H.265(HEVC)形式の圧縮動画を復号するソフトをNTTドコモが3月中旬から提供開始

By derrickcollins

NTTドコモが、国際標準規格の新動画圧縮形式「HEVC(H.265)」の動画をPCやモバイル機器で復号するソフトを3月中旬から提供していくことを発表しました。この形式は従来のMPEG-4 AVC(H.264)形式に比べてデータ量を半分程度に圧縮することが可能で、解像度はフルHDに対応。PCの場合は4K(3840×2160/60fps)にも対応しています。

報道発表資料 : 新動画圧縮方式の復号ソフトライセンスを提供開始 | お知らせ | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2013/02/04_00.html

HEVCとは「High Efficiency Video Coding」の略で、2013年1月25日に国際標準規格(H.265及び23008-2)として承認されました。この規格は、映像機器やモバイル機器などで利用されているMPEG-4 AVC(Advanced Video Coding)形式の次世代規格で、MPEG-4 AVC形式と比較すると同じ品質でデータ量は半分にまで圧縮することが可能になります。

今回、NTTドコモが提供するのは、HEVCで圧縮した動画をモバイル機器やPCなどの動画プレーヤーで再生できるように復号するソフト。スマートフォンでのフルHD再生にも対応しており、動画復号時に処理速度が追いつかなくなって再生が遅延したりコマ落ちしたりすることなく、実時間再生を実現しています。PCの場合は同様に、4K動画の実時間再生に対応しています。

通信を利用して動画を視聴する場合、サイズの大きな動画だとパケット量が膨大になってしまったり、回線環境によってはうまく見られなかったりすることがありますが、HEVCであれば同じ通信速度ならより高画質の動画の視聴ができるようになったり、同じ品質であれば従来の半分ほどの時間でダウンロードが可能ということになります。

今後、ドコモではdビデオやdアニメストアなどの動画サービスにHEVCを取り入れる検討を進めていくとのこと。

2月14日から開催されるNTT R＆Dフォーラム 2013と、2月25日からバルセロナで開催されるMobile World Congress 2013のドコモブースで、それぞれ展示される予定となっています。