鳥類の同性愛は生存戦略に基づいているという説が提唱される
by Yai&JR
以前、シロトキのオス同士のつがいの発生が水銀の摂取によるものの可能性があるという記事を掲載しました。それとは別に、キンカチョウやヒゲペンギンにおいては自然の状態で同性のつがいが発生し、これはある種の生存戦略に基づいているのではないかということが分かってきたそうです。
Gay zebra finches are as 'attached and faithful' to each other as heterosexual pairs | Mail Online
キンカチョウの例では、オスだけのグループを隔離した場合、約半数の鳥が同性でのつがいを形成したそうです。さらにそこにメスを参加させたところ、8つのつがいの内5つのペアが、新たに加入したメスを無視してオス同士のつがいを維持したとのこと。
キンカチョウの生態では通常のつがいにおいて「一度つがいを形成したらずっと添い遂げる」という特性が見られ、オスとメスは互いに協力して巣作りをするそうです。
さらに、マンハッタンのセントラルパーク動物園で飼育されているオスのヒゲペンギン、RoyとSiloは、近くのメスたちに興味を示さず、オス同士でつがいを形成したそうです。彼らは巣を一緒に作り、他のつがいから預かった卵を孵化させたとのこと。
カリフォルニア大学バークレー校のJulie Elie博士は「動物の個体同士の関係というのは、単なるオスとメスによる交配のための関係ではなく、もっと複雑なものなのです。我々の観測では、同性のつがいも、異性によるつがいと同じような相互依存性を持つという驚くべき結論に至りました」と語っています。
Elie博士らのグループによる研究では、同性によるつがいの形成は生存上の戦略で、鳥たちはつがいを形成することによって肉食獣などから身を守る術を得ていると考えられるとのこと。
Elie博士は「一夫一婦制のつがいを形成する種においては、つがいを形成することそれ自体が生存上の優位性を得ることにつながるのです。社会的なパートナーを持つことは、相手の性がいずれであっても、それ自体にプライオリティがあるのです」と語っています。
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