ハードウェア

手のひらサイズで25か国語以上の音声翻訳が可能になる「SIGMO」


格安航空会社などの発達で外国に行くことは以前よりも容易になり、異国の文化を体験するチャンスも多くなってきましたが、そこで直面することが多いのが「ことばの壁」です。せっかく海外の社会に触れたとしても、話が通じなければその魅力は半減です。そんな悩みを解決する手助けになる商品「SIGMO」が開発されています。

SIGMO - talk and understand in more than 25 languages!! | Indiegogo
http://www.indiegogo.com/projects/sigmo-talk-and-understand-in-more-than-25-languages


このSIGMOがどのような商品で、どうやって使うのかは以下のムービーから。

Sigmo Voice Translator - YouTube


SIGMOを使えば、25か国の言語を使えるようになります。


こちらがこのプロジェクトを立ち上げたDavid BarnettさんとMarti Karrerさん。いろんな国を旅したときに感じた「言語の壁」を取り払いたくてこの機械を開発したそうです。


使い方は単純。右側面の上側のボタンを押し……


マイクに向かって話しかけます。


するとSIGMOが希望の言語への翻訳を行い、さらにその言語で話してくれます。


また、下にあるボタンを押すと、相手の言語からユーザーの言語へと同じように翻訳して話してくれることもできます。


使い道はいろいろ。旅行、海外との商談、海外出張、言語の学習など以外にもさまざまな使い道が考えられます。


基本色は白、黒と黄色の3色展開。


また、実際の使用シーンは以下のような感じです。

Sigmo Voice Translator - YouTube


旅行中でしょうか、街中を歩く一人の女性。


通りかかった人にスペイン語で道を尋ねましたが、「英語しゃべれる?」と聞き返されました。


そこで、SIGMOの登場。スペイン語でなにやら話しかけると……


英語で「地下鉄の駅へはどうやったらいけますか?」と声で質問しました。


今度は理解できた男性。「駅へは、あそこをこう行って、つぎにこう曲がって、そしてああ行ってこう行って」と説明。でも、女性はこの説明を理解できるのでしょうか?


男性が話しているあいだにもボタンを押していた女性、SIGMOから流れてくるスペイン語で駅への行き方を理解することができました。


シーンは変わり、とあるレストランへやってきた男性……


「グーテンターク」とドイツ語で話しかけられました!


「えと……英語話せますか?」


ダメといわれた男性、SIGMOを取り出しました。「オススメの朝食メニューはなんですか?」


SIGMOから聞こえるドイツ語を聞く女性。


内容が通じたようで、すらすらとメニューを案内してくれますが……何を言っているかはさっぱりわかりません。


しかし、すべてSIGMOが翻訳してくれます。「スクランブルエッグとソーセージのセットがあります。お召し上がりになりますか?」


「いいですね、じゃそれをひとつ」


「かしこまりました」と笑顔。無事にオーダーすることができました。


まるで実在の通訳者のように振る舞ってくれるSIGMOですが、仕組みとしては既存のオンライン翻訳システムを使っているだけ。専用アプリをインストールしたiPhoneやAndroidスマートフォンとBluetooth接続しておけば動作します。


サポートする言語は随時追加されていくとのことで、現時点で使えるのは日本語のほかに英語(アメリカ/イギリス/オーストラリア/カナダ)・スペイン語(スペイン/アメリカ/メキシコ)・フランス語(フランス/カナダ)・フィンランド語・ドイツ語・イタリア語・中国語(中国/台湾/香港)・カタロニア語・韓国語・オランダ語・ノルウェー語・スウェーデン語・デンマーク語・ポルトガル語(ポルトガル/ブラジル)・ポーランド語・ロシア語・アラビア語・インドネシア語・ヘブライ語・チェコ語・トルコ語・アフリカ系言語・マレー語・クロアチア語・タイ語・ギリシャ語・ベルギー語・スロバキア語・ハンガリー語・ウクライナ語・ヒンディー語。


現在はオンラインでの動作がサポートされていますが、将来的にはネットにつながっていない状態でも翻訳ができるように開発を進めている、とのことです。

なお、この音声からの翻訳処理は世界中で研究が進められており、NAIST 奈良先端科学技術大学院大学からも同時自動音声通訳に関する研究成果が発表されています。

文末を待たずに翻訳を行う、同時自動音声通訳技術を開発 (PDFファイル)
http://www.naist.jp/topics_pdf/admin_7bd13397e35442b09331b98213756907_1377604682_.pdf

この研究では、これまで「一文」単位で行っていた翻訳処理を、文末を待たずに処理を開始することで翻訳スピードを20%向上させるというものです。概念図はこんな感じ。


SIGMOの本体サイズは4センチ×4センチと、とてもコンパクト。上部には電源スイッチとインジケーターランプがあり、両サイドには翻訳時に使用するボタンが配置されています。音声入力と再生は、前面に配置されたマイクとスピーカーを用いて行います。


本体はプラスチック製で3色展開予定。


アルミ製のゴールド/シルバーモデルも用意されており、15ドル(約1500円)の追加でゲット可能です。


背面には、ステンレス製のクリップも装備されています。


とても小さいので、首からストラップでぶら下げたり……


クリップを使って、ベルトにオンすることも可能です。


多くの人が求める音声翻訳を身近にするかもしれないこの商品ですが、クラウドファンディングサイトのIndiegogoで出資を募集したところ、当初の目標額1万5000ドル(約150万円)の10倍以上という約16万ドル(約1600万円)というとてつもない出資を得ていることからも、期待の高さをうかがい知ることができます。

出資は50ドル(約5000円)から可能で、この場合はSIGMO本体が1個にベルトクリップ、専用のネックストラップとリストバンドのセットを世界どこでも送料無料でゲットすることができます。これに15ドル(約1500円)を追加すると、アルミ製ボディモデルに変更することも可能です。以降、80ドル(約8000円)2個セット、180ドル(約1万8000円)で5個セット、320ドル(約3万2000円)で10個セットというように、どんどんお得にゲットできるプランが用意されています。また、小売り向けの設定として1250ドル(約12万5000円)で50個セット、2200ドル(約22万円)で100個セットのプランも用意されています。

出資の募集締切は日本時間の10月5日(土)午後4時59分となっています。

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in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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