レビュー

LED電球はどれがベストなのか、実際に買って比較してみました~実際の明るさ編~


LEDのメリットとして、蛍光灯のように高速で点滅しないのでチカチカした感じが一切せず、白熱灯や蛍光灯のように熱くならず、しかも消費電力は低く、蛍光灯のように点灯直後は薄暗いというようなこともない、というのがあげられますが、実際にはどのような明るさになり、そして各社のLED電球にはどのような差があるのでしょうか?

というわけで、前回の「スペック&価格編」で予告したとおり、今度は実際に同じ条件下で光らせてみて、どれぐらい明るいのか、どのような感じの色合いになるのか?といった気になる点を実験してみました。また、画像ではわからない感覚的な部分や印象などもメモしておきました。各社によって随分と違っているため、自分の好みの明るさと色味のLED電球を知るための役に立てば幸いです。参考になりそうな部分は参考にして下さい。

実験結果の詳細は以下から。
◆白色系統のLED電球を比較
まずは白色系統のLED電球から比較してみましょう。電球を中心にどのように光が広がっていて、真下にあるポインセチアがどのように発色し、そして影の部分がどうなっているのか?といった部分に注目して見てみるとそれぞれの特徴がよくわかります。撮影時には現場で見たのと同じような感じにするため、オートではなくすべてマニュアル設定して同じ値に固定しています。

シャープ「DL-L601N」、3980円、消費電力7.5W。


日立「LDA7N/D」、5380円、消費電力6.6W。さっきのシャープよりも消費電力が小さい分だけかなり明るさは低い。そうであるにも関わらず価格はシャープよりも高い。


エコリカ「ECL-HPL40WH」、3980円、消費電力3.5W。買ってから実験して気づいたのですが、今回の6社の中でこれだけは拡散する全般照明タイプではなくスポットライトのようになるタイプでした。公式サイトによるとちゃんと拡散光タイプも存在しているので、これはあくまでも参考程度にして下さい。間違ってスポットタイプを買うとこうなるよ、ということです。ただ、配光角に収まる範囲では先ほどまでのシャープや日立よりも明るさでは上回っており、それで消費電力も低く、なおかつ価格も安い。


Panasonic「LDA7D-A1」、3980円、消費電力6.9W。シャープと同じような明るさですが、こちらの方がより広範囲に拡散している印象。価格はシャープもPanasonicも同じですが、シャープが560ルーメン、Panasonicが570ルーメンなので、ほんのわずかですがPanasonicの方が数値上は明るいです。感覚的には明るいと言うよりも「同じ程度の明るさだが範囲がちょっと広め」という感じになります。


NEC「ELL6N-100V」、3980円、消費電力6.0W。写真で見るとわかりにくいのですが、ちょっと暗い感じ。日立が340ルーメン、NECが350ルーメンなので、大体同じような感じです。ただし日立は5380円、NECは3980円なので、この程度の明るさでよいのであれば、消費電力が低いNECの方がお得。


東芝「LEL-AW8N」、6980円、消費電力は8.7W。価格は一番高くて消費電力も一番高いが、見てわかるようにとにかく明るい。数値としては810ルーメンでやはり圧倒的。これなら通常の蛍光灯タイプの電球と交換しても問題ないと感じるレベルです。


というわけで、左から消費電力の多い順に並べてみました。やはり消費電力が多ければ多いほど明るくなる……はずなのですが、日立が暗すぎ。そしてエコリカがかなり健闘しているのがわかります。


◆電球色系統のLED電球を比較
次は電球色系統のLED電球で比較してみましょう。先ほどと同じように、電球を中心にどのように光が広がっており、真下にあるポインセチアがどのように発色し、そして影の部分がどうなっているのか?といった部分に注目して見てみることによってそれぞれの特徴がよくわかるという仕組みです。これも撮影時には現場で見たのと同じような感じにするため、オートではなくすべてマニュアル設定して同じ値に固定しています。

シャープ「DL-L601L」、3980円、消費電力7.5W。なんだか黄金色という感じ。


日立「LDA7L/D」、5380円、消費電力6.6W。下まで光が届いていない……暗すぎる。逆に言えば、あまり明るいと困るような場合にはこれが最適、ということです。


エコリカ「ECL-HPL40WWH」、3980円、消費電力3.5W。配光角の範囲内であればこのようにずばっと光が届いて非常に明るい。


Panasonic「LDA7L-A1」、3980円、消費電力6.9W。シャープのような露骨な色ではなく、よくあるようなやわらかい色合いです。というかシャープの色がかなりきつすぎる感じです。


NEC「ELL6L-100V」、3980円、消費電力6.0W。電球色の割にちょっと薄い感じ。


東芝「LEL-AW8L」、6980円、消費電力は8.7W。消費電力が一番高いので明るさも一番強い。


というわけで、左から消費電力の多い順に並べてみました。なんというか、色合いが違いすぎて、はっきり言って好みの領域であるとしか言えない。とにかく明るいのが欲しいのであれば東芝になるのですが、消費電力が多いのが難点。


◆本当に蛍光灯タイプの電球の代わりになるのかどうか比較
この段階で「本当に蛍光灯タイプの電球の代わりになるのか?」と思い立ち、近所のコジマで同じ東芝の「電球形蛍光ランプ ネオボールZリアルPRIDE(プライド)」を買ってきました。昼白色の「EFA15EN/10-PD」(1080円、消費電力10.0W)と電球色の「EFA15EL/10-PD」(1080円、消費電力10.0W)です。


これが昼白色の「EFA15EN/10-PD」、1080円、消費電力10.0W。LED電球は点灯直後にすぐに明るくなるのですが、蛍光灯は点灯直後はこの程度の明るさです。説明書によると20分以上経過すれば明るさが安定するとのこと。


これが20分以上経過後の状態。確かに直後よりも明るくなってます。LED電球だとこの20分という時間がゼロになる訳なので、それもまたメリットです。


というわけで6社のうちで最も明るかった東芝のLED電球と蛍光灯タイプの電球を比較してみました。見てわかるように、LED電球の方が明るいです。数値としてはLED電球も蛍光灯タイプ電球も同じ810ルーメンなのですが、LEDと蛍光灯の光り方の特徴に差があるため、このように違ってくるというわけ。なので、既存の蛍光灯タイプ電球の代わりとして使うのであれば、やはりこの東芝ぐらいの消費電力と明るさが必要なようです。


消費電力が多ければ明るくて当たり前なのですが、LEDは蛍光灯のように高速で点滅しないのでチカチカした感じが一切しない、白熱灯や蛍光灯のように熱くならない、消費電力も低い、蛍光灯のように点灯直後は薄暗いというようなこともない、というようなメリットがその価格分だけあるのか?というのが判断材料になると思われます。

また、LED電球の方が消費電力は低いので、トータルで見れば蛍光灯タイプよりは安くなるのかもしれませんが、蛍光灯タイプは定格寿命が1万2000時間、LED電球は4万時間、大体LEDの方が約3.3倍程度長持ちするので、蛍光灯タイプが1080円ならその3.3倍である3500円程度であればLED電球にするメリットはかなり高いのかな、という感じです。

今度は電球色の「EFA15EL/10-PD」、1080円、消費電力10.0W。点灯直後はこの程度の明るさ。


20分以上経過後の状態。確かに明るくなっています。


というわけで6社のうちで最も明るかった東芝のLED電球と蛍光灯タイプの電球を比較した結果がコレ。あまり比較にならないような……。


◆白色系統のLED電球を実環境で比較
やはり実験ではなく、実際に使ってみないと違いがよくわからない!ということで、今度は実家に移動し、実際に電球を各社のLED電球と交換して撮影してみました。今度も今までと同様に、撮影時には現場で見たのと同じような感じになるようにするため、オートではなくすべてマニュアル設定して同じ値に固定しています。

まずこれが蛍光灯タイプの電球の場合、東芝の「電球形蛍光ランプ ネオボールZリアルPRIDE(プライド)」、昼白色の「EFA15EN/10-PD」(1080円、消費電力10.0W)です。これを基準にして比較すれば、既存の電球と交換した時にどうなるかがもっとよくわかるはずです。電球の真下にあるイスの上にある箱の明るさや、天井、壁、床などの明るさをよく見て比較すれば理解しやすいです。


東芝「LEL-AW8N」、6980円、消費電力は8.7W。明るいと言うよりも、まぶしいに近いぐらいですが、これはすごい。明るいLED電球が欲しいならこれ。


シャープ「DL-L601N」、3980円、消費電力7.5W。白色の感じが少し違います。


Panasonic「LDA7D-A1」、3980円、消費電力6.9W。少し青みがかった感じがします。


日立「LDA7N/D」、5380円、消費電力6.6W。天井付近は明るいのですが、ちょっとこれは……下まで光が届いていないのでは……。


NEC「ELL6N-100V」、3980円、消費電力6.0W。上は薄暗いのですが、下までちゃんと光が届いています。


エコリカ「ECL-HPL40WH」、3980円、消費電力3.5W。スポットタイプなので使い所を選びますが、雰囲気は大体こんな感じです。なんというか、かっこいい。非常にいい雰囲気があります。


というわけで、全部比較してみました。左端のみ蛍光灯タイプで、あとは左から順に消費電力の高い順です。


◆電球色系統のLED電球を実環境で比較
同じように電球を各社のLED電球と交換して撮影してみました。今度も今までと同様に、撮影時には現場で見たのと同じような感じになるようにするため、オートではなくすべてマニュアル設定して同じ値に固定しています。なお、電球色は各社でバラバラであるため、蛍光灯タイプは今回は比較しても意味がないと判断して撮影していません。

東芝「LEL-AW8L」、6980円、消費電力は8.7W。まんべんなく明るく照らす感じで暖かみがあると言うよりも夕焼けの色みたいな感じ。


シャープ「DL-L601L」、3980円、消費電力7.5W。なんでもかんでも黄金色になるため、ゴージャスな気分に。


Panasonic「LDA7L-A1」、3980円、消費電力6.9W。一般的な電球色はコレかな?という印象を受けます。


日立「LDA7L/D」、5380円、消費電力6.6W。お化け屋敷をするならこれしかないでしょう、薄暗い感じを絶妙に演出しています……。


NEC「ELL6L-100V」、3980円、消費電力6.0W。昔の和風便所はこんな感じの明かりだったような気がする。


エコリカ「ECL-HPL40WWH」、3980円、消費電力3.5W。明らかにギャラリーか何かで使われているような感じに。


というわけで、全部比較してみました。なんというか、電球色は非常に個性が出るので、好みで選んだ方がいいです。


◆LED電球の選び方のコツ
コツというかメリットというか、これだけ実験した結果、以下のようなことがわかりました。

・現在使っている電球と同じ程度の明るさが必要なら、同じルーメン値のLED電球が必要
今使っている電球の代わりとしてLED電球を買う場合、「同じ明るさ」を求めるのであればこれは重要な点です。また、実験環境と実際の環境の比較を見てもわかりますが、どこまで光が届くのかというのもかなり重要です。

・LED電球の方が寿命が3倍程度長いので交換する手間は確実に減る
現在使っているタイプによりけりなのですが、大体3倍程度長持ちするっぽいので、点灯し続ける時間が長ければ長いほど差が露骨にわかってくるはずです。あと、蛍光灯タイプほど熱くならないというか全然熱くならず、ぬるい程度の温度なので、ランプフードなどが焦げたり熱で変形するといった心配はほぼありません。

・チカチカしない
画像を見てもわからない部分がコレ。蛍光灯は高速で点滅しているため、ある程度劣化してくるとこのチカチカのせいで目が疲れやすくなったりするわけですが、それが一切感じられません。トイレや洗面台のような場所であればともかくとして、何か長時間作業をするような場所であればこの差は如実に体感できるはずです。

・一瞬でMAX値の明るさになる
これは蛍光灯タイプとの比較で露骨にわかったと思いますが、スイッチをオンにした瞬間に速攻で最大の明るさになるというのはかなり圧倒的なメリットです。段々と時間をかけてじんわり明るくなって安定するのではなく、最初からずばっと明るくなるので、気分的にはなんだかいい感じになります。

・電球色はメーカーによって随分と色合いが違うので要注意
正直、ここまで差があるとは思いませんでした。自分の好みの色を選ぶのが無難です。

LED電球というと消費電力の少なさがクローズアップされがちですが、実際に使うとそれ以外のメリットが多くあることが実感でき、結論としては、「高いが買うに値する」ということになりました。願わくばもうちょっと価格が下がってくれれば言うことはない、という感じです。以上のデータが参考になれば幸いです。

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in レビュー,   ハードウェア, Posted by darkhorse

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