法執行機関による市街地作戦を想定した次世代カモフラージュ「A-TACS」の新パターン
戦闘の際に敵に発見される可能性を下げるために使用される戦闘服などの配色パターンはカモフラージュ(迷彩)と呼ばれ、アメリカにはその様なカモフラージュ模様の研究や迷彩服の製造を行う企業が複数存在しています。今回取材したDigital Concealment Systems社もその1つで、同社が開発したグラデーションを多用した新型迷彩「A-TACS(Advanced Tactical Concealment system)」は草原や岩場、市街地などの幅広い環境で目立たず行動できるようにデザインされています。2013ショットショーでは、その「A-TACS」の法執行機関向け新パターンが公開されていたので現地で写真に納めてきました。
A-TACS | Advanced Tactical Camo
http://www.a-tacs.com/
割とこぢんまりとした印象のDigital Concealment Systems社のブース。
内部の様子はこんな感じ。
◆A-TACS LE CAMO
今回発表された新パターン「A-TACS LE CAMO」を着たマネキン。製品名にある「LE」とはLaw Enforcement(法執行機関)の事で警察官や保安官、FBI、司法省の麻薬取締局、シークレットサービスなどの総称として用いられています。
ほとんど黒に見える濃い紺色がベースで所々に薄い青色が混じっています。なお、このパターンはあくまでも参考出品とのことで、展示を行って市場の反応を確かめつつ2013年半ばの正式発表に向けて調整を進めるそうです。
背面。
近くで見るとこんな感じ。
下半身はこうなっています。
ファーストエイドキット用のポーチ。
市街地での使用を想定しているとのことですが、明るい場所でコンクリート壁などの背景に溶け込むためというよりは建物の影などの暗い場所で動かずに居る際に威力を発揮しそうな印象となっています。
◆A-TACS FG CAMO
以下は既に発表済みの草原や森林地帯向けの仕様「A-TACS FG CAMO」を採用した迷彩服です。
グラデーションが掛かった配色で色と色の境目があいまいなのが特徴。
ヘルメット。
ポーチ。
ライフルにもカモフラージュ塗装がされています。
なお、これらの服やポーチはDigital Concealment Systems社が製作したものではなく、同社の開発した迷彩パターンを使用してミリタリー向けのアパレルメーカーやブーツメーカーなどが製造したものです。
◆A-TACS AU CAMO
砂漠や岩場を想定した迷彩パターンが「A-TACS AU CAMO(写真中央)」。左右にある「A-TACS FG CAMO」と比較すると明るめの配色になっていることがわかります。
「A-TACS AU CAMO」模様のベストとホルスター。
バックパックもあります。
なお、この「A-TACS」シリーズはその性能の高さからアメリカ陸軍の次期BDU(戦闘服)の迷彩柄として採用されるのではないかとウワサされているようなので直接Digital Concealment Systems社の中の人に質問してみることにしました。ブースに居たマーケティング担当者に「A-TACSはアメリカ陸軍の戦闘服向け迷彩パターンとして採用されるのですか?」と聞いてみたところ、回答は政府に働きかけをしており何度もテストを受け改善作業も行っていますが、大規模に採用される可能性は低いと思います。しかし、既にフォース・リーコンやシールズの狙撃部隊などの一部のチームにはA-TACSを使用してもらっているので、今のところは特殊部隊や法執行機関向けのパターンの開発にフォーカスしていこうと考えています」とのことでした。
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