高校生が設計した40万円台で実現可能な自動運転車システムが最優秀賞を受賞
毎年行われている世界最大の高校生向け科学研究コンテスト、Intel International Science and Engineering Fair(以下Intel ISEF)にて、ルーマニアのイオヌット・アレクサンドル・ブディステアヌ君(19歳)が最優秀賞であるGordon E. Moore Awardを受賞しました。また、賞金として7万5000ドル(約770万円)が与えられることになりました。
Romanian Teenager Wins Big for Low-Cost, Self-Driving Car Innovation
http://newsroom.intel.com/community/intel_newsroom/blog/2013/05/17/romanian-teenager-wins-big-for-low-cost-self-driving-car-innovation
2013年度のIntel ISEF内でイオヌット君が発表したのは、人工知能を使った低コストな自動運転車システム。彼が自動運転車という分野に取り組んだ理由は、「200万人以上が毎年交通事故で死亡し、さらに5000万人が交通事故でケガをしています。そして交通事故の87%は人の過失により起きています」と、NBC NESWのインタビュー内でイオヌット君が言っているように、交通事故は地球上で起きている大きな問題の1つと考えているからとのこと。
By Erik Starck
イオヌット君の研究では、車に低解像度の3Dレーダーとウェブカメラを搭載することで車線やカーブ、他の車、道に突然出てくる物を検知することが可能になります。そしてコンピュータが画像処理を行い車の管理プログラムに通知することで、車の位置情報を取得することができるようになり、自動運転が可能になるとのこと。
このイオヌット君が設計した自動運転車システムは、わずか4000ドル(約41万円)の費用で作成可能とのこと。同じく自動運転車システムを作成しているGoogleでは1台当たり7万1000ドル(約730万円)と、イオヌット君のものと比べて約18倍ものコストがかかるようです。
By Steven Woo
最も重要な点は、イオヌット君が設計した自動運転車システムでは、異なるシチュエーションでテスト走行を行った際に50回中47回を完璧にこなしたという点です。失敗した3回の走行では、システムは65~100フィート(約19~30メートル)の距離で道路上にいる人をうまく感知できなかったようですが、システム設計者のイオヌット君によれば、これらの失敗はシステムに手を加えるのでは無く、システムに使用されている低解像度の3Dレーダーをよりよいものに取り替えることで解決可能とのことです。
By Becky Stern
なお、以下のムービーからイオヌット君が最優秀賞を受賞した瞬間を見ることができます。
Intel Awards Winner 2013 - Ionut Budisteanu - YouTube
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