デザイン

ユーザーをだますのが目的のデザイン「ダークパターン」いろいろ

by Thomas Guignard

インターネットを利用していると、自分の意図しない予想外の操作がなされてしまい戸惑うことがたまにありますが、それはそもそも人をだますことを目的としたデザインかもしれません。そんな人をだますことを目的とするユーザーインターフェースは「ダークパターン」と命名され、その手法がまとめられています。

Dark Patterns - User Interfaces Designed to Trick People
http://darkpatterns.org/

ダークパターンとは人をだます目的で作られたユーザーインターフェースであり、決してミスデザインではありません。それらは人間の心理をよく理解して注意深く作られていますが、ユーザーの利益はまったく考えられていません。

ロンドンのデザイナーであるHarry Brignullさんは、ダークパターンについてまとめたサイトを作り公開しました。その目的は、ダークパターンについて広く理解を求め、それを使う企業を名指しし辱めることでよりよいネット世界を実現することにあります。このサイトが存在することで、ユーザーにとっては「備えあれば憂いなし」であり、企業にとっては違反者の烙印を押されることを恐れダークパターンの使用を思いとどまるきっかけになり、デザイナーにとってはクライアントや上司からの、ダークパターンを使って欲しいという不道徳な要求を拒絶する材料になるといいます。

具体的なダークパターンの例は以下の通りです。

◆01:Bait and Switch(おとり商法)
ユーザーがある操作をすると、望んでいないことが起こること。

2010年5月ナイキのサイトでは、サッカーワールドカップのビデオを見ようと画面をクリックするとFacebookの「いいね」が押されるという悪質な仕様でした。


◆02:Disguised Ads(偽装広告)
他の種類のコンテンツや誘導に偽装することでクリックを誘う広告のこと。

2013年4月のWFSB.comでは、ニュース記事の下に、ニュースに似せた広告を表示していました。


◆03:Forced Continuity(強制的な継続)
ウェブサイトを無料試用する際にクレジットカード情報の入力を要求し、試用期間が終わったら自動的に有料サービスとして継続すること。また、いったん利用を開始したサービスの利用停止の手続きが難しいこと。

Xbox LiveへのサインアップはウェブブラウザでもXboxでも簡単に登録できます。しかし、登録の取り消しはXboxやオンラインではできず、いちいち電話する必要があります。


◆04:Forced Disclosure(強制開示)
無料(もしくは安価な)サービスの見返りに、本来不要なはずの個人情報の開示を求めること。

2010年7月27日のYahoo! HotJobs(現在はサービス終了)という求人サイトでは、プロフィール情報に、名前、メールアドレス、住所、職種などの記入を求めていました。しかしこれらの情報は履歴書や添え状に含まれるため、本来、サービス提供者のYahoo!に開示する必要のない情報でした。


◆05:Hidden Costs(隠し料金)
最終段階の会計画面で、配達料金や税金などの予想しない追加料金が突然現われること。

123-reg.co.ukでは、1ヶ月3.75ポンド(約580円)のオプション料金は「Upgrade today!」をクリックすると……


1年間59.88ポンド(約9300円)に早変わり。これは1ヶ月あたり4.99ポンド(約770円)で先ほどよりも金額が高くなっています。


◆06:Misdirection(誤誘導)
ユーザーの注意を他にそらすこと。

2010年10月のMoneySupermarket.comでは、MoneySupermarketのニュースレターの購読取り消しをしようとすると飛ばされるリンクページに、明らかに別のニュースレターの入会申込のテキストボックスがあります。本当の取り消しは、下のテキストボックスからできます。


◆07:Sneak into Basket(こっそりカゴに入れる)
ユーザーがある商品を購入しようとすると、いつの間にか追加商品がカゴに入れられたりオプションがオンにされたりしていること。

2013年6月のPixmaniaでは、商品を購入しようとカゴに入れると、「ZEN Engagement」という19.51ユーロ(約2550円)の謎のオプションが追加されており、この画面からは解除できない状態に。


ダークパターンの典型的手法は他にも紹介されており、どれもこれもうっかりしていると見逃しそうな巧妙なものばかりです。サイトでは、新たなダークパターンの情報の募集もしていることから、商品購入時に注意していないと異常なほど大量のメールを送りつけられるという楽天の手口もそのうちダークパターンに登録されるのかもしれません。

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