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マイクロソフトをバッシングするのは「子犬を蹴り倒すくらいにかわいそうな行為」とLinux Foundationの重役が挑発的な発言

by linux_foundation

Linux Foundationのエグゼクティブ・ディレクターであるJim Zemlin氏が、あるインタビューに対して「マイクロソフトをバッシングすることは子犬を蹴り倒すくらいかわいそうなこと」だという、挑発的と言っても過言では無いほどの強気な発言を繰り出しました。

この自信は近年、主にLinuxベースのプログラムで動いているスマートフォンやタブレットが普及し、マイクロソフトのOSであるWindowsが圧倒的シェアを占めるデスクトップPCの需要が減少しているという見解から来るもので、Appleに対してもやや挑発的な態度を示しています。

近年のPC事情を振り返り、Linuxの優勢をアピールしているJim Zemlin氏のインタビュー内容は以下から。Bashing Microsoft 'like kicking a puppy,' says Linux Foundation chief

「かつてマイクロソフトは我々にとって強大なライバルでしたが、今や彼らを批判することは、例えば子犬を蹴り倒すことくらいにたやすく、むごい行いです」。Linux Foundationのエグゼクティブ・ディレクターを務めるJim Zemlin氏は、The Network Worldのインタビューにあたって、こんな強気な発言をしています。


この発言の理由として、Linuxはサーバーのコンピューティングやモバイル分野など、ほぼすべての分野でマイクロソフトを圧倒していることを挙げました。

Linus Torvaldsが大学時代に始めたプロジェクトが起源となったLinuxは、今や全世界の70パーセントを占める株取引システムや電力供給、それにFacebookやGoogle、そしてAmazonなどのウェブ上の主要なサイトなどにも利用され、それ以外にも家電やモバイル分野にも進出しており、SONY製のテレビやカムコーダー、AmazonのKindle、そしてGoogleのAndroidスマートフォンやタブレットの一部などに使用されています。

過去10年間において、マイクロソフトの株価は停滞していることを指摘し、その一方でオープンソースの火付け役となったRed Hatの株価は急上昇していることについても言及しています。

ただし、この強気な発言はデスクトップPCのOSのシェアは例外としたもので、マイクロソフトのWindowsがデスクトップ分野で10分の9のシェアを占め、残りをAppleのMac OSとLinuxが分け合っていることについては、「非常に残念に思っている」と語りました。

しかし、スマートフォンやタブレットが普及してきた今、デスクトップPCの重要性が低下してきていると指摘。デスクトップPCで優位を誇ったマイクロソフトは、スマートフォン市場においては一転してGoogleやAppleに圧倒的シェアを奪われていることについて語り、そのためAndroidをはじめとしたスマートフォンやタブレット向けOSの基幹システムに用いられているLinuxはマイクロソフトに勝っているのだと語ります。

マイクロソフトがスマートフォン市場で起死回生を図るためにリリースした「Windows Phone 7」。どれだけ普及するかはまだまだ未知数です。

by okalkavan

Zemlin氏は、スマートフォンとタブレットの普及によって、デスクトップPCやラップトップの需要が低下し、結果的にマイクロソフトのコンピュータ市場における存在感が薄らいでいくだろうとも発言しています。

調査会社のIDCが「最後発のWindows PhoneがiPhoneを抜き去る」と驚きの予測を立てたことについて聞かれると、クスクスと笑いながら、「大変だ、スティーブ・ジョブズ!Appleの株価が下がってしまいますよ」とジョークを飛ばすなど余裕を見せました。この態度の裏には、Linux由来のシステムを利用しているAndroidが、スマートフォン市場において、iPhoneを抜いてシェア第1位を誇っていることが見え隠れしています。

また、タブレット市場で優位を誇っているAppleのiPadについては、オープンソースを好む人たちにとっては問題のあるもので、タブレットのリーダーと言うにはほど遠い存在だと批判めいた発言をしています。iPadやiPhone用アプリなどのオープンソースによって作動する部分はよく機能していると評価しながらも、やはりOS自体がオープンソース化されていないことについては懸念を示しています。ただ、iPadの普及によってクライアント・コンピューティングの定義ががらりと変わったことは、Linuxにとってよい影響だったとしています。

そして、最後にマイクロソフトに「負けている」とされるデスクトップ分野でなぜLinuxが巻き返せていないのかと問われると、「市場から他社を閉め出す独占者がいたから」だと返答。デスクトップPC市場が縮小しているとはいえ、マイクロソフトがWindows 7のライセンスをすでに3億ライセンスを発行し、第2四半期の決算発表では200億ドル(約1兆6986億円)の売り上げを発表していることを受けて、Linux関係者はまだデスクトップ市場に見切りをつけていないとも付け加えていました。

一般ユーザーの感覚では「PC=Windows」という図式が根強いため、この強気な態度の理由が見えづらい側面もありますが、スマートフォンやタブレットでブラウジングのみをするユーザーが今後どんどん増えていくことで、Zemlin氏の予測が現実になる日も来るかもしれません。

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in モバイル,   ネットサービス,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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