福島第一原発1号機の核燃料が溶け出た可能性
NHKなどの速報によると、福島第一原発1号機燃料が溶け出た可能性があると保安院が発表した模様です。
「炉心溶融は、想定されている原発事故の中で最悪の事態だ。これが進むと、爆発的な反応を引き起こして広く外部に放射能をまき散らす恐れもある」とのこと(炉心溶融とは「メルトダウン」のこと)。
詳細は以下から。
3月12日 14時21分:福島第一原発 燃料溶け出たか NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110312/t10014623511000.html
経済産業省の原子力安全・保安院によりますと、福島第一原子力発電所の敷地内の1号機の周辺でウラン燃料が核分裂して発生する「セシウム」という放射性物質が検出されたことから、1号機で炉心にある核燃料の一部が溶け出たとみていると発表しました。原子力安全・保安院は、核燃料棒のウラン燃料が詰まっている「被覆管」と呼ばれる金属製の筒が溶けた可能性があると話しています。これについて、東京大学の関村直人教授は「燃料のごく一部が溶けて漏れ出たのだろうと思われるが、原子炉はすでに停止しているうえ、冷やされている状況だ。ほとんどの核燃料は原子炉の中におさまっているので住民には冷静な対応をお願いしたい」と話しています。
これが東京電力による炉内の図(PDFファイル)です。
2011/03/12 14:41
ほとんどの核燃料は中に収まっているものの、燃料被覆管が壊れた模様。
原発冷却水位、さらに低下の可能性 MBSニュース - MBS毎日放送の動画ニュースサイト -
発表によりますと、午前11時20分時点で燃料棒が水面から最大90センチ程度露出しているという表示が出ているということです。
実際にどの程度燃料棒が露出しているのかは不明で、仮に表示どおりの状態が続くと、燃料の一部が溶け始める恐れがあるため、消防車でこれまでに2万1000リットルの水を原子炉に注入し、炉心の温度を下げる作業を続けているということです。
東京新聞:福島原発 重大な危機 放射能閉じ込め失敗:社会(TOKYO Web)
地震:福島原発で1000倍の放射線量 燃料棒損傷か - 毎日jp(毎日新聞)2011年3月12日 10時42分(最終更新 3月12日 13時35分)
福島第1、第2原発 第1は東京電力初の原発として、1971年3月に1号機が営業運転を始めた。現在6基の原子炉が稼働する。第2は、第1の約12キロ南にあり、82年4月に1号機が営業運転開始。計4基が稼働している。いずれも、燃料の核分裂反応によって生じた熱で水を沸騰させ、できた蒸気でタービンを回して発電する「沸騰水型原子炉」で、計10基の総発電量は約910万キロワット。
2011/03/12 14:48
asahi.com(朝日新聞社):福島第一原発1号機、溶融開始か 爆発的な反応の恐れも - 社会
炉心溶融は、想定されている原発事故の中で最悪の事態だ。これが進むと、爆発的な反応を引き起こして広く外部に放射能をまき散らす恐れもある。
炉心溶融(ろしんようゆう)、メルトダウン (meltdown) とは、原子力発電所などにおいて原子炉が耐熱限界を上回る高熱により融解、破損することである。想定されている事故の中でも最悪の事態で、原子炉設計時に設定された安全基準では炉心の健全性を保つことができず、原子炉の破壊を伴う事故である。
時事ドットコム:福島第1原発で炉心溶融か=付近でセシウム検出-保安院
福島第一原発の緊急事態、想定上回る危険水域 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
このような状況では、炉心が過熱している恐れがある。それが圧力上昇の原因とも考えられる。圧力が異常に高まると、緊急用の冷却水を原子炉内に注入する緊急炉心冷却装置(ECCS)の稼働もできなくなり、制御がますます困難になる。微量の放射性物質を含む水蒸気が外部に放出される程度なら深刻ではないが、燃料棒が損傷して露出し、水蒸気と反応して爆発するような事態になれば、大量の放射性物質が外部に放出されることになる。1979年の米スリーマイル島原発事故と同様の最悪のケースになる恐れもある。
【東日本大震災】福島第1原発でメルトダウンの可能性 放射性物質を確認 - MSN産経ニュース
原子力保安安全院は13日午後の会見で、福島県の東京電力福島第1原発1号機で「炉心の溶解が始まっている可能性が高い」と発表した。放射線医療の専門家チームを現地に派遣し検査したところ、燃料中に含まれる放射線物質セシウムが確認された。
2011/03/12 15:03
asahi.com(朝日新聞社):福島第一原発 燃料棒1.5メートル露出 消防から注水 - 社会
原子力安全・保安院、自衛隊に給水支援要請 福島原発 :日本経済新聞
2011/03/12 15:12
asahi.com(朝日新聞社):福島第一原発1号機、蒸気放出 大気中に放射性物質 - 社会
asahi.com(朝日新聞社):福島第一原発、水位低下止まらず 自衛隊出動 - 社会
保安院は、1号機の燃料部分ではウラン燃料を覆う金属製の「被覆管」だけではなく、燃料を固めた「ペレット」も溶けている恐れがあると見ている。
2011/03/12 15:20
【地震】「炉心溶融始まっているとみられる」政府
また、炉心の温度が2200度から2700度以上に達しているとANNが報道中。
2011/03/12 15:34
asahi.com(朝日新聞社):炉心冷やされていない可能性も 福島第一原発1号機 - 社会
原子力安全・保安院は12日午後、東京電力福島第一原発の1号機で炉心溶融が起きている場合、2700~2800度に上昇した炉心が冷やされていない可能性があると説明。そのうえで「(1979年の)米国のスリーマイル島原発事故と同類の事故が起きていると言える」と述べた。
スリーマイル島原子力発電所事故(スリーマイルとうげんしりょくはつでんしょじこ)は、1979年3月28日、アメリカ合衆国東北部ペンシルベニア州のスリーマイル島原子力発電所で発生した重大な原子力事故。原子炉冷却材喪失事故(Loss Of Coolant Accident、LOCA)に分類され、想定された事故の規模を上回る過酷事故(Severe Accident)である。別称「TMI (Three Mile Island) 事故」。
2011/03/12 15:40
福島第1原発「炉心溶融が進んでいる可能性」 保安院 :日本経済新聞
経済産業省の原子力安全・保安院は12日午後2時、東京電力の福島第一原発1号機で原子炉の心臓部が損なわれる「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表した。発電所の周辺地域から、燃料の核分裂に伴うセシウムやヨウ素が検出されたという。燃料が溶けて漏れ出たと考えられる。炉心溶融が事実だとすれば、最悪の原子力災害が起きたことになる。炉心溶融の現象が日本で確認されたのは初めて。
2011/03/12 15:59
「TEPCO : 福島第一原子力発電所 | 発電所の概要」によると、今回メルトダウンの可能性のある1号機は1967年に着工され、1971年から営業運転開始、GE製のもの。チェルノブイリ原子力発電所は1971年に着工され、1978年から1号炉が営業運転を開始しており、今回の福島第一原子力発電所の方が古いということになります。
また、燃料集合体数は400体、制御棒本数は97本、燃料集合体全長は約4メートル35センチとなっており、1メートル70センチが露出していたとのことなので、全体の3分の1ほどだったということがわかります。
なお、格納容器の全高は32メートル・円筒部直径は約10メートル・球部直径は約18メートル・圧力抑制プール水量は1750トンとなっており、燃料のウラン装荷量は69トンとなっており、下記が格納容器形式マーク1タイプの図です。
2011/03/12 16:01
福島第1原発 格納容器の蒸気放出、減圧を確認 :日本経済新聞
asahi.com(朝日新聞社):福島第一原発、弁開放し炉心の圧力低下 - 社会
ただ、弁を開けたことで放射性物質のセシウムが外部に漏れるなど、周辺の放射線濃度が高まった。
2011/03/12 16:21
地震:福島原発で発生か 「炉心溶融」「セシウム137」とは - 毎日jp(毎日新聞)
2011/03/12 16:48
東北地方太平洋沖地震における当社設備への影響について【午後3時現在】
※1号機は、原子炉が停止し、非常用復水器で原子炉蒸気を冷やしておりましたが、
現在は停止しております。原子炉格納容器内の圧力が上昇していることから、国
の指示により、安全に万全を期すため、1号機の原子炉格納容器内の圧力を降下
させる措置を実施し、14時30分頃成功したものと判断しております。
現在、原子炉水位は低くなってきており、注水を順次実施しております。
さらに上記リリースで注目すべきは以下の点です。
※その他、1号機の原子炉格納容器の圧力を降下させる操作を実施しておりますが、
原子炉建屋内で作業をしていた当社社員1名の線量が100mSvを超過しておりま
す(106.3mSv)が、オフサイトセンターの専門医の診断を受けました。
これはどういう意味かというと「(PDFファイル)放射線障害防止法関係法令改正の主要点」によると「1.職業被ばくに対する線量限度」では実効線量限度が「1年間につき50mSv」「5年間につき100mSv」とあることから、かなり危険な作業を実施したことがわかります。
・つづき
福島第一原発1号機で爆発音 - GIGAZINE
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