AppleがHTCを2度目の提訴、スマートフォンなどの輸入差し止めを求める

アメリカのスマートフォン市場でAppleを抜き、シェア1位に躍り出たHTCがAppleから特許侵害で提訴されました。

米アップル：台湾ＨＴＣを特許侵害でＩＴＣに提訴－輸入差し止め求め - Bloomberg.co.jp

Apple Files Second Trade Complaint Against HTC Over Devices

Bloomberg社の報道によると、アメリカ国際貿易委員会（ITC）で台湾のスマートフォンメーカー、HTCを7月8日付けで提訴したそうです。これは携帯用電子機器および関連するソフトウェアの特許侵害を理由としたもので、AppleはHTCの個人向け電子機器の輸入差し止めを求めているとのこと。

すでにAppleは個人データの取り扱い方法や携帯電話端末、そして関連ソフトに関する特許侵害でHTCを1度提訴しており、HTCも携帯用電子機器に関する特許侵害でAppleを反訴するなど、両社は係争中ですが、今回の提訴はAppleがさらなる攻撃を加えたことになります。

ちなみにHTCはゲーム機のグラフィック技術などをライセンスしているVIA傘下のメーカー、S3 Graphics社を7月6日付けで買収していますが、S3 Graphics社は2010年5月にAppleを相手取ってITCに苦情を申し立て、一部の訴えが認められるなどしているため、今回Appleが行った提訴はHTCに対する牽制の意味も込められているのでしょうか。

商標権侵害を主張して提訴に踏み切ったAppleに対して特許侵害を主張して反訴し、泥沼の訴訟合戦を繰り広げた挙げ句、ついにはITCにiPhoneなどの輸入停止を請求したSamsungや、Androidスマートフォンメーカーに特許料を請求する動きを本格化し始めたマイクロソフトなど、販売競争とはやや別の次元で展開されている各社の争いは激化の一途を辿ることになりそうです。