスと答えた人。そのコーヒーは本当に新鮮でしょうか?
コーヒーを飲むまでには17のステップがあります。
01:コーヒー豆農家がコーヒー豆を栽培。
02:コーヒー豆農家組合がコーヒー豆を集荷。
03:各国の政府機関などによる検査。
04:コーヒー豆を世界各地へ出荷。
05:国際貿易。
06:コーヒー豆取引所での売買。
07:さらに小規模なコーヒー豆取引所での売買
08:コーヒー豆先物取引。
09:コーヒー豆を扱う商人の間での取引。
10:各国のコーヒー豆用倉庫で貯蔵。
11:コーヒー会社に到着。
12:コーヒー会社による焙煎工程。
13:商品梱包会社がパッケージング。
14:運送会社によって配送。
15:小売店に到着。
16:あなたの家に到着。
……と、これだけのステップを経た上で、17ステップ目にしてようやくコーヒーを飲むことができます。コーヒー豆が摘まれてから飲めるまでだいたい6ヶ月。これではとても新鮮なコーヒーと言えません。
実はこの17ステップは、新鮮なコーヒーを台無しにするだけでなく……
コーヒー豆農家にも貧しい生活を強いています。
コーヒー豆の収益の大部分は巨大なコーヒー会社が持って行き……
コーヒーを生産する人たちには微々たるお金しか支払われません。
コーヒー会社がコーヒーの流通を支配する限り、彼らの暮らしは楽にはならないのです。
「私には、コーヒーの流通に革命を起こすというもう一つの夢があります。コーヒーを生産する人たちをコーヒー会社から解放したいのです」とStierさん。
RGBCMの開発者の一人、Felix Artmannさん。「RGBCMは、生のコーヒー豆から世界一早くコーヒーを淹れることができるマシンです」と語ります。
RGBCMを使うために必要なのは、焙煎される前の生のコーヒー豆をコーヒー豆農家から直接購入することです。
RGBCMのプロトタイプ(最終試作機)ができ上がるまでに、130もの試作機が作成されました。
そして、1万5000人を超える人にコーヒーを試飲してもらい……
そのデータはRGBCMの改良に活用されました。
RGBCMの開発者の一人、Jergusさん。
「2年間の開発期間を経て、ついに完璧なマシンを作り上げることができました」と話します。
「生のコーヒー豆を新鮮なコーヒーに変えることができるマシンの完成形がこれです」と自信たっぷりな様子。
こちらは焙煎中の様子。
開発メンバーは、ただよってくるコーヒーの良い香りに満足そうです。
「世界中のデザイナーの協力を得て美しいマシンが完成しました」とはプロジェクトメンバーのNathalieさん。
デザインコンペで67のデザインの中から最も優れたものとして選ばれたのが……
山型食パンのような形状の、このデザインです。
このデザインからRGBCMは生み出されました。
RGBCMは、コーヒー豆農家とあなたを直接つなぐ新しいコーヒーの流通を生み出します。
RGBCMプロジェクトでは、コーヒー豆農家から生のコーヒー豆を購入できるようオンラインサイトを構築します。
サイトでは、栽培の様子を確認でき……
コーヒー豆農家と直接コンタクトをとることも可能です。
コーヒーの流通を変えることで、コーヒー豆農家とコーヒーを愛するすべての人を幸せにするのがRGBCMプロジェクトです。
「RGBCMプロジェクトの成否は、あなたの支援にかかっています」と呼びかけるStierさん。
実際にRGBCMを使って生のコーヒー豆を焙煎し挽いてコーヒーを抽出する様子は以下のムービーで見ることができます。
Roast-Grind-Brew 101 - Vimeo
http://vimeo.com/78012397
RGBCMのプロトタイプを前にするFelixさん。新鮮なコーヒーの入れ方を実演してくれるとのこと。
まずは、マシンの上部からコーヒー豆を投入。
ボタンを押すと、焙煎開始。焙煎に必要な時間は3、4分です。
焙煎の途中でキャップを開けると……
こんな感じでコーヒー豆が煎られています。ぱちぱちという音とともにコーヒーの良い香りがただよってきます。
焙煎が終わると、続いてコーヒー豆を挽く行程に移ります。
こんな感じでうまくコーヒー豆を挽くことができました。
さらにボタンを一つ押せば……
新鮮なコーヒーがドリップされます。コーヒー豆を入れてからドリップまでわずか14分。コーヒーを煎っている間に、タンクの水を沸かすことで時間が短縮されるということです。
RGBCMプロジェクトは、クラウドファンディングサイトKickstarterで目標金額を13万5000ドル(約1353万円)に定めて出資を募集したところ、すでに目標の2倍を上回る金額を集めることに成功しています。また、製品化に向けてドイツのTUVRheinland社の支援をとりつけており、さらに、CEマークも取得済みという用意周到さで、RGBCMの製品化はほぼ確実な状況です。
記事執筆時点では、300ドル(約3万円)の出資でRGBCM本体1台・生のコーヒー豆3kg・専用バッグ1つが2014年9月に出荷され、400ドルの出資ではRGBCM本体1台・生のコーヒー豆3kg・専用バッグ1つを2014年8月までに早期ゲットでき、500ドル(約5万円)の出資でRGBCM本体1台・専用バッグ1つ・コーヒー豆の定期購買権をゲットできます。ちなみに、5000ドル(約50万円)の出資でRGBCM本体の他にRGBCMプロジェクトの公式サイトでコーヒー豆を売ることのできる出店権つきの「FARMER PACKAGE」も用意されています。
RGBCMへの出資期限は、日本時間の2013年12月9日午前7時59分となっています。
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