連邦取引委員会と22州がAmazonを提訴、広告枠オークションの落札額を水増しして3兆円を過大請求した可能性あり

アメリカの連邦取引委員会(FTC)と22州の司法長官が合同で、Amazonが広告主を騙していたとして訴えを起こしました。訴えによると、Amazonは広告価格を不正に操作し、広告主から200億ドル(約3兆2000億円)以上を騙し取っていた可能性があるとのことです。Amazonは訴えについて「明らかに誤り」と反論しています。
FTC, States Sue Amazon Over Secret Ad Surcharge Scheme | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2026/08/ftc-states-sue-amazon-over-secret-ad-surcharge-scheme
Federal Trade Commission and 22 states sue Amazon over inflated advertising prices - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/business/2026/08/31/amazon-ad-lawsuit/3e672a94-a585-11f1-9e38-f705d048bd5a_story.html
FTC sues Amazon, accusing the e-commerce giant of misleading advertisers
https://www.cnbc.com/2026/08/31/amazon-ftc-lawsuit-advertisers.html
FTCによると、Amazonは7年以上にわたって自社プラットフォームへの広告掲載価格を密かに水増しし、事実を知らない広告主から200億ドル以上をだまし取っていた可能性があるとのこと。
FTCのアンドリュー・N・ファーガソン委員長は「世界最大級のオンライン小売業者が不公正かつ不誠実な行為を行うと、その影響は計り知れないものになります。Amazonに誤解させられて、著しく高額な支払いをさせられた何百万もの広告主がおり、そのコスト分は大部分がアメリカの消費者に転嫁されています。トランプ大統領率いるFTCは、こうした不正行為が続くことを決して見逃しません」と述べました。
問題が指摘されているのは広告枠オークションの仕組みです。通常のオークションで用いられる、落札額をそのまま支払うことになるファーストプライス方式だと適正額よりも高い入札をしてしまうリスクがあるため、入札者が最低額を把握するために入札額を引き下げる「入札額調整」が行われます。しかし、次点入札額を基準として落札額を決めるセカンドプライス方式だと、真の価値に近い、より高い金額で入札する傾向があるそうです。
Amazonは広告枠オークションにセカンドプライス方式を採用していて、落札した広告主は落札額ではなく次点入札額より1セント(約1.6円)だけ高い金額を支払います。Amazonはこの方式を「汎用セカンドプライス(GSP)オークション」として媒体資料や営業のプレゼンで説明し、「デジタル広告枠の業界標準」として広告主らに広く受け入れられてきました。
しかし、Amazonは2019年以降、予告なしにオークションのルールを変更し、社内で「ソフトリザーブ」と呼称する非公開の追加料金を足して、GSPオークションで決まった落札額より高い金額を広告主に支払わせていたとのこと。

訴状には、Amazon Ads担当幹部による「(広告主が支払う金額は)実際の入札者によって決定されるものではなく、Amazonが算出する架空の2位価格」という発言が引用されています。訴状で引用された別の文書では、Amazonが価格引き上げのために架空のオークション参加者を利用していることが確認されています。さらに別のAmazon社員による、追加料金を足すことで「広告主間の競争で達成可能な水準を超える」価格を得ることが可能だという発言も引用されています。
追加料金の存在が広告主の反発を招くことはAmazonも理解していたため、長年にわたって予告なしに行った変更は隠され、価格の水増しが目立たないように、追加料金は慎重に段階的に引き上げられたとのこと。
特に「スポンサー製品」広告では、広告主が落札額そのものを支払う割合が2021年時点で30%~40%あり、2022年には70%、2024年にはおよそ80%にまで増加していると訴状で指摘されています。
今回の訴訟にはFTCのほかにアラスカ州、アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、フロリダ州、アイダホ州、イリノイ州、インディアナ州、アイオワ州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、メリーランド州、ネブラスカ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、 ノースカロライナ州、オクラホマ州、ペンシルベニア州、ロードアイランド州、サウスカロライナ州、バーモント州、ワシントン州の22州も加わっていて、Amazonが連邦および各州の消費者保護法に違反しているとして、民事罰と賠償、その他不特定の損害賠償を求めています。

一方でAmazonはFTCの主張は「明らかに誤り」だと反論。消費者や広告主に害を与えるようなことは行っておらず、指摘されている「スポンサー製品」広告の1クリックあたりの平均コストはインフレ調整後も横ばいだった一方で、コンバージョン率は伸びているため、広告主は同じ金額を支払いつつ多くの利益を得られたと主張しています。
また、Amazonは入札額よりも広告の関連性に重点を置いていて、「スポンサー製品」広告の平均落札額は2019年から2025年のあいだに50%下落し、掲載された広告のおよそ92%が最高入札額の広告主ではなかったとのこと。一方で、広告の関連性が高いことによって、ユーザーが購入を検討している製品の広告を見たりクリックしたりする可能性は58%向上したとのことです。
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in ネットサービス, Posted by logc_nt
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