「iPhone」の独占販売契約が全世界で終了、世界各国の携帯電話会社にチャンス到来中
従来W-CDMA方式のみをサポートしていたAppleのiPhoneに、CDMA2000対応モデルが登場し、シェア1位のVerizonでの発売が決定したことは、アメリカ国内においてiPhoneを販売していた唯一の携帯電話会社であったシェア2位のAT&Tの独占が崩れたという意味においても、非常に大きなインパクトのある出来事だったと思われます。
iPhoneの「1国1キャリア」といった形での独占販売は現在も多くの国で行われているわけですが、AppleがiPhoneの独占販売契約が全世界で終了したことを明かしました。つまり、今までiPhoneを販売していなかった世界各国の携帯電話会社にチャンスが到来していることを意味するようです。
詳細は以下から。
AppleInsider | Notes of interest from Apple's Q1 2011 conference call
Appleが現地時間の1月18日に行った2010年第4四半期(2010年10月~12月)の決算発表会によると、同社は3ヶ月間で1624万台のiPhoneと413万台のMac、733万台のiPadを売り上げ、さらに1945万台のiPodを販売するなど、記録的な販売台数を達成し、売上高も過去最高となる約267.4億ドル(約2.2兆円)を記録したほか、営業利益も約60億ドル(約4937億円)に達したそうです。
決算発表会は病気療養のために休職することになったスティーブ・ジョブズに代わってAppleの運営を一任されることになったCOO(最高執行責任者)のTim Cook氏が担当しましたが、Cook氏は今後のiPhone事業について「可能な限り多くのユーザーがiPhone手に入れられるように、できる限りのこと全てを行う予定である」ことを明かしたとのこと。
Cook氏は現状について「十分ではない」とした上で、まだまだiPhoneのシェアは拡大できるとしており、CDMA2000版iPhone 4のリリースによって見込まれるVerizonユーザーから莫大なiPhone需要に対して、供給がいつ追いつくかを予測できないとしています。
また、現在iPhoneは世界各国で販売されていますが、Cook氏は「今後も各国の状況を常に評価した上で、シェアを拡大するための新たな方法などを模索し続けるだろう」と述べ、独占販売を行っている国または複数の携帯電話会社から販売されている国において、iPhoneの成長率やシェアは著しく変わったことに言及。
そしてVerizonからCDMA2000対応iPhoneが発売されることでAT&Tの独占販売が崩れることになる件については、すでに世界のどの国においてもiPhoneの独占販売契約は行われておらず、最後まで独占販売契約が残っていたのはアメリカであったことを明かしています。
iPhoneの独占販売契約が全世界で終了したということは、例えば日本においてもAppleとの交渉や提供している電波の周波数などの要件さえ揃えば、NTTドコモやKDDIといった通信会社がiPhoneを販売できるようになるということ。
「今後もiPhoneのシェアを可能な限り拡大し続ける」という意味においては、ソフトバンクモバイル(2010年12月末時点で2440万契約)を圧倒的に上回るNTTドコモ(約5721万契約)やKDDI(約3256万契約)のユーザー数は決して無視できるものではないと思われますが、今後どのような展開となるのでしょうか。
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