NECが世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピューター」の開発から撤退


NECが文部科学省が推進している世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピューター」の開発から撤退することが明らかになりました。

スーパーコンピューターの部門での高い国際競争力から日米の貿易摩擦を引き起こしたほか、2002年~2004年まで世界一の演算性能を実現した「地球シミュレーター」の開発に携わるなどしたNECであるだけに、今回の撤退は今後のスーパーコンピューターの開発に大きな影響を与えることになりそうです。

詳細は以下から。
次世代スーパーコンピュータ・システムの構成を見直す|2009年 プレスリリース|理化学研究所

理化学研究所が発表したプレスリリースによると、文部科学省が推進している「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクト(次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト)の一環として開発を進めてきた次世代スーパーコンピュータのシステム構成を見直すことにしたそうです。

これは世界最高性能の達成を目指して開発を進めてきた次世代スーパーコンピューターについて、「製造段階には参加できない」とNECが申入れたことを受けたもので、NECは世界的な経済状況の悪化によって次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトの製造段階への不参加を決定したとのこと。

NECの撤退を受けて理化学研究所は文部科学省が実施しているプロジェクトの中間評価の過程で得た技術的な意見も踏まえて、速やかに新たなシステム構成をとりまとめるとしています。

なお、理化学研究所とNECはプロジェクトで培った技術やノウハウを生かして、今後はハードウェアではなくアプリケーションソフトウェアを通じて次世代スーパーコンピュータと大学や研究機関の連携や、計算システムアーキテクチャの研究などで密接な協力関係を継続していくそうです。

また、このプロジェクトにはNEC以外に先日世界最高速のCPU「Venus」を開発した富士通や日立製作所も携わっており、10ペタフロップス級の演算性能を実現した世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピュータ」を2010年度に稼働することを目指して開発しているとのこと。

これが見直す前の開発工程表です。


ちなみに世界のスーパーコンピューターの性能トップ500をまとめた以下のリンクでは、現在の処理能力トップはIBMの「Roadrunner」となっています。

Home | TOP500 Supercomputing Sites
http://www.top500.org/


2009/05/14 20:16追記
NECが新しく出したリリースによると、「NECはスーパーコンピュータ事業を継続」としており、以下のように発表しています。

NECは、文部科学省「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクト(以下、次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト)において、共同開発メンバーの一社としてシステム開発の一部を担当してまいりましたが、今般、同プロジェクトの詳細設計フェーズ契約の完了をもって以後の製造フェーズの契約は行わず、今後は、将来の高速計算機アーキテクチャの研究、他の研究機関とのアプリケーションソフトの展開支援等を中心にプロジェクトに貢献して行くことと致しました。
なお、NECは今後も、継続してベクトル技術の継承・発展を図り、最先端のスーパーコンピュータシステムの開発・提供を進めてまいります。

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