「青いコンビニご飯、薬で柔らかくしたビーフ乗せ」を科学の力で作ってみた
同じ食材をより美味しく、より低コストで加工する技術はコンビニエンスストアやファーストフードといった業界では最重要命題として盛んに研究されていますが2010年4月4日に行われた体感型科学ワークショップ「エクストリーム・エクスペリメント」では、実際に冷めても味や食感にあまり変化のない「コンビニご飯」と、酵素や調味料でランクアップさせた牛肉の作り方を体験することができました。
さきほどの「果汁0%のフルーツジュース」でもあまりの単純さに拍子抜けするほどでしたが、こちらも非常に簡単な加工ではっきり分かる変化が現れてびっくりします。
詳細は以下。
「果汁0%のフルーツジュース」を作って盛上がってきたワークショップ。
まずは「コンビニご飯」の炊き方。使うのは「増粘多糖類」つまり寒天の仲間とグリシン。
そしてごく普通のサラダ油。
ご飯はごく普通のお米で大丈夫です。
普通にご飯を炊くときの量の水に、薬品を耳かきで数杯ずつ加えていきます。
そしてサラダ油を投入。
さらに「グルタミン酸ナトリウムと食塩を1対1で混ぜた謎の調味料」をささっと投入。
青く染めたい場合は着色料を入れます。
講師のサイエンスライター・パフォーマーの中川基氏による解説。米粒をサラダ油と多糖類で覆うことでぱさつきを防ぎ、グリシンが炊きたての甘みを補うという仕掛けになっているそうです。
今度は肉を柔らかくします。これもごく普通の赤身の牛肉。
見るからに硬そうです。
使用する薬剤は肉の固さの原因となるスジを柔らかくするための軟化酵素と業務用のうまみ調味料の2つ。まず、ボールに1cmほど水を投入します。
そして軟化酵素を投入。軟化酵素そのものではなくパパイン酵素を多く含むパパイヤや、同様の効果をもつブロメライン酵素を含むパイナップルなどのジュースでも構わないそうですが、肉の味が変わってしまうので酵素だけを利用するそうです。
よく行き渡るようにしっかり混ぜます。
さらにアミノ酸を含むうまみ調味料を投入。これも業務用のごく普通に売っているものです。
肉の中に薬品が入っていくようにフォークでプスプスと刺し、しばらく放置して熟成させます。
焼くときの油もひと工夫してラードを使用。
使う油の風味によって大きく印象が変化するそうです。
後は普通の牛肉と同じように焼いていきます。
焼き始めるとすぐに変化が現れます。これは未処理の肉。ぐっと縮んで硬くなっています。
対してこちらが処理した肉。焼いてもほとんど縮んでいません。
ここでブルーライスが炊き上がりました。真っ青です。
簡単に盛りつけてみました。
左側の未処理の肉の断面は線維がはっきり見えますが、右側の処理済みの肉は表面部分の繊維がぼやけています。
実際に食べてみたところ、未処理の肉は硬くかみ応えのあるものでしたが、処理したものは明らかに柔らかくなっていることが実感できました。うまみ調味料の効果もあり、同じ肉なのに数ランク上の肉のように感じます。
今回作った牛肉はは中央にやや芯が残った感じでしたが、このように注射器で酵素を注入して内部までしっかり浸透させると、かなり柔らかくなるとのことでした。
ブルーライスは、これも確かにコンビニのおにぎり・お弁当のあの食感。温かい時はややもっちりとしていますが、冷めても甘く柔らかい食感が続き確かに美味しい。ただし青く染まっているため、口に入れるまでに「これはヤバい!食べちゃダメだ!」という本能からの抵抗を感じてしまいます。以前、青いふりかけをかけたり、青いサングラスをかけて食欲を抑えようという「青色ダイエット」が流行したことがありますが、青色には確かに食欲を失わせる効果があるようです。
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in 取材, サイエンス, 食, Posted by darkhorse_log
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