日立がテレビの自社生産から撤退、国内工場での生産を今年度中に終了へ
日立がテレビの自社生産から撤退し、日本国内の工場におけるテレビの生産を終了し、海外のメーカーなどにすべて委託し、自社生産からは撤退する方針だということが分かりました。
日立 テレビの自社生産撤退へ NHKニュース
関係者の話によると、日立製作所は国内でのテレビの生産を、今年度中にも終了する方針を固めたということです。
日立グループでテレビを製造している工場は現在、岐阜県美濃加茂市にあるグループ企業の工場のみで、この工場を他の製品の生産のために稼働させ、従業員の雇用は維持するとしています。この方針を示したことにより、日立は昭和31年から続けているテレビの自社生産から撤退することになります。
今後、日立はテレビの生産をすべて台湾などのメーカーに委託する予定ですが、日立ブランドでのテレビの販売や新製品の研究開発については続けていくとしているため、ハイビジョンテレビ「Wooo」シリーズなどは存続されると思われます。
日立がテレビの自社生産から撤退する背景には、韓国メーカーなどとの厳しい価格競争で収益が悪化していることや、地上テレビ放送の完全デジタル化に伴う買い替え需要の落ち込みで販売台数の大幅な減少が懸念されることなどがあります。
大手電機メーカーのテレビ事業は、パナソニックやSONY、東芝が今年4月から6月までの決算でいずれも赤字となるなど事業環境は厳しさを増しており、今後の各社の動向も気になるところです。
2011年8月3日16:37追記
日立製作所広報に問い合わせたところ、「(報道されている内容について)決定しているとは申し上げられませんが、現在検討している段階です」との回答があったため、本社からの正式発表はないものの、テレビの自社生産について検討している内容があることは間違いないようです。
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