日立と三菱重工が事業統合へ、世界最大規模の総合インフラ企業に
富士通と東芝の携帯電話事業のように、大手メーカー各社がエレクトロニクス分野の事業統合を実施する最中、インフラ事業を手がける日立と三菱重工の2社が事業統合することが明らかになりました。
日立と三菱重工 事業統合合意 NHKニュース
日立・三菱重工 統合へ 13年に新会社、世界受注狙う :日本経済新聞
NHKや日本経済新聞社の報道によると、日立製作所と三菱重工業が世界的に市場の急速な拡大が見込まれるエネルギーや環境、社会インフラなどの主力事業の統合を検討していくことで基本合意したそうです。
これは2013年4月をめどに、これらの事業を手がける新会社を共同で設立することを目指すというもので、実現すれば原子力などの発電プラントから鉄道システム、産業機械、ITまでを網羅する世界最大規模の総合インフラ企業が誕生する見込みで、新興国を中心に社会基盤事業の受注拡大を狙うとのこと。
なお、新会社は日立と三菱重工が50%ずつ出資する予定で、すでに新興国などで普及が見込まれる鉄道事業で提携しているほか、三菱電機を加えた3社で水力発電関連の事業の統合を目指すなど、積極的に関係強化を図っており、将来的には、本格的な経営統合に発展する可能性もあるとみられます。
ちなみに日立製作所の今年3月期のグループ全体の年間の売り上げは9兆3000億円余りで、三菱重工業の今年3月期のグループ全体の年間の売り上げ高は2兆9000億円余りとなるため、単純計算で両社の売上高は12兆円を上回ることになります。
2011年8月4日10:06追記
三菱重工が一連の報道に対し、「これは当社の発表に基づくものではありません。また、報道された統合について、当社が決定した事実もありませんし、合意する予定もありません。」と反論する声明をサイト上に掲載しました。
三菱重工|本日の一部報道について
2011年8月4日10:28追記
日立製作所広報に電話で問い合わせたところ、「(一連の統合に関する報道について)弊社からも否定する旨の発表を後ほど公式サイト上で発表する予定です」とのことでした。
ちなみに昨年6月に富士通と東芝が「携帯電話事業を合併する」という報道が行われた際、両社は否定するコメントを発表していたにもかかわらず、最終的には携帯電話事業を統合していたことを考えると、今回もしばらく様子を見守るほか無さそうです。
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