天才たちのようにクリエイティブな才能を発揮するための6つのヒント
「天才と変人は紙一重である」と言われるとおり、素晴らしい作品を残した作家・芸術家たちの中には、変わった習慣や日課があったと伝わる人がたくさんいます。例えば、学者・作家・政治家と多彩な才能を持っていたベンジャミン・フランクリンには、「空気浴」と称して、毎朝開け放った窓の前で裸で過ごすという習慣がありました。これをマネすれば天才になれるというわけではありませんが、彼らのようなクリエイティブな才能を発揮できるかもしれない6つのヒントがまとめられています。
Rise and shine: the daily routines of history's most creative minds | Science | The Guardian
http://www.theguardian.com/science/2013/oct/05/daily-rituals-creative-minds-mason-currey
◆1:朝型人間になる
早起きで知られる有名人は、音楽家のモーツァルト、画家のジョージア・オキーフ、建築家のフランク・ロイド・ライトなど数多く存在しており、小説家のヘミングウェイは「早朝にはあなたの邪魔をする人は存在せず、冷えた風は作品を正気に返らせ、文章を書くほどに周囲は暖かくなる」と早起きを推奨しており、同じく小説家のニコルソン・ベイカーも毎朝4時30分に起床する習慣がありました。特に文章を書く人にとって朝に仕事をすることは効率的なのかもしれません。
しかし、夜働く人が成功しないという訳ではありません。マルセル・プルーストはしばしば15時~18時の間に起きて、すぐにぜんそくを和らげるためアヘンを吸い、次にコーヒーとクロワッサンを食べるという習慣を持っていました。心理学的にも、「朝方」と「夜型」のどちらが優れているかは判明していません。
◆2:定職を放棄しない
小説家のフランツ・カフカは保険会社で働いていましたが、毎晩22時30分から夜明けにかけての数時間に本を書き続けました。また、小説家ウィリアム・フォークナーも午後の時間を使って、発電所の夜勤の前に「死の床に横たわりて」を制作。詩人のT・S・エリオットのロイズ銀行での定職は彼に安定した収入をもらたしました。
多くの芸術家たちが定職をおろそかにせず、少ない時間の合間をぬって素晴らしい作品を発表しています。定職があることによって作品を作り上げるための安定した生活の資金を手にすることができ、また、時間が限られる事で集中することができるためです。
◆3:たくさん散歩をする
自然の中を散歩すると想像力が養われ、生産性が上がります。散歩の習慣を持っていたのは、音楽家に多く、ベートーヴェン、マーラー、サティが挙げられ、チャイコフスキーもまた1日に2時間の散歩をとることを習慣としており、数分でも早く散歩から戻ってしまえば大きな不幸が起こると信じていたとのこと。
散歩に出ることは、少なくとも何かについて深く考え込んでいるときは作業の気晴らしになり、TV・コンピュータなどの集中を妨げるものから離れることができます。
◆4:習慣を貫き通す
小説家のギュスターヴ・フローベールは10時に起床すると天井を叩いて母親を呼び、毎朝ベッドの上で雑談を行い、建築家のル・コルビュジエは毎朝6時に起きて45分間の体操を行っていました。2人の共通点は、1日も欠かさずに習慣を継続し続けていたということです。同じように、パトリシア・ハイスミスは全ての食事でベーコンエッグだけを食べ続けました。
心理学者であるウィリアム・ジェームズは、「日常生活の一部を自動的・習慣的にすることで、精神的負担を減らし、自動化されフリーになった領域は興味・関心を持つ分野で使用される」と述べています。一見奇妙に見える習慣があっても、それには別の分野で力を発揮するための役割がある、ということです。
◆5:効果的な成分を摂取する
創造的な活動をするときに「化学薬品」の助けを借りるケースも見られます。たとえば、詩人のW・H・オーデン、作家のアイン・ランド、小説家のグレアム・グリーンらは合成覚醒剤ベンゼドリンを使用していた事が知られており、数学者のポール・エルデシュはベンゼドリンに加えて向精神薬のリタリンも使用していました。薬物に至らなくても、ウォッカ・ジン・ウィスキーといったアルコールを好む人となると数え切れないほど存在します。こうした中で、クリエイティブな作業をするときに摂るものとして、何世紀にもわたって広く認められているのがコーヒーです。
ベートーヴェンは毎朝の濃いコーヒーのために自分で60個のコーヒー豆を数え、哲学者のセーレン・キェルケゴールは砂糖で満たされたカップにブラックコーヒーを注いで飲み、小説家のバルザックは1日に50杯のコーヒーを飲みました。
カフェインは集中力を高めますが、バルザックは51歳の時に心不全で亡くなっているため、何事も適量にとることが大切です。
◆6:作業する場所を選ばない
小説家のジェーン・オースティンは1810年代に生涯最も多くの作品を執筆しましたが、その作業場所は居間で母親が裁縫をしているそばでした。同じく小説家のアガサ・クリスティは自分のデスクを持たず、安定した机とタイプライターがあればどこでも作業ができました。また、最近の研究では、静かな場所で作業するよりもコーヒーショップで作業した方が、周囲のガヤガヤとした雑音がクリエイティブな発想に良い影響をもたらすということも明らかになっています。
完璧で過ごしやすい作業スペースが作業の効率を改善してくれることは確かですが、必ずしも素晴らしい作品につながるわけではありません。天才たちの頑なな習慣のように周りを気にせずにどこでも作業ができるバイタリティも才能の1つです。
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