SF映画「Super 8」予告編が違う意味ですごい、全米の映画ファンたちが全力謎解き中

ドラマ「LOST」や全米でヒットした「クローバーフィールド」「スター・トレック」で有名なJ・J・エイブラムス監督とあのスティーヴン・スピルバーグ監督がタッグを組むSF映画「Super 8」の予告編がネットで公開されましたが、これが映像的にすごいという意味ではなく、違う意味ですごいことになっています。
一体何がどのようにすごいのか、予告編ムービーと全米の映画ファン(というか映画マニアたち)が全力で見えない敵と戦っている様子は以下から。
Super 8 - Movie Trailers - iTunes(QuickTime版、これの1080p版が最高画質+最高音質)
YouTube - 'Super 8' - Official Teaser (2011) 1080p HD(フルHD再生可能)
Super 8 Teaser Trailer - Trailer Addict(HD版あり)
左と右からそれぞれ光る点が向かってきます

「1979年、アメリカ空軍はエリア51を閉鎖」

踏切の信号がカンカンと鳴っています

「すべての研究素材はオハイオ州の秘密の場所に移送」

踏切を無視して突っ込んでくる黄色いピックアップトラック

そのまま貨物列車の来る方向へ暴走

プロデューサーはスティーブン・スピルバーグ

正面衝突するトラックと貨物列車

何もかもが吹っ飛んでいきます

監督はJ・J・エイブラムス

貨物列車のコンテナが破壊され、いろいろなものが散らばる

そして奥にあるコンテナの中から「何か」が動き始めます

来年夏公開

このコンテナの中には一体何が……?

「アメリカ空軍」のコンテナだということがわかります

そして謎の子どもの顔

カメラのレンズから覗いたかのようなシーンが連続で続きます



タイトル「Super 8」

配給はパラマウント、脚本はJ・J・エイブラムス

脚本と監督をJ・J・エイブラムスが担当するだけあって、一見すると単なる短い予告編ですが、「クローバーフィールド」と同じような仕掛けやメッセージが実はそこかしこに細かくちりばめられており、予告編ムービーの隅々まで念入りに観察、全フレームを分解、そしてその謎を解きまくった全米の映画ファンたちの検証が以下で行われています。
View topic - [ANALYSIS] HD trailer 1
Super8 teaser analysis - Super 8 Viral Wiki
この「Super 8」は5月7日夜、全米で現在公開中の「アイアンマン2」上映前に出てきた予告映像の盗撮動画がYouTubeなどで多数アップロードされたものの、映画会社からのお決まりの削除がほとんど無いままなぜか放置され、そして現地時間の5月11日にアップルのサイトにてフルHDの予告編が公開されたもの。この時点で「削除されないということは何か理由がある、つまりこのムービーをできる限り広めて欲しいという意志の表れ、ということはこの予告編ムービーには何か隠されているぞ!」ということで、この1分半程度のムービーをいじくり倒す共同作業がネット上で開始されました。
まず予告編を見て誰でもすぐに気づくのが、ラスト近くの文字。そもそも「Super 8」というタイトル自体が「スーパー8mmフィルム」(Super 8 mm film)のことであり、どうやらラスト近くに出てくる一連のカットはそのスーパー8mmフィルムを示しているらしい。で、この文字を丹念につないでいくとこうなります。

さらにこれを読めるようにするとこのようなことに。「S C A R I E S T T H I N G I E V E R S A W」と書かれています。

これは「Scariest Thing I Ever Saw」、つまり「かつて見たことがないほど恐ろしいもの」という意味となり、この文字をそのまま全部つなげるとなんと隠された公式サイト「Scariestthingieversaw.com」(というか謎解きサイト)が出現します。
Scariestthingieversaw.com
http://www.scariestthingieversaw.com/
このサイト自体がどこかの端末にリモートで接続しているという設定になっており、コンソール画面が出現、途中でイエスかノーか(Continue Y/N?)を何度か聞かれるので「Y」と押して、最後に「どのキーでもいいから入力してください」(Press any key to continue...)と出てくる画面まで行ってどのキーでもいいから押してさらに進むと、謎のB4用紙サイズのファイルリストをダウンロードしている画面で止まります。
リモート接続開始

謎のコンソール画面

「Y」キーを押すとフルスクリーンになり、どんどん進むことが可能

ちなみに、一番最初に出てくるウインドウを動かすとその後ろにこのような違うウインドウが。「全ページをデフォルトのプリンターで印刷します」と表示されており、「OK」をクリックすると本当に印刷が始まります。

印刷されるのはコレ。「Stop posting publicly. I can answer your questions. I have proof.」、日本語訳すると「広く公表するのをやめなさい。私はあなたの質問に答えることができる。私には証拠がある」となっています。

また、最後まで進むと出てくる画面は止まっているように見せかけておいて実は5秒に1バイトずつ進んでおり、現時点の予想では2010年5月13日東部標準時午後11時に完了すると見られており、その時点でさらに何かが起きると思われています。
これが各画面を全部つなげたもの

このサイトについては詳細に検証が行われており、まずコンソール画面のタイトルバーに表示されている「PDP-11」というのはDEC(Digital Equipment Corp.)が出した16ビットミニコンピューターのこと。
これがそのPDP-11の実物写真。つまりこれのシミュレータにリモートで接続してそのデータを引き出しているわけです。

by Stefan Kogl
「D. Morris」という人物名、さらに「05-FEB-77」と書かれていることから、このシミュレータ自体の作者がD. Morrisで1977年2月5日に作られたものなのか?と推測されています。さらに途中で表示される「STALOG」は米国空軍基地オートメーション・システムの近代化に関する研究のこと、「TU56」はデュアルテープドライブのこと、さらにこのシミュレータのFlashファイルを解析したところ、ソースファイル名である「DEQNA.swf」の「DEQNA」はDECで使われていたイーサネットアダプタ名であることなどが判明しています。
また、冒頭で出てきて列車と正面衝突するピックアップトラックのナンバープレートには「E 6425 K」と書かれており、これらの情報からオハイオ州で1980年に登録された自動車であることが判明、さらにナンバー自体はある程度好きなものを登録できることからおそらくこの文字列にも何か意味があるのではないか?ということで分解したり並べ替えたりIPアドレスに変換したりといった作業が行われています。
それだけでなく、そもそもこの「Super 8」という映画はJ・J・エイブラムスが「1970年代から80年代初頭にかけてのスピルバーグ映画にオマージュを捧げる内容」となっており、この黄色いトラック、実はスティーブン・スピルバーグ監督の「未知との遭遇」に出てきたトラックをイメージしています。
これが未知との遭遇でロイ・ニアリーによって運転された黄色のトラック

次にこの貨物列車が脱線したあとのシーンにて、アメリカ空軍のマークが描かれたコンテナを内側から何かが叩いて破壊しているシーン近辺で左下を見ると「BONHAM」と書かれています。これは「Bonham空軍基地」というのが実際に過去存在しており、1964年に空軍から海軍に移行して名前が変更されたそうですが、これのことではないか?と予想されています。
また、脱線してコンテナの中身が散らばっているシーンでは箱が全部で25個あり、散らばっている旧式のコンピューターやその他のものなどから、移動式の防空センター一式であることも判明、さらに予告編ムービーの「音」を解析すると、列車の運転手らしき者が無線で会話していると思われる「交信」の内容がノイズ混じりに含まれており、このノイズを除去したところ、以下のような会話がなされていることがわかりました。
“Groom Lake One, Wright-Patt [SITREP?] ETA. Over.”
“Wright-Patt, Groom Lake One actual. Cargo intact, ETA on schedule.”
“Copy Groom Lake One, expect your..."
“OH MY GOD.”
「Groom Lake One」というのはエリア51やライト・パターソン空軍基地で使われているコールサインと思われており、これらの証拠から類推するに、この貨物列車はアリゾナ州にあるエリア51からオハイオ州にあるライト・パターソン空軍基地に「何か」を運んでいる最中であることが判明しています。
最後に出てくる謎の少年と思われる顔とそれ以降のスーパー8mmフィルムらしき部分については、おそらくこの脱線した貨物列車の最後尾から撮影したものではないかと予想されており、子どもを撮影したフィルムを使ってそのままこの事故に遭遇した誰かがフィルムを回して撮影して記録しているのではないか?と推測されています。
今もなお現在進行中で謎解きは進行しており、日本ではどのように展開されるのかが非常に気になるところ。この手の映画は是非とも全世界同時公開して欲しいところなのですが……。
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