警察庁が鉄道各社に「女性専用車両」の拡大や防犯カメラの設置を申し入れ、痴漢被害撲滅のため
By abuckingham
痴漢対策の手段として多くの鉄道会社で導入されている「女性専用車両」ですが、警察庁が痴漢被害を撲滅するためとして、鉄道各社にさらなる女性専用車両の拡大や防犯カメラの設置を申し入れました。
詳細は以下から。
時事ドットコム:女性専用車両拡大を提言=痴漢対策の有識者研究会-警察庁
痴漢:撲滅へ防犯カメラ設置推進 警察庁研究会が報告書で - 毎日jp(毎日新聞)
電車痴漢 被害者9割が通報せず、女性車両や防犯カメラ増を 警察庁・研究会 - MSN産経ニュース
時事通信社や毎日新聞社、産経新聞社の報道によると、弁護士や学者、鉄道事業者、警察庁の担当者ら8人で2010年8月に発足した、電車内での痴漢を防ぐための警察庁の有識者研究会が本日、女性専用車両の拡大や防犯カメラの増設などを提言する報告書をまとめ、JR各社と日本民営鉄道協会に申し入れたそうです。
この申し入れは2010年に警察庁が三大都市圏の男女3256人に対して行った調査で、痴漢被害に遭った女性の約9割が警察に通報や相談をしていなかったことが判明しており、約8割が防犯カメラ設置に賛成したことを受けたもので、痴漢容疑で摘発された219人を調べたところ、30~40代の会社員による通勤中の犯行が多いことも分かったとのこと。
報告書は「女性の多くが被害に遭っても声を上げることができず、男性の駅員や警察官には相談できないと考えている」と指摘した上で、事情聴取に女性警察官を充てることや、相談先の周知が必要だと提言したほか、学校や企業においても研修を求めています。
ちなみに2009年12月にJR埼京線で車両内に防犯カメラが設置されましたが、設置後の2010年1月~2月の痴漢摘発件数がおよそ半分になり、一定の効果がみられたほか、今年2月末には私鉄で初めて京王電鉄が防犯カメラを試験導入するなど、痴漢対策が本格化する流れができています。
しかし鉄道によっては1編成あたりの車両数が少なく、女性専用車両の導入によって他の車両が混雑してしまうといった事態が発生する場合があることを考えると、女性専用車両に乗れなかった女性が混雑した車両に乗ってしまい、逆に痴漢被害に遭いやすくなるといった事態や、たまたま痴漢現場の近くにいた男性客が冤罪に巻き込まれる可能性も考えられるため、鉄道会社には導入を慎重に検討してもらいたいところです。
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