メモ

赤く塗られたローマ時代の犬の陰茎の骨が古代の採石場で発見される


イギリスの生物学者らが、古代ローマ時代の採石場に埋められていた犬の陰茎の骨を発見しました。骨は赤黄色土で塗られていたため、生物学者らがその理由を追究しています。

LIFE FROM DEATH: MULTI‐SPECIES FERTILITY RITUALS WITHIN A ROMANO‐BRITISH RITUAL SHAFT IN SOUTHERN ENGLAND - Green - 2025 - Oxford Journal of Archaeology - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ojoa.12317

Roman-era dog penis bone painted red discovered in ancient quarry shaft
https://phys.org/news/2025-01-roman-era-dog-penis-bone.html

陰茎の骨が見つかったのは、イングランド・サリー州イーウェルのネスコット遺跡にある採石場です。ネスコット遺跡では、ローマ時代の他の遺跡からたまに見つかるものと同様の縦穴が発見されており、例に漏れず人間の骨や動物の骨が埋められていましたが、ネスコット遺跡は他の縦穴に比べて堆積物の量が多いという特徴がありました。

ネスコット遺跡には大きく分けて3つの堆積層があり、それぞれの層から特徴的な遺物が発見されています。いずれも動物や人間の骨、コインといった工芸品が見つかっていることから、この縦穴は墓穴として使われていた説が有力です。


堆積層の最上層からは合計155匹の家畜哺乳類に加え、鶏とみられる動物3匹分、オコジョやげっ歯類、両生類を含むさまざまな動物の骨が見つかりました。さらに、死後しばらくたってから切断されたと見られる四肢の一部がない人間の骨が21人分、損傷のない高齢女性の骨が1人分見つかっていました。

中間層には人間の骨はなく、動物の骨ばかりでした。哺乳類に限定すると豚や牛、馬の骨が確認されており、中でも45匹分と最も多かったのが犬でした。この層で発見された特徴的な遺物が、赤黄色土で赤く塗られた犬の陰茎の骨でした。


古代ローマ時代では犬と生殖能力が関連付けられていたほか、新たな生命の誕生という文脈とも紐付いていたことから、人間が何らかの儀式で犬の陰茎の骨を赤く塗り、亡くなった人間と一緒に埋葬したのではないかと研究者らは考察しています。

また、最上層と中間層に埋められた動物の骨の大部分には屠殺を示す証拠はなく、牧羊犬や番犬ではなく愛玩犬の骨ばかりだったことから、自然死した動物を埋めていたのではないかと考えられているとのこと。特に馬は犬と同様に多産力と豊かさを示していたことから、儀式的な意味合いも強かったのではないかとみられています。


なお、最下層には動物の骨しかなく、数は上位2層よりも少ない上、人工物は陶器の破片しかありませんでした。さらにこの層にある骨には骨髄等を得るために加工したのではないかと考えられる痕が見られることから、この縦穴は当初ゴミ箱として使われていた可能性も考えられるとのことです。

調査を行ったレディング大学のエレン・グリーン氏は、「古代ローマ時代、陰茎や陰茎の描写は多くの文脈で使われ、その多くは幸運を願うものでした。穴から発見された他の遺物も、おそらくは豊穣に関連する儀式で活用された可能性があることを裏付けています。今回見つかった穴はおよそ50年にわたり埋葬地として使われ、おそらく9回にわたって新しい遺骨が追加されたと見られています。陰茎の骨がなぜ埋葬されたのか、はっきりしたことは言えませんが、これはまさに唯一無二の発見です」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
なぜ人間のペニスには「骨」がないのか? - GIGAZINE

邪視を防ぐ古代ローマの男根の風鈴「チンチンナブルム」が発掘される - GIGAZINE

約1万1000年前の「ペニスを握る人間の巨大な像」がトルコの古代遺跡で発見される - GIGAZINE

4万2000年前の「ペニスのペンダント」が発見される、世界最古のペニスの芸術作品か - GIGAZINE

in Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article Roman dog penis bone painted red discove….