メモ

ファイルサイズが従来の2分の1になる新ムービー形式「HEVC(H.265&MPEG-H Part 2)」


音楽ファイルのフォーマットとして使われるMP3というのは「MPEG-1 Audio Layer-3」の略で、The Moving Picture Experts Group(MPEG)が作った動画ファイルフォーマット「MPEG-1」のオーディオ規格です。

このMPEGがストックホルムで会合を開き、新しい動画ファイルフォーマットとして、圧縮効率が非常に高い「HEVC」を国際標準規格とするための委員会草案を提出したとのこと。

MPEG Media Transport reaches committee draft milestone



New MPEG standard halves video bandwidth with no quality loss



通信、コンピュータ、テレビ、家電などから450人の代表が参加した会合において、HEVC(High Efficiency Video Coding)の委員会草案が承認されました。

動画ファイルのフォーマットには色々とありますが、MPEGはこれらのうち「MPEG-1」「MPEG-2」「MPEG-4」を規格化しています。MPEG-4の中でも動画の圧縮効率を追求するために開発されたMPEG-4 AVCはITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)との共同規格化なので、H.264とも呼ばれます。


MPEG-4 AVC(H.264)は、圧縮アルゴリズム自体はMPEG-1やMPEG-2、H.261などと基本的に同じものですが、多数の改良を施したことでMPEG-2の2倍以上の圧縮効率を実現しています。例えばBlu-ray Discの映像コーデックの1つとして使用されていたり、YouTubeやニコニコ動画などでも使用されている、非常にポピュラーな技術となっています。

今回承認されたHEVCはこれまでH.265、MPEG-H Part 2とも呼ばれてきたもの。総会の幹事を務めたエリクソン社のビジュアルテクノロジー担当Per Frojdh氏は、この技術の成果が産業界に大きな衝撃を与えるだろうと語りました。

2010年のCEATEC JAPANで、三菱電機がデモを行っていた「次世代高圧縮映像符号化技術」がまさにこのHEVCです。


この時点での国際標準規格化のスケジュールはこんな感じでした。予定では委員会草案は2011年のところに入っているので、ちょっと遅れ気味なようです。


Frojdh氏によると、HEVCはビットレートを半分に落としてもこれまでと同等の映像品質を維持することができるので、多くの産業が関心を寄せているとのこと。また、これは使用する帯域を半分に減らせるということにも繋がるので、もともと帯域が限られている携帯電話会社がより多くのビデオサービスを提供できるようにもなります。

「ネットワークに送信されたデータのうち大部分を映像が占めていて、しかも割合はどんどん増加しています。2015年には全ネットワークトラフィックの90%を映像が占めることになると予測されています」とFrojdhさん。HEVCは2013年1月までには第1版が承認化されるとみられていますが、2013年の早期に製品への導入も行われるのではないかとの見方を示しました。

ちなみに、2ちゃんねるの「【2013】 H.265/HEVC 【7680x4320】」スレッドに、MPEG-4 AVC(H.264)とHEVCを同一ビットレート、ほぼ同一の画質で比較した画像が掲載されています。

画像は左上がHEVC 800kbps、右上がAVC 800kbps、左下がAVC 1500kbps、右下はロスレス。


別のカット


確かに同一ビットレートだとHEVCの方がきれいに見えますが、ビットレートを約半分に落とすとなかなか微妙なところっぽいです。

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in メモ, Posted by logc_nt

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