獄中のボスへテレビのサッカー番組を通じて伝言するマフィアたち
現在イタリアでは600人以上のマフィア関係者が投獄されているそうです。その中には当然大物、いわゆる「ゴッドファーザー」もいるわけですが、外との連絡を禁止されているにもかかわらず、そうしたマフィアのボスたちはあの手この手で、獄中から「ファミリー」の指揮をとっているようです。
その連絡手段の一つが、イタリアのサッカー番組「Quelli che il Calcio」を通じたものであったと明らかになりました。
詳細は以下から。Mafia using football show to send messages to jailed bosses - Telegraph
Secret TV texts help jailed Mafia | Metro.co.uk
日曜の午後に放送されるこのサッカー番組では、放送中に視聴者が番組の番号へSMS(テキストメッセージ)を送ると、そのメッセージが画面下部にテロップで表示されるというシステムを導入していたのですが、これが獄中のボスへメッセージを送ろうとするマフィアの目にとまったようです。
番組テロップがマフィアの連絡に使われていると判明したのは、看守が没収した獄中の「ゴッドファーザー」への手紙に、「『あなたの大切なものについて知るために』このサッカー番組を見るように」と書かれていたのがきっかけとのこと。マフィアからのメッセージは一見ごく普通の内容に見えるよう暗号になっていて、例えば「Everything’s OK, Paolo」(万事快調、パオロ)というようなものも、実際には獄中のボスへの業務連絡だったそうです。
元マフィア担当検察幹部のVincenzo Macri氏は、番組制作者側は、この件についてまったく関知していなかったと述べています。
「非常に巧妙な手口で、驚かされました」と語る番組司会者のSimona Venturaさん。「わたしたちは視聴者と直接コミュニケーションをとるためにこのラインを設置し、予想どおり視聴者とつながることができ好評だったのですが、どうやらマフィアのボスにメッセージを送ることにも使われてしまっていたようで、非常にショックを受けました。9月12日の番組再開時以後は、視聴者からのメッセージ受付は中止されます」
獄中のイタリアンマフィアたちはこれまでにもさまざまな方法で外の世界と連絡を取り合ってきたとのことで、有名なものでは昔からマフィアの通信に使われてきた「Pizzino」(複数形Pizzini)と呼ばれる非常に薄く小さな紙片をメッセンジャーが足の指の間に隠して持ち込む、といった方法があります。比較的最近では、シチリアンマフィアのボスベルナルド・プロベンツァーノがマッテオ・メッシーナ・デナロを後継者に指名する際にPizzinoを使ったそうです。
・関連記事
ラジコンのヘリコプターを使って獄中の仲間に携帯と現金を渡そうと計画したギャング - GIGAZINE
似ているけどどこか違う中国のお金持ちとマフィアの結婚式の様子 - GIGAZINE
偽物のフェラーリをオンラインで販売していたマフィアが逮捕される - GIGAZINE
個室に薄型テレビや冷蔵庫、シャワーも完備した超ラグジュアリーなノルウェーの刑務所 - GIGAZINE
遠目からは美術館にも見えるオーストリアのガラス張りの刑務所の写真 - GIGAZINE
刑務所や売春宿の室内を真上から撮影した、部屋の持つストーリーが見えてくる写真いろいろ - GIGAZINE
・関連コンテンツ