×
サイエンス

ヒッグス粒子検出のための超巨大実験装置「アトラス」完成までの写真集


「物に重さがあるのはどうして?「ヒッグス粒子」という不思議な粒子を見つけることができればこの謎がわかるかもしれません」ということで、神の素粒子と呼ばれるヒッグス粒子や宇宙の24%を占めるといわれるダークマター候補のSUSY(スージー)粒子の発見、さらに誰も予想しなかった宇宙を支配する深遠な物理法則の発見が期待されているLHC加速器(ラージハドロンコライダー、大型ハドロン衝突型加速器)による2大実験、アトラス実験(ATLAS=A Troidal LHC Apparatus)とCMS実験(Compact Muon Solenoid)の成果がようやく出る目処がつき始めました。

CERN - the European Organization for Nuclear Research


ATLASとCMS実験がヒッグス粒子探索に関しての現状を報告」によると、2012年後半にはヒッグス粒子の有無について最終回答が出せるだけのデータが揃い、「今の時点で収集したデータでは到達できないですが、標準理論とは異なった性質のヒッグス粒子を発見した場合は、新しい物理を研究する糸口になります。標準理論の予言するヒッグス粒子が存在しないと判明した場合は、2014年以降のLHCの設計値のエネルギーでの実験で、新しい物理が見えてくる可能性が高くなります。今後ATLASとCMSが、ヒッグス粒子の存在に関してどんな結果をだすにせよ、LHCは新しい物理を研究できる加速器であるといえます」とのことです。

日本時間12月13日(火)の夜に行われた発表の様子


そんなわけで、この検出器のカタマリとでも言うべき「アトラス」完成までの軌跡を写真で見てみましょう。


なお、このアトラスとそれにまつわる実験については以下のページを順に読むと大体分かり、以下の写真のどれが何なのかがわかるようになります。

建設が進むLHCとアトラス

最極微の世界に挑戦するLHC計画(3)

素粒子理論の大予言

注目を浴びる日本の超伝導技術

アトラスの半導体検出器

4千万分の1秒の決断

世界37カ国から約1800人の物理学者が参加した、高さ22メートル・全長44メートル・重さ7000トンという巨大な検出器、それが「アトラス」です。


アトラスのために集まった科学者たち


これは超伝導トロイド電磁石(端部)、アトラスでは8コイル×2セットを使い、全重量は48トン。


液体アルゴン電磁カロリメター、液体アルゴンハドロンカロリメター


超伝導トロイド電磁石(バレル部)の土台


シリコンマイクロストリップ検出器


とにかくでかい


完成に近づいたシリコンマイクロストリップ検出器


中央下部にいる人の大きさと比べると、いかに巨大なのかが分かります


いかつい


サイン


まだまだ建造中


ミューオントリガー検出器


ふたたび超伝導トロイド電磁石


かなり形になってきました


超伝導トロイド電磁石の搬入


設置


接続


圧倒的すぎます


ここがコントロールセンター


いよいよ初実験


うれしそう


実験成功


さらに調整を続け、今に至る、というわけです


ちなみに、このページを見ているということはウェブ、つまりインターネットを利用しているわけですが、そのウェブ(Web=World Wide Web)を生み出したのが、CERN(セルン)のコンピューター技術者であったティム・バーナーズ=リー氏。KEK(高エネルギー加速器研究機構)によると「世界中に散らばっている高エネルギー物理学実験のチームメンバーの研究者の間で、瞬時に同じ情報を共有するにはどうしたらよいか悩んだ末、1990年も年の暮れ近くにWebの発明に至ったのです」ということなので、とりあえずこの超巨大実験の副産物である「インターネット」が既に世界を変えてしまっている以上、さらに世界の歴史を後に大きく変える瞬間がゆっくりと、しかし確実に迫っているのはほぼ間違いありません。

・関連記事
ヒッグス粒子とみられる新粒子発見がどれだけのレベルですごいことなのかがよく分かる現場の写真まとめ、ピーター・ヒッグス氏も登場 - GIGAZINE

CERNの研究員が粒子の動きをトレース、ビッグバンの様子をCGで再現 - GIGAZINE

「紀元前200年の電池」や「最古のアナログコンピュータ」など、いまだ科学で解明できていない不思議な6つの発見 - GIGAZINE

「人類はもう進化しない」と科学者が言及 - GIGAZINE

タイムマシンはあと3ヶ月以内に完成するとロシアの数学者が主張 - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by darkhorse