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OpenAIが「GPT 4.1」のAPIを公開、100万トークン対応と実用性能で飛躍的進化を遂げた次世代AIモデル


OpenAIが「GPT-4.1」「GPT-4.1 mini」「GPT-4.1 nano」のAPIを2025年4月14日に発表しました。GPT-4.1シリーズは最大100万トークンの入力に対応したほか、コーディングと命令追跡能力がGPT-4oシリーズよりも大幅に改善され、低レイテンシーかつ高コストパフォーマンスなモデルになっています。

Introducing GPT-4.1 in the API | OpenAI
https://openai.com/index/gpt-4-1/


OpenAIによるGPT-4.1の発表は以下のムービーで見ることができます。

GPT 4.1 in the API - YouTube


GPT-4.1の特徴は、最大で100万トークンという非常に長いコンテキストウィンドウに対応している点です。これにより、数百ページにおよぶ文書や大規模なコードベースを一度に処理し、内容を保持したまま適切に推論することが可能。この長文処理能力は、法務、金融、カスタマーサポートなど、多くの実用分野で特に重要視されているとOpenAIは述べています。


コーディングについては、GitHubから収集したイシューの解決でコーディング能力を測定するSWE-bench Verifiedで、GPT-4.1は54.6%のスコアを獲得し、GPT-4oの33.2%を大きく上回りました。また、複数言語にまたがるコード差分生成でも高い精度を記録し、ファイル全体ではなく変更部分のみを出力することで開発コストとレイテンシを削減しているとのこと。


指示に従う能力を測るベンチマークであるScale’s MultiChallengeでは、GPT-4.1は38.3%というスコアをマーク。これはGPT-4oよりも10.5%ポイント向上しているとのこと。さらにマルチモーダルな長時間コンテキスト理解のベンチマークであるVideo-MMEで、GPT-4.1は「長時間・字幕なし」のカテゴリで72.0%のスコアを獲得し、GPT-4oよりも6.7%ポイント改善しています。形式の指定、禁止事項、出力の順序、特定の情報を含めるといった多様な指示カテゴリにおいて、GPT-4.1は以前よりも的確に応答できるようになり、特に難度の高いプロンプトにおいてはGPT-4oより大きな向上が見られたとOpenAIは報告しています。


視覚情報の理解においても進化が見られ、図表や数式を含む視覚的質問応答タスクでも高得点を記録しています。特にGPT-4.1 miniモデルは、GPT-4oと比べて軽量でありながら画像処理能力で上回るケースが増えており、コストやレイテンシを抑えながら高性能を維持しています。

さらに、応答速度とコストパフォーマンスも改善されています。GPT-4.1は、従来モデルより最大26%コストが低く、プロンプトキャッシュによる削減率も75%に拡大されました。軽量な「mini」「nano」モデルも同時に提供されており、低レイテンシーやコスト最適化を必要とする用途にも対応できます。


GPT-4.1は、これらの特性により、従来の限界を超えた複雑なタスクの自動化や知的エージェントの構築を可能にし、API経由での利用に最適化された実践的なAIモデルとなっています。今後のリリースでもこの方向性が継続され、さらに多様な開発ニーズに応えることが期待されています。

GPT-4.1シリーズは記事作成時点だとOpenAIのAPIプラットフォーム上で提供されており、ChatGPTでの利用は対象外です。ただし、ChatGPTのGPT-4oには、GPT-4.1で導入された指示追従やコード生成などの改良点が段階的に組み込まれており、将来的にさらに統合が進められる予定です。

APIの価格は以下の通り。

モデル入力キャッシュされた入力出力ブレンド価格
 GPT-4.1  2.00ドル(約290円)  0.50ドル(約72円) 8.00ドル(約1100円)  1.84ドル(約260円) 
 GPT-4.1-mini  0.40ドル(約57円)  0.10ドル(約14円) 1.60ドル(約230円)  0.42ドル(約60円) 
 GPT-4.1-nano  0.10ドル(約14円)  0.025ドル(約3.6円) 0.40ドル(約53円)  0.12ドル(約17円)  


また、GPT-4.1の登場により、従来の「GPT-4.5 Preview」モデルは2025年7月14日をもってAPI上で廃止されることが決定されており、開発者には移行期間が与えられています。GPT-4.5は当初、計算リソースを多く使用する研究プレビューとして提供されていたモデルで、GPT-4.1の方が多くの面で優れていることが確認されたため、段階的に置き換えられることになります。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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