電気自動車1台だけでイベントのねぶたの光を全て供給する「i-MiEVねぶた」
「これからの世界で車がどのような役割を果たしていけるか」をテーマにしたイベント「i-MiEVねぶた」が長崎県五島市の中心、福江商店街で無料体験型のアートイベントとして開催されました。このイベントでは三菱自動車の電気自動車i-MiEVに家電へ給電可能な装置を取り付けてバッテリー代わりとしており、1台のi-MiEVでイベントで使われるねぶたの光を全てまかないました。
このイベントのために、現代美術家で京都造形芸術大学教授の椿昇さんと、同大学の研究生、学生がオリジナルねぶたを制作。ねぶたの周りで手を振ったり呼びかけたりすると、それに反応して色が変わったり、光を放つ仕掛けが組み込まれています。
まず、開催前日の10月14日に波乱がありました。強烈な前線の影響でいきなり開催日が1日後ろ倒しに。でも実際に当初の予定日の15日は五島市はまったく雨が降ることはなく、いっぽう本州は各地で大荒れ。
開催当日の16日は雲は多少残ったものの日差しは汗をかくほど
この日は昼間からクイズ形式の講演やワークショップが行われました
ワークショップでは地元の子どもたちがイベント時にかぶる光る帽子を作っていました
みんな夢中で色を塗っています
会場の商店街では道路規制が行われ、着々と準備が進んでいきます
京都造形芸術大学の学生の作ったねぶた。一度完成したものを解体してここまで運んだので、再び張り直しているところです。
町の中でも異彩を放っていたねぶたは椿昇氏の作品、「ビフォア・フラワー」より。
一心不乱に準備が進められます
i-MiEVの屋根の上にセッティングされているのは今回新しく制作されたねぶた「ドーリス」。これはギリシャ神話の海の女神の名前で、ウミウシのことでもあります。美しい海に囲まれた五島列島をイメージし、その海の中で生きる極彩色のウミウシを使って、自然の持つポジティブな力を表現したということでした。こうした出会いが新しい世代の子どもたちに強烈な体験として伝わっていけば、と椿氏は語ります。
進捗を見守る椿氏
i-MiEVの横にかわいらしくデコレーションされた箱が置かれていました。これが1500W給電機の試作機。
会場の全体マップ。かなり盛りだくさんですが、この全ての光を1台のi-MiEVから給電します。
ですが開始予定時刻の18時になっても始まりません
ドーリスの顔にウィンドウが出てきました。どうやら何かのトラブルのようです。辺りはどんどん暗くなってゆきます。
待つこと30分ほどしてようやく回復した模様。光る帽子をかぶった子どもたちが入場してきました
ドーリスが光り出してイベント開始
暗い場所で光るとかなりの存在感です
光るドーリス(i-MiEVねぶた)と群がる子どもたち - YouTube
本家の青森のねぶたの踊り手、「はねと」をイメージして作られたオブジェです
子どもたちがシールをはねとに貼って飾り付けていきます
ビフォア・フラワーにも光が入りました
ドーリスのしっぽと「はねと」
親子で楽しんでいます
現代アートも子どもの手にかかれば珍しくて楽しいおもちゃです
ビフォア・フラワーと戯れる子どもたち in 「i-MiEVねぶた」 - YouTube
太陽のねぶた。顔が2つもあります。
ドーリスの顔がスロットゲームになって、回転を始めました
ドーリス(i-MiEVねぶた)の顔のスロットゲーム - YouTube
ドーリスが目の前の参加者の顔を映し始めました
明るいねぶたをバックにして、太鼓を叩くシルエットが浮かびます。演奏しているのは福江町の「炎上太鼓」。不思議な名前の由来は、昭和37年に起こった福江大火をきっかけに発足したことによります。
子供たちを映すドーリス(i-MiEVねぶた)と炎上太鼓の演奏 - YouTube
こちらは月のねぶた。クレーターなども細かく表現されています。
人の動きに合わせて光の輪が踊ります
子どもたちの動きに合わせて広がる光の波紋 in 「i-MiEVねぶた」 - YouTube
音楽や声など、音によってねぶたやはねとの色が変わります
20時前にイベントが無事終わり、ねぶたの解体が始まりました。顔に次々と穴が開けられていきます。
子どもたちも一緒にわいわいと解体を手伝っていました。子どもの手にかかると解体も遊びになり、出番を終えたねぶたはおもちゃ状態です。
大人の思惑など気に留めずねぶたをボコボコに破いて遊ぶ子どもたち - YouTube
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