Googleが気球を使ってどこでもWi-Fiによるネット接続を可能にする「Loon」の受信アンテナ公開、壮大な計画の一端が明らかに
Googleが計画している気球からのインターネットサービス「Project Loon」の受信用アンテナがどんなものかが先週金曜日に公開されましたが、その再生回数はすでに2万回を超えており、Project Loonの注目の高さがうかがわれます。
Loon for All – Project Loon – Google
http://www.google.com/loon/
世界人口の3分の2にあたる人がインターネットにアクセスできない環境で生活しています。Googleが進めている「Project Loon(ルーン)」とは、世界の空にネット回線用の気球を飛ばし、ネットインフラの整っていない田舎や僻地の人々にもインターネットへのアクセスを可能にしようというプロジェクトで、2013年6月にニュージーランドで実証実験がスタートしています。ルーンは、災害などでインターネットインフラに障害が生じた場合にも使える緊急時回線にもなるという点で、世界中から非常に大きな注目を集めています。
ルーンの気球は、飛行機や悪天候を避けるために成層圏に飛ばされます。気流を移動の動力源にしており、高度や進路を地上から操縦可能です。ルーンによるネットワークへは、気球からの信号を、地上の建物に設置された専用のアンテナ(受信用アンテナ)が受信しそれが分配される仕組みです。
この受信用アンテナについてのムービーが、YouTubeで公開されています。
Ask Away: What's inside the Loon antenna? - YouTube
ルーンの受信用アンテナを手に持つのはネットワークエンジニア部門のリーダーであるCyrus Behrooziさん。
アンテナはアンテナ部分(上部)とラジオ部分(下部)に大きく分かれています。アンテナ部分のカバーをパカリ。
黒いケーブルがアンテナとラジオを接続します。
この銀色の円盤がリフレクター(反射板)、このアンテナ装置の"肝"です。
この緑の部分は「パッチアンテナ」と呼ばれる部品で……
リフレクターで反射された信号を受信することができます。
もちろん直接とどく信号も受信可能。
円形のリフレクターと中心部の受信装置のおかげで電波強度を正しく保つことができます。
というのも、地球の自転に合わせて動く通信衛星から信号を受信する場合……
アンテナは特定の方角に向ければOKなのに対して……
気球は空中をさまざまな方向にただようので、気球がどの位置にいても信号を受信できる仕組みが必要になります。だから受信アンテナはこのような形にデザインされているのです。
最初の飛行テストは「シンプルであること」という目的に基づいており、一切の複雑性を排除しました。
地上に設置された受信アンテナ。もっとも今後も改良は続けていくため、将来もこの形のままであるかどうかは未定。
Googleの計画通りならば、ルーンによって南極大陸のような不毛の地でもインターネットにアクセスできるということです。
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