県庁所在地に待望の映画館オープン、「ufotable CINEMA」工事&完成写真レビュー
47都道府県の県庁所在地のうち、映画館がないのは奈良市と徳島市の2つ。いずれも「ずっと映画館がなかった」わけではなく、観客の減少や近隣へのシネコン出店などによって閉館してしまったもので、このうち徳島では、2008年の選挙で映画館のあった新町地区の再開発を公約に掲げた原秀樹市長が再選されるなどしていますが、なかなか映画館新設の話は進みませんでした。
そこへ登場したのが、アニメーション制作会社のユーフォーテーブル。近藤光プロデューサーは徳島出身ということもあって、2009年4月に新スタジオとして「ユーフォーテーブル徳島」を開設しており、さらに、徳島を盛り上げたいということでいろいろな関係各所を巻き込んで一大アニメイベント「マチ★アソビ」をスタートさせました。
近藤さんは映画好きでもあり、山頂の広場に200インチの巨大スクリーンを設置して映画の上映を行ったり、ホールで生オーディオコメンタリーをつけての上映会を開いたり、昔ながらの劇場での上映イベントを行ったりしてきましたが、拠点としての映画館が必要だということで、2011年5月に映画館を設置することを発表。とにかくいい映画館を作ることを考えて中身に凝り、盛り上げるために国内唯一のFate/Zero専門店「Fate/Zeroショップ」、テイルズオブシリーズのグッズを扱う「テイルズオブショップ」、幻のフィルムとなっていた「アニメ店長×東方Project」の1週間限定上映などを用意して、とうとう3月18日のオープンにこぎつけた、というわけです。
ufotable CINEMA
ufotable CINEMAがオープンするのは徳島市の東新町商店街。
もともとここには守住ビルという建物が建っていました。正面の階段を下りた部分にはマクドナルドが入っていましたが、2010年に撤退。
全面リニューアル工事が行われるということで、完全に前面が塞がれていました。
設計・監理はナカノジロウ建築デザイン事務所、工事の施工は姫野組が実施。
これが今、どうなっているかというと……
こんな感じになっています。
上り階段は以前と幅などは変わっていませんが、完全にガラス壁で仕切られていた空間が広がって、オープンなスペースに変貌。
案内板も設置済み、オープン後はここで上映作品などの案内が行われることになるはず。
工事中は表側が完全に閉じきられていたので、裏側から中を見せてもらいました。
これが先ほどの上り階段部分、床は一度はつって張り直しをしています。
まだ枠しか入っていなかった扉は……
このようになりました。
ロビー部分から入口側を振り返っています。
1階のこのあたりにチケットカウンターができて、右手側にショップカウンターができる予定。まだ影も形もないころです。
中央に2階へと上がる階段が設置されています。
これはスクリーン2の下部。角度のついたシアターなので、1階部分の天井がこのように下がっているというわけ。
完成するとこのようになりました。ちょうど写真中央に階段があって、工事時点ではなかった案内画面などが設置されています。
映画館に入ってすぐの部分はカフェスペースになり、ソファなどが設置されて自由にくつろげる空間となります。
頭上にプロジェクターが設置されているので、映像を流したりすることがあるのかも。
入口ではせっせせっせと作業中……
これ、バッジ入りの袋を壁面にはりつけているところ。
バッジを外すと裏側にあるものが見えるという仕掛けです。
セッティング中のフードカウンター&チケットカウンター。ポップコーンやスコーンなどの販売が行われます。
半円状になったテイルズオブショップとFate/Zeroショップスペース。
先ほどから写真にダンボールが山ほど映り込んでいますが、これは搬入されたグッズのダンボール。売り切れにならないよう、かなりの数が用意されているのが分かります。
話題になっていたウェイバーくんクッションの実物がさっそく置かれていました。
龍之介&雁夜おじさん
こちらは「ふぇいとぜろ特大せんべい」
運転手さん宛ての取扱注意文もユニーク。
「キレイ手袋」と書いてあるのでスタッフ用の手袋かと思いきや、言峰綺礼の令呪入り軍手のことでした。
Fate/Zeroグッズの専門店は国内でもここだけ。いったいオープン時にどれだけの人が来るのかはまったく予想がつきません。
続いて2階へと上がってみます。
階段はカラフルなじゅうたんが敷かれています。
非常に明るい空間になっています。
階段を上がったところは工事の時点では特に何も設けられておらず、広いスペースとなっていました。
ここはギャラリーとなって、準備時点ではキャラクターたちの等身大ポップが置かれていました。オープン時には並べ方が変わっているかも。
映画館で気になるのはやはりシアターがどんな感じなのかということ。この工事中の写真はまだ映写室も完成していない段階のスクリーン1の様子。
スクリーン1の前寄りから後方をみたところ。足場が組まれているため、どのように角度がついているのかがちょっとわかりづらいかも。ちょうどライトが設置されているあたりが座席の最後列で、そこより後ろに映写室が設けられます。
これが完成したスクリーン1の入口。
かなりオシャレな照明。
ドンと広がるシートは合計71席。
かなり大きな角度がつけられていて、前の人の頭が邪魔になるようなことはありません。
こちらはスクリーン2、こうして写真でもわかるように1よりもかなり小さめのシアターです。
完成したものがこちら。
横6席×4列、横5席×1列の合計29席とかなり小ぶりなスクリーン2は、座席に座るとちょうどスクリーン全体が視界に入って、余計なものがなにも入ってこない最高の距離感。音響もしっかりしており、試写を観た近藤プロデューサーは非常に満足げでした。
ちなみに地下1階、元マクドナルドだった場所にはアニメイト徳島店がオープンします。
アニメイト徳島店はこれまでアニメイト唯一の販売代理店ということもあって、全国共通のポイントカードが使えず、キャンペーンなどでも「徳島店を除く」という扱いを受けてきましたが、今回のリニューアルによって「除く」扱いから除かれることになり、ポイントカードも使えるようになります。
アニメイトにはトイレが設置されますが、これはお店のトイレとしてだけではなく東新町アーケードのトイレとして利用可能なものなので、ばんばん利用して大丈夫です。
マチ★アソビのガイドブックもバックナンバーが揃っているので、Vol.8から初参加予定という人は参考として購入してみてもよいかも。
「アニメのマチ★徳島」「アニメのマチ★東新町」と地元もかなり力を入れていますが、この映画館を核として周辺がどう盛り上がっていくのか、楽しみです。
オープン日の内容はこちら。
数百人がオープン前に詰めかけた徳島県知事も期待の「ufotable CINEMA」オープンレポート
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