メモ

コダックが約442億円でデジタル写真処理の特許などを売却、その背後にはApple・Google・Microsoftなど


2012年1月に破産申請をしたイーストマン・コダック(Eastman Kodak)が、所有しているデジタル写真の処理に関する特許などを売却しました。売却相手はインテレクチュアル・ベンチャーズとRPX Corporationで、ここがAppleやGoogle、リサーチ・イン・モーション(RIM)などへのライセンス供与を行うとのこと。売却総額は5億2500万ドル(約442億円)。

Kodak Announces Sale of Patents
http://www.kodak.com/ek/US/en/Kodak_Announces_Sale_of_Patents.htm



Apple, Google in Group Buying Kodak Patents - Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/2012-12-19/kodak-agrees-to-sell-imaging-patents-for-525-million.html



カラーフィルムやデジタルカメラを世界で初めて開発したことで知られるコダックは、写真関連製品分野では高いシェアを誇るメーカーですが、2012年1月に連邦倒産法第11章の適用を申請。会社再建に向けての取り組みを行ってきました。今回の特許売却も、その一連の流れに従ったもの。

売却された特許はデジタル画像のキャプチャ、共有、取り扱いなどに関するもので、1100点以上。以前、284 Partnersはこの特許群を26億ドル(約2190億円)相当の価値があると評価していました。コダックのスポークスマンによると、これはコダックの特許ポートフォリオ全体から見るとほんの欠片に過ぎないそうで、現在進行中のビジネスのために今回売却したもの以外に9600件以上の特許を保有しているとのこと。


今回、特許はインテレクチュアル・ベンチャーズとRPXの2社が購入しますが、その背後にはApple、Google、RIM、Facebook、Amazon.com、Microsoft、Samsung、Adobe Systems、富士フイルム、Huawei、HTC、Shutterflyの12社がライセンシー(ライセンスを受ける企業)として存在しており、特許を持つ2社からライセンスを受ける形になります。この特許売却の合意により、コダックと12社のライセンシーとの間にある特許侵害訴訟はすべて解決されることになります。

コダックとApple、RIMとは、「デジタルカメラでの写真プレビュー」の特許を巡って2年にわたる訴訟合戦を繰り広げてきましたが、5月に国際貿易委員会はコダック側の敗訴の決定を下し、7月に正式決定。AppleとRIMから10億ドル以上の支払いを受けられると考えていたコダックの計画は打ち砕かれていました。

コダックは11月の「Komodo」協定によって、2013年上半期での倒産を回避するために8億3000万ドルの再生融資を受けることになっており、そのために特許を5億ドル以上で売却することという条件が定められていました。売却価格の5億2500万ドルはそれをわずかに上回るもの。

ちなみに、AppleやMicrosoft、RIMらの企業連合は、同じように連邦倒産法第11章を申請したノーテルネットワークスからも6000件以上の特許を45億ドル(約3790億円)で購入しています。この特許にはGoogleも目をつけていましたが、9億ドル(約758億円)のオファーを断られ、競争の末に取り損なっています。

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in メモ, Posted by logc_nt

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