アメリカ大陸の巨大なスケールに心を奪われるカナディアンロッキーを越えてみた
Vancouver(バンクーバー)から東に進んでいくとロッキー山脈にぶつかります。9月下旬のカナディアンロッキーの山々は山頂にうっすらと雪が積もっていました。次々と現れる山々が魅せる景色には圧倒されます。美しい山々を見ていたら、峠を超える辛さも吹き飛んでいました。たどり着いたLake Louise(レイクルイーズ)やBanff(バンフ)は日本人にも人気の観光地です。その街ではミュールジカやエルクといった野生動物の姿をみかけました。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。自転車でロッキー山脈を越えるのは世界一周において憧れの一つでした。
カナディアンロッキーの観光都市バンフはこちら。
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福岡の空港で「バンクーバーに来るならお会いしませんか?」という現地在住のヨシさんからのメールが入って台北、バンクーバーでもやり取りを行いました。海外からGIGAZINEを読んでいただいているそうで、その中でのお誘いです。どこの空港にもWi-Fiが飛んでいたので連絡には困りることなく、そのままバンクーバー郊外のお宅で二日間お世話になって、旅の準備をさせてもらいました。
必要品の買出し。
ヨシさんの息子で腕白盛りのレオ君。
お仕事で忙しかったにも関わらず、ありがとうございました。新しい旅の出だしは戸惑いがちですが、しっかりと準備ができて良いスタートを切れました。
◆東へ
バンクーバーから針路を東に取りました。南に走ればすぐアメリカに入るのですが、それではカナダを旅したことにはなりません。それにカナディアンロッキーを縦断するルートは、ずっと憧れていました。夏にアラスカのアンカレッジをスタートしたチャリダーはジャスパーやバンフといったカナディアンロッキーの国立公園を走っていますし。
鮭も遡りたくなるカナダの大自然。
木材を運ぶトラック。
次のガソリンスタンドまで120km。海外ではよくあることなのでくじけません。
そのまま標高1244mの峠を越えました。
大きな鳥を発見。
Merritt(メリット)の街を通過します。
静かな湖の脇を走り抜けて。
Kamloops(カムループス)の街に突入。
人口8万7000人のカムループスは大きな街です。このバイパスの周りに大型商業施設が集まり、川の近くに中心街があります。200mの標高差があるので、車がないと生活も大変そうです。バイパスは自転車で走れないので、中心街まで降りました。
街を離れると静かになります。
道路の隣には鉄道。
針葉樹の森を進んで行きます。
◆カナディアンロッキー
Revelstokeの街を抜けるとちらほらと高い山の姿が。
カナディアンロッキーに入っていきます。
絶景。
空を突き刺すような山頂。
標高1330mのRogers passを越えました。
峠のてっぺんから見た山塊。
山頂はどのくらいの高さになるのでしょう……?
このRogers pass の一帯はGlacier National Park となっています。
ダウンヒルの際に飛び込んでくるのはどこまでも大自然。
Rogers passを下り終えたらGolden(ゴールデン)の街です。この次の峠を越えるとようやくバンフ国立公園に入ります。
◆バンフ国立公園
カナディアンロッキーの南部に位置するのがバンフ国立公園で、ここを訪れるのがカナダの一番の目的でした。夏にカナダを旅していたら他にも選択肢は出てきますが、日に日に寒さも厳しくなる9月末のスタートだとここが精一杯です。それでも、夢のような素晴らしい景色の中を走ることができました。
遠くに薄っすらと雪のかぶる山々が進行方向です。
夕陽に照らされたカナディアンロッキーが今回のハイライト。
左右均等に裾を広げたいかにも「山」という形の山が正面に。
バンフ国立公園へ登板中に小さな集落を通過して。
深い深いカナディアンロッキーの山々。
朝晩は氷点下となっていたので、山肌にはつらら!!
手刀で斜めに切ったような面白い形の山。
ロッキー山脈を越えるからには厳しい峠越えを予想していたのですが、片側2車線の大きな道路は大型車両でもスピードが出るように作ってあるのか斜度が滑らか。いつの間に約1650mの最高地点に達して下っちゃいました。
そして、Lake Louise(レイクルイーズ)に到着。
レイクルイーズではユースホステルに宿泊しました。
日本の高速道路のような片道二車線の道路を次のBanff(バンフ)の街へ向けて軽快に走ります。
愛車とカナディアンロッキー。
雄大すぎる山々に向かって伸びていく道。
道路脇の展望スポットで眺めた景色は美しすぎました。
片方はギザギザと波打ったような山頂。
「MT RUNDLE」という山で標高は9675フィート、約2949Mになります。
バンクーバーから10日かけてバンフに到着。
今までの街と違って観光客の姿が多いです。
こんな見事な山に囲まれた場所ですから当然でしょう。
道中に野生動物に注意の看板をよくみかけました。
ビッグホーンシープに注意。
マウンテンゴートに注意。
エルクに注意。
注意していたのですが、姿はありません。
でも、Banffの住宅街でうろついてました。ミュールジカでしょうか?
やさしい瞳と見つめ合いました。
郊外の森にどんと居座っていたのはエルクでした。貫禄がありました。
こうした野生動物を保護する為にバンフ国立公園内の道路には特殊なトンネルがあります。トンネル上部が森と森をつなぐ橋となって野生動物の往来を自由にしていました。
このカナディアンロッキーで何より心配していたのが……野生の熊でした。
こんな熊しかいなくて助かりました。寒かったので冬眠していたと思いたいのですが……。
バンフに近いCanmore(キャンモア)の町。
交差点から見えるカナディアンロッキーの山々。
カナディアンロッキーの大きさはアメリカ大陸に来たと実感させてくれました。
秋のカナディアンロッキーはこれから訪れる冬に備えてもいるかのようで静かでした。ここは季節によって違った表情が見れそうなので、また別の季節にも訪れてみたいです。
カナディアンロッキーを越えたことでカナダの目的は果たしました。寒いのでアメリカへ向けて南下します。この辺りは日本の北海道より高緯度の北緯50度を越えていて、風邪を引きそうでした。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com)
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