歴史的建築の美観を守るため、秘密結社の基地のようなことになってしまっている住宅
サンフランシスコの閑静な住宅街、景観保存地区に建つビクトリア様式の美しい集合住宅を購入し、改装して車庫を付け貸し出すことにしたオーナー。車社会となった現代のアメリカでは、車庫は賃貸物件を探す際の重要な条件の一つとなり、特に駐車場が少なく駐車代が高いこの地区では、建物内にガレージがあることはほかの物件と差をつける大きな魅力となります。しかし、歴史的な建築物の外観を大きく変えるような工事には自治体の許可がおりません。
「何としてもガレージを作りたい、しかし、物件の魅力である歴史的建築の美観を損なうわけにはいかない……」と悩めるオーナーに匠が提案したのは、何と1階のファサードをそのままガレージの扉としてパカッと開くようにリフォームしてしまうこと。完成したガレージがギギギ……と開く様子は、世界征服をたくらむ秘密結社のロボットが格納された基地のような、あるいは忍者のからくり屋敷のような、見事な隠れ身っぷりです。
秘密のガレージが開閉する姿は以下から。
YouTube - Architectural Magic
サンフランシスコ・Haight-Ashbury地区に建つヴィクトリアン様式の住宅を改装したアパート。
一見何の変哲もない外壁が、巧妙に隠された継ぎ目から割れはじめます。
左側のパネルが完全に内側へ折り込まれると……
今度は右側にも異変が。
右側は六角柱の二辺をひとかたまりに、実にダイナミックな動きを見せます。
トランスフォーム完了、秘密のガレージが現れました。以前は物置や配管室などに区切られていたフロアの柱や壁を取り払い、路上駐車スペース1台分の間口で、車両4台分の駐車スペースを確保することに成功したそうです。
開いた状態での建物全容。極力もとの建物に使われていた材料を生かしての改装部分の設計は、サンフランシスコの建築事務所が手がけたとのことです。
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