「iOS 5」の新機能をAppleが発表、Twitterが統合され、さらにPCによるアクティベーションが不要になって単体動作可能に
本日開催された「WWDC 2011」にて「iOS 5」の新機能の発表が行われました。200以上あるという新機能の中から今回は「Notifications」「Newsstand」「Twitter」「Safari」「Reminders」「Camera」「Mail」「PC Free」「Game Center」「iMessage」の10個が発表されました。
新機能の詳細は以下から。
Apple - Apple Events - Apple Special Event June 2011
現在、iOSを搭載したデバイスは2億台
モバイル用のOSとしては全体で44%のシェアで第1位
この中で最新のものは「iPad 2」です。最初の14ヶ月で2500万台のiPadが販売されました。
また、iTunes Storeでは150億曲が販売され、全世界で最大の音楽小売りとなっています。
1年前にオープンしたiBookstoreは6つのメジャーな出版社を含み、1億3000万冊を売りました。
App Storeには42万5000ものアプリがあり、iPad用は9万種類あります。
この3年で140億回もアプリがダウンロードされています。
最初のiPadは1940万台売れ、直近3ヶ月では500万台のiPadが売れました。
また、AppleはApp Storeで開発者に25億ドル(約2004億円)もの収益を支払いました。
App Storeには2億2500万のアカウントがあり、それらはクレジットカード決済・1クリックでの購入が可能です。
ではいよいよ「iOS 5」についてです。それはメジャーリリースとなり、1500以上の新しいAPIが追加されます。200以上の新機能があり、今日はその中で10個を紹介します。
1つ目は「Notifications」です。
今までの通常の通知機能はこのような感じでした
1000億回もプッシュ通知は使われてきています
また、ゲーム中にプッシュ通知されるとこうなります、はっきり言って邪魔です
ユーザーのしていることを中断せずに通知するにはどうすればいいのか?
このような形ではない通知方法が必要でした
そこでできたのがこの「Notification Center」
株価や天気、通話の着信、新着メールなどをまとめて一覧することが可能
ゲーム中でも邪魔にならないようにタイトルバーが回転して通知し、すぐに元に戻ります
このような感じで上からスワイプダウンすることで表示されます
タッチすれば中を確認、スライドして返信が可能
実際に使っているデモ、Facebookなどいろいろなものがまとめられます
2つ目は「Newsstand」。
現時点でこれだけの雑誌や新聞を購読することができます
「Newsstand」はこれらすべての雑誌と新聞を統合するもので、一カ所からアクセス可能です
バックグラウンドでのダウンロードも可能。これはKindleには既に実装されているもので、夜の間に自動的にダウンロードされ、オフラインで閲覧可能、というわけです。
3つ目は「Twitter」です。
1週間に10億ものツイートが行われています。
そして各種アプリで毎回ログインが行われていますがもうその必要はありません。
iOSで一度設定すればOK、各アプリごとに設定する必要は無くなります
まずはCameraとPhotosにTwitterアカウントが統合されます。写真を撮ってタップするだけですぐにTwitterに投稿可能になります。
ポイントはここ、GPSを使って今いる場所の情報もワンタッチでツイート可能
Safariからはすぐに各種記事や投稿をツイートすることができます
YouTubeからはムービーを見てすぐにツイート
Mapsからは地図や現在地をすぐにツイートできます。
また、住所録もTwitterと統合されます。
「@ユーザー名」で登録された相手の顔写真がすぐにプロフィールのアイコンと連動するようになるわけです。
4つ目は「Safari」です。
Safariのエンジンはオープンソース化されており、Androidでも使用されています。モバイルブラウジングの90%を占めています。
そして新しく「Safari Reader」を追加します。
これは記事をすっきりと読みやすくまとめる機能で、ここにあるボタンを押せばOK。
こうなります
また、「Reading List」というのも追加します。
これはいわゆる「後で読む」機能で、MacやWindowsのSafariと連携し、あらゆるiOSデバイス上で同期されます。
さらにiPadでタブ機能が可能になります。
5つ目は「Reminders」です。
現時点では「やることリスト」のメモがあちこちに散らばっていますが、これを全部一カ所にまとめる機能です
リスト表示と日付別表示の2種類が選択可能
位置情報もリマインダー情報として含んでくれるのが特徴です。
また、CalDAVによってiCalやWindowsのOutlookと同期が可能で、検索も可能。
6つ目は「Camera」です。
現在、iPhone 4はカメラとしては全世界で第2位ですがまもなく第1位になります。
カメラ機能の1つ目はより素早く撮影可能になるという機能で、ロックスクリーンにショートカットが付きます。
さらにボリュームアップボタンで写真撮影が可能になります
構図を取りやすくなるグリッドライン
カメラ内でデジタルズームがピンチ操作によって可能
露出の調整やオートフォーカスも撮影中に指を置くだけで可能です。
iPhotoではクロップ・回転・赤目自動補正・ワンクリック自動補正といった機能が追加されます。
7つ目は「Mail」です。
リッチテキストフォーマットをサポートし、時を太くしたり斜めにしたり下線付きにすることが可能です。開発者にとってはリッキテキストエディターがこれまでのプレ
ーンテキストエディターの代わりに提供されるということなので大きなニュースです。
インデントのコントロールも可能になります。
メール送信先のアドレスをドラッグ&ドロップ可能になっており、たとえば「To」にあるアドレスを「CC」や「BCC」にすぐに移動させることができ、便利になっています。
フラグを付ける機能
件名や本文などすべてを横断する全文検索機能
メールを見ている最中にスワイプして受信ボックス内のメールを確認できる機能も。
さらに、企業向けに「S/MIME」がサポートされます。
メールの本文を選択してすぐに辞書を引く、といったことも可能に。
キーボードはこのようにして2つに分離させて好きな位置に動かすことができ、両手で持ってぱちぱちと打つことが可能です。
8つ目は「PC Free」です。今回の10個の機能の発表でおそらく最も盛り上がったのはこれ。
今まではiPadなどを買ってきてスイッチを入れるとアクティベーションが要求されました
が、いまやポストPC自体に入っています
人々はただ1つのiPadだけで、あるいはただ1つのiPhoneだけですべてをやりたいと願っています。
だからもうアクティベーションは不要です。買ってきて電源を入れればそれで終わりです。
iOSのアップデートは「delta updates」によって、これまでのような大きなファイルサイズではなく小さなファイルサイズとなり、パソコンにケーブルで同期する必要はもうありません。
9つ目は「Game Center」です。
iOSは現在、最もポピュラーなゲームプラットフォームとなっており、App Storeには10万タイトル以上のゲームがあります。
「Game Center」は9ヶ月前に始まり、5000万人のユーザーを獲得しました。
一方、Xboxライブは8年間で3000万人のユーザーです。
また、プロフィールに写真が付けられるようになりました。
ポイント機能
友達機能
友達を見つける機能
自分の過去にしたプレイ内容からオススメのゲームを見つけてくれる機能
そしてGame Centerから直にゲームのダウンロードが可能になります
ターンベースのゲームも提供されます
10個目は「iMessage」です。
これはメッセージングサービスで、テキスト・写真・ビデオ・コンタクト・グループなどが可能で、iOS5が動く全デバイス上で動作します。
3GやWiFiでも動作します。そして全通信は暗号化されています。
実際に写真を送っているところ
これら10個以外にも、ワイヤレスにあなたのテレビとAirPlayでミラーリング可能であるとか、iTunesが無線LANで同期可能であるとかの機能があります。
開発者向けには本日からSDKが提供されます
なお、「iOS 5」は今年の秋にリリース予定
iPhone 3GS・iPhone 4・iPad・iPad 2・第3世代と第4世代のiPod touchに対応しています。
・つづき
目で見てわかる「iOS 5」の新機能徹底解説ムービー
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