次世代「Thunderbolt」の転送速度は今の2倍になってさらに安くなるとIntelが発表、年内に製品登場予定

MacBook Air・MacBook Pro・iMac・Mac miniなどに採用されている高速転送を可能とする規格「Thunderbolt」が従来の10Gbpsの2倍、20GbpsになることをIntelが発表しました。

New Intel Thunderbolt™ Advancements at the NAB Show
http://newsroom.intel.com/community/intel_newsroom/blog/2013/04/08/chipshot-new-intel-thunderbolt-advancements-at-the-nab-show

まず現時点でどれぐらい高速なのか？というのはIntelのPDFファイルによる以下のグラフを見ると分かります。現時点ですらこれぐらい高速なのにさらにこの2倍になるというわけです。

現時点でThunderboltを搭載している一番有名な製品は以下のApple製品群。

Apple製品以外でも以下のように2013年に登場するノートPCなどにはかなり搭載されている割合が高まっており、Intelが必死で普及させようとがんばっていることがよくわかります。

実際に出回っている製品はこんな感じ、高速転送がウリなのでバックアップ用の大容量外付けHDDであるとか、高速転送を活かして映像処理関係の製品が目立ちます。

Intelが提供するのはIntel DSL4510/4410 Thunderboltコントローラーと呼ばれているセットで、DisplayPort 1.2(ネイティブ接続可能)をサポートし、パワーマネージメントを改善、プラットフォームにおけるBOMコスト(製品を作るために用いられる素材やコンポーネントの総コスト)が削減できるとしています。わかりやすく言うと、従来の2倍の転送速度なのに製造コストが下がるので安く提供できるようになりますよ、ということです。そしてこの次世代Thunderboltは来るべき第4世代のIntel Coreプロセッサーシリーズをターゲットにしている、とのこと。

Thunderboltケーブルも安く提供されることになっており、1メートルから3メートルのケーブルはより薄いものが登場予定、さらに現時点では30メートルの長さまでだったものが、2013年の第2四半期には100メートルの長さまで可能になるケーブルが発売されることになっています。

この転送速度2倍の次世代Thunderboltはコードネーム「Falcon Ridge」と呼ばれるプロトタイプのコントローラーが既に存在しており、20Gbpsの転送速度を実現済み、映像をフルHDを上回る4Kで転送しつつ、同時に表示をも可能にするという爆速っぷりを見せつけており、以下が実際の製品。左にある「Light Ridge」が以前の第1世代で、中央にある2つのうち、左側が第3世代となる次世代Thunderbolt。

実際にどのように役に立つのかというのは以下の図を見れば明らかで、例えば左側の例だと、ノートPCから1本のThunderboltケーブルを使ってモニター2台に映像を表示しつつ、データバックアップ/転送というような使い方が可能。右側の例だと4Kクオリティの超高解像度映像データをモニターで表示しつつ、データ自体をRAIDの外付けドライブに保存、なおかつビデオキャプチャなども実行し、さらにエンコード済みのデータを持ち歩けるモバイルストレージに保存する、というような使い方ができるわけです。

2倍の速度となる次世代Thunderboltが市場に投入されるのは2013年末の前頃となっており、年内には製品が登場する予定となっています。

大容量データのバックアップや転送は確かに頭の痛い問題なので、次世代Thunderboltはそういった問題を解決するにはぴったりなのかもしれませんが、対する最大のライバルはさらに増速予定の次世代USB3.0となっており、最終的には性能と価格のバランス、対応製品の多さで決まってくるため、今年は勝負の年になりそうです。