3Dプリンタで精緻に造形された極小サイズのレーシングカー
大きさ330マイクロメートル×130マイクロメートル×100マイクロメートルという極小サイズのレーシングカーを3Dプリンタで造形したのが、ウィーン工科大学のJürgen Stampfl教授らのチーム。ちなみにマイクロメートル(㎛)はミリメートル(mm)よりも1つ小さな単位で、0.001mmが1㎛。今回の造形にかかった時間は4分でなんと世界新記録、造形誤差は1㎛以下だったそうです。
Technische Universität Wien : 3D-Printer with Nano-Precision
造形していく様子はこちらのムービーで見ることができます。
High speed fabrication of race car - YouTube
最初は何をしているのかさっぱりわかりません。
時々ピカッと光って……
絵が変わっていきます。これはアディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing)という手法で、素材を一層ずつ重ねていって造形していくやり方です。
じわじわとレーシングカーっぽい形になってきました。
3分経過……
そしてこのようなレーシングカーが完成しました。
アップで見ると微妙な段差が見えますが、写真下部にある縮尺と比べると、ほんとうに微妙な段差であることがわかります。さすがは誤差1㎛。
Jan TorgersenさんとPeter Gruberさんの前にある巨大な装置が使用された3Dプリンタ。
こちらはKlaus Cichaさんによる、ロンドンのタワーブリッジ。
かなり大型の建築物ですが、極小サイズで再現しています。
3Dプリンタでの造形はTwo-photon lithography(2光子リソグラフィ)が使われるようになって、劇的に細部のできが良くなりました。これまで、Two-Photon Polymerization(2光子重合)技法では処理時間がボトルネックとなっていて、通常は1秒間に数百㎛からmm単位しか処理できなかったそうですが、Stampfl教授らは装置を大幅に改良し、1秒間に5mの処理を可能にしました。
一般人にとってはあまり関係のない技術ですが、3Dプリント技術全体が進化していくことで、いつか恩恵を受けられるはず。データ造形が当たり前になるのはいつごろなのでしょうか。
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