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iPadが他社製タブレット端末を駆逐か、ネットブック市場をも取り込んで一人勝ちする可能性も


Androidタブレットを発売するAcerのCEOが「iPadのシェアは20%台まで落ち込む」と豪語するのを尻目に、調査会社のiSuppliが「Appleは当面タブレット市場の王者であり続ける」という予測を発表するなど、将来についてさまざまな予測が飛び交うiPad対抗のタブレット端末ですが、受託生産を手がける大手メーカーのCEO(最高経営責任者)が将来に悲観的な予測を明かしました。

また、この予測の通りになるのであれば、iSuppliの予測よりも事態は悪化し、iPadが他社製タブレットのみならず、隣接するネットブック市場をも取り込み、エントリーユーザー向け端末市場を制覇するという可能性も考えられます。

詳細は以下から。
Compal president pessimistic about non-Apple tablet PC shipments in 2011

この記事によると、台湾で行われた投資家が集まるカンファレンスにおいて、ノートパソコンや液晶テレビなどの受託生産を行う大手メーカー「Compal Electronics」のCEO、Ray Chen氏が非Apple製のタブレット端末について、2011年の出荷台数は1500万台に満たないものとなり、利益を見込めないと判断したメーカーがすぐさま撤退するであろうという見通しを明らかにしたそうです。


Chen氏は2011年の非Apple製タブレットの全出荷台数は1500万台どころか1000万~1200万台程度にとどまると見込んだ上で、たとえCompal Electronicsが全体の5分の1の生産を請け負うことができたとしても、同社の収益にはあまり貢献しないであろうと述べたとのこと。

iSuppliが予測したAppleのiPadと競合他社によるタブレット端末のシェアでは、2011年の時点でもiPadは70%近いシェアを保持しているという見通しですが、もし競合他社が早々に撤退を決めてしまった場合、2012年時点でのiPadのシェアは減少するどころか、さらに伸びる可能性も考えられます。


Chen氏は販売台数に陰りが見え始めたネットブック市場についても、OSを提供しているマイクロソフトとAtomプロセッサなどを提供するIntelがタブレット端末に執着するあまり、ネットブックの本体価格を下げる方策やパフォーマンスを向上させる方策を考えないのであれば、今後も販売台数は低迷し続けるであろうと述べています。

なお、部品メーカー関係者によると、Compal ElectronicsはAcerやDELL、Lenovoがタブレット端末を開発するために協力している反面、同時にAppleからiPadの製造を請け負うために積極的に動いているそうですが、今回の発言の背景にはAppleへの配慮もあるということなのでしょうか……?

iPad対抗タブレット端末の将来がこの見通しのようになるのかどうかは未知数ですが、もし本当にメーカー各社がタブレット市場から撤退するような事態となり、さらにネットブック市場もこのまま低迷が続くのであれば、エントリーユーザー向けの端末はiPadの独壇場となりかねない可能性も十分に考えられます。

しかしAppleのiPhoneやiPad、iPod touchなどの「iOS」を採用したモバイル端末は1日あたり23万台(2010年9月2日時点)のペースで普及しているのに対して、Googleの携帯電話向けOS「Android」を採用した端末は1日あたり20万台(2010年8月6日時点)という、iOSに迫る速度で普及するなど、必ずしもiPadの対抗馬として期待されているAndroidを採用した端末が不利な立場であるとは限らないようです。

Android端末の普及ペースの推移。2010年2月には1日あたり6万台であったのが、半年で1日あたり20万台になるなど、飛躍的な成長を遂げており、年末商戦に向けて各社からAndroidスマートフォンAndroidタブレットが多数リリースされる予定であることを考えると、今後も順調に伸びることが期待されます。

Google Activating 200,000 Devices Every Single Day, Says Eric Schmidt | TechSliver


しかしAndroid端末の普及台数はあくまでメーカー各社の端末を合計した数であるため、メーカー1社ごとのシェアはAppleと比較するとどうしても非常に低くなってしまい、Chen氏が指摘したように撤退するメーカーが出かねないのも事実。この状況を打開するためにはAndroid陣営も、同じくタブレット端末のリリースを予定しているWindows陣営もApple以上にユーザーを引きつけるような魅力的なプラットフォームを提供し、トータルのシェアをよりいっそう伸ばすしかないと考えられます。

また、メーカー各社はマイクロソフトとIntelによる制約から画一的なスペックのモデルが乱立し、どのメーカーのモデルも変わり映えしない結果となってしまったネットブックの反省を生かし、「メーカーがハードウェアなどを自由に選択できる」という強みを最大限に生かした魅力的な端末をリリースしてもらいたいものです。

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in モバイル, Posted by darkhorse_log

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