メモ

どのようにして電子書籍で1万5000ドルを儲けたか?という体験談

By audiovisualjunkie

プログラムの抽象概念だけでなく、簡潔に分かりやすくRubyを説明し、プログラマーとしての考え方も書いてある実用的な電子書籍「Clean Ruby」の著者Jim Gayさんは電子書籍の出版によって6ヶ月たらずで1万5000ドル(約120万円)を得ることができましたが、一体電子書籍が発売されるまでにどのような経緯があり、その後Jim Gayさんの生活にはどのような変化があったのか?ということで、Jim Gayさんが電子書籍を出版するまでを振り返っているのが「$15,000 in Income From an eBook, How I Did It」です。

$15,000 in Income From an eBook, How I Did It - Saturn Flyer with Jim Gay
http://www.saturnflyer.com/blog/jim/2012/09/19/15000-in-income-from-an-ebook-how-i-did-it/

◆壮大な計画は間違いだった

By andres.thor

Jim Gayさんは何か自分で商品を作ってお金を稼ごうと決めた時、自分では「アイデアはすでにあるので、それを実行するため助けが必要だ」と思っていたそうです。そこで、知人の勧めもあり、「お金のために働くのではなく『自分でプロダクトを作りお金をかせぐ』という方法」をレクチャーする「30×500」というセミナーに参加してみることに。セミナー開始時、彼は商品(=本)の内容についてほとんど考えをまとめており「あとは本をどうやって売っていくか」という点のみを考える必要がある、と思っていました。

しかし、セミナーで彼が始めに学んだのは「自分のアイデアは全然だめで、努力と時間の無駄だった」ということでした。


Jim Gayさんによれば「私は間違った場所で人々の望むものを見つけようとしていたのです。それはどことも知れぬ場所の真ん中に店を建てるようなものでした。自分では客通りが多い線路沿いの道を選んだつもりだったのに、コースを受けた後に、初めて私は鉄道の見つけ方と近づいて来るときの音の聞き方を学んだのです」とのこと。まったくマーケティングができていなかったことを学んだのです。

◆どうやってプロダクトを選んだか

By Nathan Penlington

Jim Gayさんは何人かの人からすでにお金を受け取ってしまっているという問題を抱えながら、もう一度商品のアイデアを考え直す必要がありました。しかし、DCIという新しい考え方のせいでまったく集中できなかったそうです。彼によればDCIは新しく、刺激的なプログラミングの考え方とのこと。DCIについて何か読む度にメモをして、試しにコードを書いてみたり、日々の仕事で学んだことをそれに応用させたりしているうちにセミナーどころではなくなってしまい、「もうだめだ!」と思ったそうです。本のアイデアを練らなければならないのに、全く集中できない。そこで、もうDCI自体を本に取り込んでしまうことを決めたのです。

Jim Gayさんは時々ブログを書くそうなのですが、DCIのアイデアは重要かつパワフルだったため、ブログに投稿してみることにしました。誰かがそれについてブログに書いていることも考えられます。そしてその際、これまでは無かったメールフォームを付け加えてみたそうです。彼がブログにおいてコメントをもらうことはほとんどなかったのですが、記事を投稿して数時間後、コメント欄はゼロにも関わらず、メールフォームには12通ものメールが届いていたのです。

「なんてことだ!」

人々はコメントよりも先にメールを送るということに彼はその時初めて気づきました。自分ではリサーチを行っているつもりでいたのですが、実際は顧客のリサーチがまったくできていないまま実行に移っており、ブログのメールフォームというささいなことによってそのことを実感したのです。「私はあまりにも無知だったのです」と彼は語ります。

◆聞く耳を持つ


By niclindh

また、Jim GayさんはLean ArchitectureClean Codeといった本からすばらしいインスピレーションを得ました。そこにはプログラマーの考え方について書かれており、コードやパターンの自己満足的な説明が書かれているのではなく、プログラマーたちがペースダウンして適切に物事を行うことを教えてくれているのです。

「開発者」と呼ばれることを強く望む何人かは別として、プログラマーと呼ばれる人たちは本当に技術的なことそれ自体を楽しんでいる、と彼は考えます。しかし人々の多くは技術的であることを理由として技術的なことを行いません。彼らはすばらしいゴールのために読み、書き、勉強するのです。これがJim Gayさんの書いた「Clean Ruby」の行うことです。DCIについてももちろん書かれていますが、Clean RubyはDCIについての本ではありません。それは人々の開発に対する努力をどうにかして仕事に影響させるよう手助けする本なのです。プログラミングについての本でありながら、考え方についての本を彼は書いた、というわけです。

◆激励と支持

By tinou bao

Jim Gayさんは本を書くにあたってコンピューター・サイエンスの研究者であるJim Coplienさんや、同じくオスロ大学の研究者Trygve Reenskaugさんからプログラミングのコンセプトを学ぶことができました。彼らは必要に応じて時に批判的で、時に協力的に彼を支援してくれ、他にも多くの研究者たちが助けになってくれたとのこと。また、30x500のセミナーで出会った自分のプロダクトを作ろうとしている人たちも、彼が本を作ることに集中する助けとなったそうです。さまざまな場面で支援してくれる人々がいたからこそ、彼は長く売れていくであろうこの有益な本を作ることができました。

◆収益

By jon.satrom

これまで一度も本を書いたことがなかったので本の販売をする前は緊張したそうですが、予約販売は彼の予想以上でした。そして以下のグラフにもあるように、発売初日、売り上げは3000ドル(24万円)を大きく上回りました。


彼の本は多くの人たちに受け入れられ、開発者たちがアプリケーションを見直し、実際のビジネスにおける自分の仕事の価値をより考えられるようにしました。彼は本に関するコメントや関連情報を集め、フィードバックや激励の言葉を忘れないようにしました。Clean Rubyは未完の本であり、彼はさらに執筆を行う予定であるためです。

そして6ヶ月もしないうちに、収益は以下のようになりました。


彼は研究に戻り本を完結させることを望んでおり、また顧客もそれを望んでいます。しかしコンサルタント業に戻ることもできるでしょう。彼が大きなシステムにおいてソフトウェアを作る方法を知っており、他の人に教えることもできることを、今や多くの人が知っているためです。お金のために働くのではなく、プロダクトを売ることができた、という経験は、彼の人生を大きく変えました。

Jim Gayさんによれば、この本を書いて最も素晴らしかったことは、コンサルトの余裕がない個人や小さな企業が、自分が1時間の仕事と引き替えに請求しているものが何なのかを少しでも学べるということだ、とのことです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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