交差点やS字の道路を全速力で疾走する「岸和田だんじり祭」の「やりまわし」に迫ってみた
大阪府岸和田市で行われる「岸和田だんじり祭」は約300年の歴史と伝統を誇る祭で、交差点や曲がり角を全速力で曲がる豪快な、車でいう「ドリフト」っぽい「やりまわし」を一目見ようと、毎年約50万人もの人が訪れます。「このやりまわしをぜひ間近で見てみたい」ということで、全力疾走する迫力満点のだんじりに迫ってみることにしました。
岸和田だんじり祭 - 大阪府岸和田市公式ウェブサイト:祭都きしわだ
http://www.city.kishiwada.osaka.jp/site/danjiri/
だんじりは岸和田市中を回るのですが、詳しい経路図は大阪府岸和田市公式ウェブサイトに掲載されています。
9月16日(日)は「大阪府岸和田市岸城町7-1」の「こなから坂」からスタート。坂を一気に駆け上がり岸和田城に向かってやりまわしが行われる、祭の大きな見どころの一つです。
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早朝の岸和田市に到着。
蔵からだんじりを出すところです。
約4トンほどあるそうです。
反対側から見るとこんな感じ。
精緻な彫刻も見所のだんじりの特徴の一つ。
宮入の前に車輪やブレーキなどを入念に整備します。
地車が神社に宮入りする際に地車の後部に取り付ける吹流し「ふきちり」をセットし……
いざ、宮入へ!
宮入では、「こなから坂」を一気に駆け上がって岸和田城内へとやりまわしで突入していきます。
22.5度の急傾斜の厳しい坂道とのこと。
2012年9月16日の本宮のハイライトの一つということで、かなりの人だかり。良い場所から見るためには、早めに来て場所を確保しておく必要があり。
マンションの上から見学する人も。
ついに、だんじりがやってきました。
綱で引かれただんじりが猛スピードでコーナーを駆け抜ける姿は圧巻。
屋根上にいるのは「大工方」と呼ばれる人で、団扇を使って進路などの指示を出すポジション。両手を広げたり……
飛び上がり体の向きを変えたりとかなり激しい動き。
こうした大工方のパフォーマンスも見どころの一つ。
華麗ではありますが危険も伴うポジションで、時には落下することもあるそうです。
全部で15の地区のだんじりが岸和田城内にある「岸城神社」へ宮入します。
地区によって人数は変わりますが、400人~1000人ほどでだんじりを引くとのこと。
「岸和田だんじり祭」では、全部で3つの神社への宮入が行われるのですが、その一つの岸和田天神宮への宮入も見ることができました。2台のだんじりが待機していますが……
宮入の順番待ちをしているのです。
照りつける太陽の下、じっと順番を待ちます。
前のだんじりが宮入をすると、「やりまわし」の開始!号令と共に一気に綱を引いて加速。
大工方が飛び上がって……
反対側へ。
うまくバランスを保ったままコーナーを抜けていきます。
次はこちらのだんじり。発進の合図を送ると……
一斉に走り出すのですが、これほど大勢の人数が走る場面はそうそう見られるものでは無く、迫力は満点。
観客との距離も近く臨場感があり、「オーッ!」と観客も盛り上がります。
また、市内の道路などでもだんじりの姿を見ることができました。
宮入以外にも市内の至るところで「やりまわし」が行われます。
割と大きな道路なので、そのぶん加速もつきやすくスピードが出ます。
そのうえ、だんじりのかなり近くまで寄ることができるので、迫力はものすごいです。
コーナーを曲がるときは、このようにだんじりの後ろにいる人たちが大きくコーナーの外側に膨れ、荷重をだんじりの外側にかけることで曲がっていきます。この際、勢い余って人が観客のいるところに飛んでくることもあるので注意が必要。
地元の方の話によると、前から見るだんじりももちろん良いのですが……
後ろから見るだんじりも良いとのこと。確かに背中からにじみ出る祭の雰囲気が感じられます。
こちらは岸和田駅前の「駅前通商店街」のアーケード。ここでも「やりまわし」が行われるのですが、道路が狭いので観客との距離はかなり近め。
目の前をだんじりが全力疾走していく様子を見ることができます。
こちらのだんじりは歩くほどの速さで進んでおり、団扇を使ったパフォーマンスや……
屋根の上を自在に飛び回ったりと……
さまざまな大工方のパフォーマンスをじっくりと見ることができました。「やりまわし」で駆け抜けるシーンも良いですが、ときにはのんびりと眺めてみるのも良さそうです。
また、だんじりを止めて休憩している場面ではじっくりとだんじりを見せてもらうことができます。
子どもたちもだんじりのそばで休憩。
彫刻もじっくり観察。
市内の本通にはたくさんの屋台。
まだまだ暑いので、冷たい飲み物を求めるお客さんの姿が目立ちました。
ということで、近距離で見られる迫力満点の「やりまわし」が見られる「岸和田だんじり祭」の魅力を十分に味わうことができました。なお、2013年の本祭の開催は9月14日、15日です。
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