洗濯が捗るポイントと洗面器のマルチな才能を長旅の中で発見
旅に出たからといって洗濯は待ってくれません。生きているからこそ汚れていく服。暑い地域なら毎日でも洗濯したい。宿について、川に入って、と旅は洗濯の連続でした。そうしていると、洗うにしても乾かすにしても、それなりのこだわりが出てきます。旅で洗濯機は持ち歩けないので洗面器を持ち歩いてます。何の変哲のない洗面器も旅に出るとマルチツールに変身。洗面器のない旅なんて考えられません。地元の人たちも、洗濯に勤しんでいます。洗濯の後、日本なら物干し竿が主流ですが、海外の景色はまた違っていました。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。長く旅をしているのですが、洗面器を持った旅人にはなかなか会いません。
◆自転車の旅と洗濯
世界一周の当初から洗面器を持ち歩いています。折り畳みバケツを勧める人もいますが、使い勝手は洗面器に及びません。携帯するのには便利ですが、使用中に変形するので使いづらい。持ち運びは大変ですが、洗面器の便利さが勝ります。
一号、オーストラリアと東南アジアで使用した100円均一のイボイボ付き洗面器。このイボイボがあるとなしでは汚れの落ちが違います。
一時帰国となった香港で廃棄。2年と3ヶ月に渡って割れた箇所はガムテープとボンドで補修し大事に使っていました。洗面器はどこにでもあるのですが、洗濯が捗るイボイボ付きの同じものはみつからないので。
二号、アジア横断、ヨーロッパ、アフリカで使用したホームセンターの軽量アルミ洗面器。一時帰国中、イボイボ付き洗面器の新調を試みたのですが、幻の一品と化して見つかりません。諦めて洗濯板を持っていくことに。前の旅では割れてしまったので、丈夫な洗面器を選びました。
一時帰国となった南アフリカで廃棄。3年に及ぶ旅をボコボコになりながらも、旅を支えてくれてました。
洗面器は100円均一のカゴネットを使って積んでいました。
三号、アメリカ大陸縦断で現在も使用中の洗面器。今回の一時帰国では日本で用意せずに、現地で購入を予定して出発。カナダ、アメリカではコインランドリーが普及していたので、メキシコの市場でようやく手に入れました。自転車の色に合わせた緑。
現在も100円均一のカゴネットを使って積んでいます。
逆さにした洗面器のスペースには、食料や上着を入れておくことができて便利。
洗濯板があれば汚れの落ちは違っています。現在は紛失したために使っていませんが。
洗濯粉の保管は安物のウォーターボトルを使用。このボトルを使うと、洗濯のときも煩わしくありません。鞄を汚したり匂いが移るのも嫌なので、ボトルゲージに挿しています。
走行を終えたら、まずやっておきたいことは洗濯です。暑い地域なら、夜が来る前に乾いてしまいますから。
中国のユースホステルで洗濯中。
サハラ砂漠縦断を終えたモーリタニアのヌアクショット。ヌアディブから道中5日間は街も水も無かったので、洗濯にも力が入りました。
メキシコ南部やグアテマラでは、こうしたシンクが普及していて洗濯しやすいです。
真ん中のシンクには水を貯めておける構造。
洗濯を終えたら干しましょう、
メキシコの宿では屋上で干すことが多かったです。日差しを全面に受けることができるので嬉しい。
グアテマラの宿の中庭のスペースを借りて。
アフリカ西部のセネガルの宿では、荷台に立てている旗のポールに洗濯物を干していました。
室内にも干します。タイの宿にて。
ウガンダの安宿では、このように紐を張ってみたり。
チャリダーなら走りながら、乾かすこともできます。
靴下はボトルに挿しておくとよく乾きます。どうしてもすぐに乾かしたい場合には、お湯を注いだ耐熱ボトルに靴下を履かせる方法もあり。
アジア横断の際にはハンガーを一つ持ち歩いてました。底辺は軽量化のためにカット。ただハンガーは用途が限られているので、道中に処分することになるのですが……。旅の中で、ハンガーは「あれば便利」ですが、無くても平気なのです。
こんな感じで悶々としていたのですが、メキシコで旅のハンガーに革命が起きました。洗面器の淵に穴を開けてタイラップで輪を作りカラビナを付けたら、ハンガー代わりになるという衝撃的な事実を発見。
これを使うと濡れている場所が重なってベッタリとしないため、洗濯物がよく乾きます。
加えて袖にもペットボトル。
表面がある程度乾いたら、裏返しておくと取り込む時間が違ってきます。室内なら天井ファンや扇風機をまわしておきましょう。直接風が当たらなくても、湿気た空気が入れ替われば洗濯物は早く乾きます。寒い地域における生乾きの洗濯物は寝袋に入れて、一緒に寝てしまうという究極の方法も。
洗面器の使い方は洗濯に限りません。
調理ストーブの風除けとして。
同じく洗面器に風を防いでもらっています。
キャンプ中に降った雨を貯めて顔を洗ったり。
水シャワーしか出ない宿でも、洗面器があれば電熱コイルでお湯を作ることができます。
洗面器があれば、蚊取り線香の灰も気になりません。
カットされてないパイナップルを買ってしまっても、洗面器を使えば周りを汚すことがなく……
自転車の清掃をするときにも洗面器を使います。バケツ代わりで、宿の部屋やテントの拭き掃除にも欠かせません。
あとはトイレを流すときとか。途上国のトイレでは日本のように勢いよく水が流れないこともあるので。
この他にも、
・川で沐浴する時に。
・日本なら無料露天風呂で。
・トイレ・シャワーが共同の宿で、室内でふと手を洗いたい時とか。
・安宿での雨漏り対策に。
・自転車のパンク修理の穴がどうしてもみつからない時に。
・地べたに座るときの椅子代わりに。
といった使い方もあります。
アフリカではよく「これで飯を食うのか」と聞かれました。確かに、アフリカの人は洗面器くらいの鍋でたくさんの料理を作っていますが……。目立つ位置に積んでいるので、「これは何に使うんだ」と地元の人たちとの交流にも一役買っています。
◆世界の洗濯風景
自分が洗濯するように、世界の人たちも洗濯をしていました。インドネシア、ギニアビサウ、コンゴ共和国なんかでは地元の人たちに混じって川に入ることも。生きているからこそ必要な洗濯の景色は、いつ見ても素敵なものです。
アフリカ西部マリの川で洗濯する人たち。
カメルーンでホームステイをしていたらスコールがやってきました。いっぱいなった雨水は洗濯に十分。
アメリカではコインランドリーが普及していました。
川で洗濯中のグアテマラのお母さま方
用水路も地元民の洗濯場所になっています。こちらもグアテマラ。
広大なオーストラリアでは洗濯物の干し方も豪快。このようなパラソルの骨組みに、二重、三重と鉄線が巻かれています。
生活観溢れるインドネシア
団地の窓から物干し竿を伸ばしているのはシンガポール。人口密度の高い国なので、限られたスペースを有効活用という感じでしょうか。
タイのバックパッカーの屋上にて。
旧ソ連アルメニアは高層ビルの谷間を洗濯物が舞っていました
このアルメニア方式の種明かしはカナダで発見しました。滑車を使うことで、手の届かないはるかな頭上であっても洗濯物を干すことができます。
ヨーロッパの田舎は爽やか
メキシコでよく見かけた、洗濯ばさみ要らずの干し方。二重に交差した紐で洗濯物の端を挟んでいました。
大量のシーツを干していたグアテマラの宿
ジーパンが地べたに干しあったエルサルバドル
ニカラグアで泊まった宿の中庭
お金のない貧乏旅行でも、洗濯くらいはマメにして清潔でいることを心がけたいものです。汚れたままでいると集中力も鈍りがちで、トラブルに巻き込まれる可能性も上がりますし。自分も記事も書き終えたので、これから洗濯してきます。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com)
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