サイエンス

疲れた後の歯磨きは脳を活性化させてリフレッシュする効果があることが明らかに

(by adwriter)

花王ヒューマンヘルスケア研究センターと千葉大学の下山一郎教授による共同研究により、脳が疲れたあとにする歯磨きは脳を活性化させ、集中力を高めたり気分をリフレッシュする効果があることが判明しました。


ずっとデスクに向かって仕事をしていると肉体的な疲労はもちろんながら、だんだん頭がぼーっとしてくることがあります。そんなとき、コーヒーを飲んだり、冷たい水で顔を洗ったりして気分転換しますが、これからは歯磨きも効果的な手段の一つとなりそうです。

詳細は以下から。
ニュースリリース 歯磨き行動の脳への作用を研究疲れたあとに歯磨きをすると、脳が活性化し、気分リフレッシュ | 花王株式会社

花王が首都圏の女性642名を対象に行った調べによると、職場で歯磨きをする人が1998年には5%だったのに2009年には19%に増加していたそうです。厚生労働省の調査でも、1日に3回歯磨きをする人が1987年の13%から2005年には21%に増加しており、職場で歯磨きをする人が増えているようです。昼食後の歯磨きとして行っている人が多いものの、「気分をすっきりさせる」「リフレッシュする」といった歯磨きによる気分変化を目的とした人も多くいるのだそうです。

そこで、実際に歯磨きが脳に作用して気分を変化させるのかどうか、花王ヒューマンヘルスケア研究センターと千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター脳機能計測解析研究部門の下山一郎教授が共同研究を行いました。

実験は、健康な成人男女にインフォームドコンセントを得て単純計算作業を20分間してもらい、その直後に歯磨きをするパターンとしないパターンを設定して、それぞれの動作直後の脳と心理の状態を測定するという方法で行われました。単純計算作業の内容は「ランダムな足し算またはかけ算の下1ケタをキー入力する作業を20分間続ける」というもので、歯磨きは一般的なペースト状歯磨き(ミント香味)とハブラシを用い、被験者にいつもと同じ方法で1分間歯磨きをしてもらったそうです。

その結果、疲労後に歯磨きをすると、歯磨きしない場合と比べ、脳が明らかに疲労回復しており、リフレッシュ感も高まっているという傾向が認められました。これにより「歯磨き行動には、仕事や勉強などで疲れた時に脳を活性化し、リフレッシュする効果がある」と考えられるそうです。


実験結果は2009年のIUPS2009第36回国際生理学会大会・第86回日本生理学会大会で発表されており、2010年3月に刊行される産業衛生学雑誌(第52巻2号)に掲載される予定です。

歯磨きは心臓病予防にも効果があるらしいので、健康で充実した生活を送りたければどんどん歯磨きをしたほうがいいのかもしれません。

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in サイエンス, Posted by logc_nt

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