NVIDIAのビデオカードをちょこっといじって30万円台のカードに変える方法
By _Xti_
「NVIDAのユーザーフォーラムに書いたら黙って消されたのでここに書く、彼らはこのことが公に明らかになることを好まないようだ」ということで、日本円で約11万円のゲーム用ビデオカード「GTX 690」を約18万円のプロフェッショナル用ビデオカード「Quadro K5000」に変え、さらに科学研究などに使うGPUコンピューティング用で30万円台となる「Tesla K10」にしてしまう方法が公開されました。
Hacking NVidia Cards into their Professional Counterparts - Page 1
http://www.eevblog.com/forum/projects/hacking-nvidia-cards-into-their-professional-counterparts/
投稿したgnif氏によると、まずNVIDIAの製品群は主に以下の2つの分野に分類できます。
◆1:ゲーミング市場をターゲットにした「GeForce」
◆2:プロフェッショナル市場をターゲットにした「Quadro」
さらに最近になって以下が加わりました。
◆3:ハイエンド並列コンピューティング用の「Tesla」
もちろんメーカーであるNVIDIAとしてはそれぞれのターゲットとなっている市場向けに個別のチップを作るよりも、1つのチップを使い回した方が安上がりです。そのため、実際には「GeForce」「Quadro」「Tesla」のそれぞれで同じチップ、同じ構成になっているケースが多々あることになります。物理的には同じチップが載っているのになぜ違う機能になっているのかというと、「ハードウェア・ストラップス(hardware straps)」と呼ばれている物理的な仕掛けを使って各PCIデバイスのIDをコントロールしており、このIDがパソコンに伝えられ、どのドライバーを使うかが決まっている、という仕組み。
gnif氏はもともとゲームとマルチモニター用にGeForceの「GTX 690」を購入、最大で3画面まで出力できる点はナイスなのですが、Windows上でしかドライバーが対応しておらず、Linuxで同じことをするには同じチップを使っているが値段の高い「Quadro K5000」を買わなければならないということに。GPUとしては同じものであるはずなのに価格差は実に7万円近くあり、しかも価格が高い「Quadro K5000」の方が「GTX 690」よりも性能が低いということが明らかに。
パフォーマンスをスコアで表すと、値段が高い「Quadro K5000」はスコアが「3909」、値段が安い「GTX 690」はスコアが「4913」、約20%ほど性能が高い方が安いというわけのわからない状態。
そこでgnif氏はハードウェア・ストラップスとなっているレジスタ(抵抗器)を特定して引っこ抜くことでPCIデバイスIDを変更し、「GTX 690」を「Quadro K5000」に変えることにしたわけです。
レジスタがあるのはココ
どれが変更させるためのレジスタかという説明図
結果、変更完了、「GTX 690」が「Quadro K5000」に。
さらに30万円台の「Tesla K10」にも変更可能。
これを実行したからといって高速化されるわけではないのですが、gnif氏と同じような怒りを抱えているのであれば一筋の光明になりそうです。
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