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放射線を遮蔽するタングステン粒子をブレンドしたアラミド繊維を帝人が開発

By n8kowald

タングステン粒子をブレンドした放射線(X線、γ線)遮蔽繊維を帝人が開発しました。帝人では長期耐熱性や難燃性に優れるアラミド繊維をライフプロテクション分野に提供してきましたが、東日本大震災以降は放射線遮蔽素材の開発に取り組んでおり、その結果として生まれたもの。

帝人 | ニュース | 放射線を遮蔽するアラミド製品の開発について
http://www.teijin.co.jp/news/2013/jbd130424_35.html



「アラミド」というのは高耐熱性を持つ高強度のエンジニアリングプラスチックのことで、船体や飛行機・防弾チョッキ・ヘルメットなどに用いられているケブラーや消防服などに用いられているノーメックスなどはアラミドを繊維化したもの。アラミド繊維のうち、パラ系は高強度・高弾性、メタ系は耐熱・耐薬品製が特徴です。

帝人グループでは、パラ系アラミド繊維の「トワロン」「テクノーラ」、メタ系アラミド繊維の「コーネックス」を扱っていますが、今回開発した放射性遮蔽アラミド繊維は、この「テクノーラ」と「トワロン」にタングステン粒子をブレンドして作ったもの。タングステンが用いられているのは、放射線遮蔽素材として知られる鉛は環境への影響から世界的に規制の動きがあり、一方でタングステンは放射線遮蔽能力を持ちながらも人体・環境への影響が低いため。


一般的にタングステンのような高比重の金属を繊維に配合して製糸するのは困難で、また、配合しても強度や弾性率などが損なわれることがあるために実用化に至っていませんでしたが、帝人はテクノーラとトワロンの紡糸方法や素材特有の物性を活かすことで、実現にこぎ着けました。

「テクノーラ」の場合は、これまでに培ってきたポリマー技術と紡糸技術を駆使することで、繊維内にタングステンを均一に配合。


「トワロン」の場合は、パルプ形状にすることでタングステン粒子と高い接着性を持たせることができ、さらにシート化技術と組み合わせることでタングステンを均一に分散させたペーパーを生成することもできるとのこと。


完成した製品は、配合するタングステンの量に応じた放射線遮蔽率を実現しながら、ポリエステルなどを上回る強度を持ち、織物やペーパーなので柔軟性や加工性に優れていて鉛板やコンクリートでは実現できないフレキシブルな形状での利用が可能、という特長を持っているとのこと。

これらの製品について、5月上旬からサンプル提供を開始、放射線量の高い場所で使用される防護医療やシート材用途への展開を目指していくそうです。

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in メモ, Posted by logc_nt

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