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3倍速い無線LAN 802.11acに対応したスマホ用新型低消費電力コンボチップをブロードコムが発表



通信速度を上げつつ電力消費を低減させてバッテリーを長持ちさせ、Bluetooth 4.0との接続やFMラジオの受信もできるスマートフォン・タブレット向け無線LANコンボチップ「BCM4335」がブロードコムから発表されました。

Broadcom Introduces 5G WiFi Combo Chip for Smartphones and Tablets | Broadcom

この無線LANチップは無線LANの新規格IEEE802.11acに対応し、最大433.3 Mbps(1ストリーム通信時の理論値)での通信を実現。1世代前のIEEE802.11nの同条件での最大通信可能速度150Mbpsと比較してほぼ3倍の高速化を達成しています。また、旧規格である11a/b/g/nとの互換性を有しているため、既存の無線LANネットワークと接続することも可能です。


また、同チップを搭載した端末をアクセスポイントにして他の機器を接続する「Wi-Fi Direct」や大画面テレビなどと直接無線で接続してコンテンツを表示できる「Wi-Fi Certified Miracast」にも対応。無線LANアクセスポイントの間を移動しながらシームレスに接続を維持する「Wi-Fi CERTIFIED Passpoint」も利用可能なので、混雑による通信障害が懸念されている携帯電話向け3Gネットワークのトラフィックオフロード先としても有力です。加えて、アイドル時の消費電力低減機能に加えて、通信速度の高速化によりデータ送受信時間を短縮し搭載端末が素早くアイドルモードに入るようにすることでバッテリー駆動時間を延長することができます。

なお、「BCM4335」の出荷時期は2013年の第1四半期となっているので、同年の春モデルのスマートフォンや第4世代iPad(仮)などから搭載が始まるハズです。

ちなみに、今回発表になった「BCM4335」は未対応ですが、5G WiFiそのものはIEEE 802.11nと同じく、複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げ通信速度をアップさせる「MIMO(Multiple Input Multiple Output」に対応しており、最大6.93Gbps(理論値)での通信が可能となるとのこと。また、以下の図を見ればわかるようにIEEE802.11acは初代のIEEE802.11から数えて5代目にあたることからブロードコムによって「5G」と名付けられたようです。


なお、「5G WiFi」対応の製品としては、据え置き型無線LANルーターの親機「WZR-D1100H(税込1万7800円)」がバッファローから発売中。


海外では対応の製品が複数が発表されているので、スマートフォンの5G WiFi対応が進めば普及に弾みがつきそうです。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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