激変する世界のエネルギー事情が簡潔に目で見てわかるレポートムービー2012年版
イギリスのエネルギー企業BPが2012年版のエネルギー統計調査として、2011年のデータをとりまとめて発表しています。その中で、最新のエネルギー状況をまとめた3分間のムービーが制作されているのですが、これが簡潔かつグラフィカルにまとめられていて、なかなかわかりやすいものとなっています。
BP Global - Statistical Review of World Energy 2012
http://www.bp.com/statisticalreview
ムービーはコレ。
Statistical Review of World Energy 2012
2011年はエネルギーに関する出来事の多い年でした
エネルギー市場には著しい混乱が生じました
まず市場に衝撃を与えたのは「アラブの春」
これにより、原油価格が大きな影響を受けました。
バレル単価がぐんぐん上昇
リビアからの原油供給量は著しく減少
その減少分はサウジアラビア、UAE、カタールによる記録的な増産によって補われました
3月には東日本大震災が発生し、地震と津波が日本を襲いました。
この影響は世界中に波及。
原子力発電が過去最大の減少量を見せることに。
原発による発電量は日本で44%、ドイツでも23%の減少となり、全世界でも4.3%の減少となりました。
また、長期的な傾向も明らかに。
エネルギー消費量は1年間で2.5%増加
ただし、OECD加盟の先進国では減少傾向に。
昨年1年間では0.8%減少
一方、新興市場国では5.3%増加
中国の強い経済成長がこの傾向を生み出しています
中国の2011年のエネルギー消費量は2010年に比べて71%増加。インドが13%、ロシアが6%、サウジアラビアとカナダが5%ということで、中国の数値がずば抜けています。
アメリカの発電量は4308TWh(テラワット時)ですが、2011年に中国は4700TWhでそれを追い抜きました。
エネルギーミックスが構造変化をもたらしています
石油は今も主要な燃料です。
しかし、エネルギー市場でのシェアは12年連続で減少しています。
一方で、石炭の消費量は5.4%増加しています。
石炭は世界のエネルギー消費のうち30.3%を占めています。
これは統計の中で1969年以来の大きな値。
天然ガスも消費量が2.2%増加。
現在、天然ガスの最大の供給源となっているのはアメリカ。
アメリカでの石油生産は1998年から2008年まで減少傾向にありましたが、2009年から盛り返してきていて、2011年は1998年以来の高い数値を記録。
これはオイルシェール開発の進展によるもの。
アメリカは3年連続でOPEC非加盟国内最大の伸び率を見せました。
再生可能エネルギーについての結果は……
バイオ燃料生産は0.7%増。
これはブラジルでのサトウキビの収穫が不十分(昨年比15.3%減)であったことに由来。
再生可能エネルギー全体では17.7%増加
風力発電は25.8%増加
太陽光発電は86.3%増加
再生可能エネルギーの市場シェアはどんどん増え続けています
しかし、エネルギー全体から見るとわずか2.1%でしかありません。
CO2排出量も連続で増加しています
しかし、2010年の増加量に比べれば増加率は鈍りました。
・関連記事
メキシコ湾原油流出事故によりBPが失った9兆円でいったい何ができるのか分かる画像 - GIGAZINE
「原子力発電依存度の高い国」のトップ20が一目で分かる図 - GIGAZINE
各電力会社の電力供給源や発電所の場所を見える化した「日本の電力地図」 - GIGAZINE
エネルギーをムダに消費して「電気代の吸血鬼」状態になっている家電はどれか? - GIGAZINE
HONDAの携帯型ガスパワー発電機「enepo(エネポ)」のカタログ、オサレすぎてとんでもないことに - GIGAZINE
アメリカのエネルギー源分布を表した地図 - GIGAZINE
体温と光の両方から電力を作って自給自足、世界初のハイブリッド型発電デバイス - GIGAZINE
・関連コンテンツ