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「広告を見る代わりに金銭をゲットできるブラウザ拡張機能」がuBlock Originのコードを流用してGPL違反


ウェブサイト内の広告を除去しつつ独自のリワード広告を挿入するブラウザ拡張機能「Pie Adblock」に、オープンソースの広告ブロック拡張機能「uBlock Origin」のコードが流用されていることが明らかになりました。Pie Adblockのコード流用行為はuBlock Originのライセンスに違反している可能性が指摘されています。

uBO Quick Filters list being stolen by team behind Honey browser extension (Pie Adblock extension)
byu/advancedthreatdefend inuBlockOrigin


Pie Adblockは一般的な広告ブロックの機能に加えて「独自のリワード広告を表示する機能」を備えたブラウザ拡張機能で、ユーザーに対して「広告をブロックできてお金も稼げる」ということをアピールしています。Pie AdblockのChrome版は、記事作成時点で100万人以上のユーザーに使われています。


しかし、Pie Adblockのパッケージ内を探索すると、「ublock-fixes.txt」というuBlock Originに関連しそうなフィルターファイルが見つかります。


「ublock-fixes.txt」の中身はこんな感じ。先頭にはタイトルとして「uBlock filters」と記載されているほか、ライセンス欄には「https://github.com/uBlockOrigin/uAssets/blob/master/LICENSE」というuBlock OriginのライセンスページのURLが記されています。つまり、Pie AdblockはuBlock Originのリソースをコピーしている可能性が高いというわけです。問題を報告したRedditユーザーのadvancedthreatdefend氏によると、Pie Adblockはフィルター以外にスクリプトの一部もuBlock Originから流用していたとのこと。


uBlock Originはライセンスとして「GNU General Public License v3.0」を採用しているため、uBlock Originのソースコードを利用する別プロジェクトはソースコード開示や帰属表示の義務を負います。advancedthreatdefend氏は「Pie Adblockはオープンソースプロジェクトとはいえない」と指摘し、Pie AdblockがuBlock Originのライセンスに違反していると指摘しています。

なお、Pie Adblockを配布する「Pie」の創業者であるライアン・ハドソン氏は、オンラインショップでクーポンを自動提示する拡張機能「PayPal Honey」の開発者としても知られています。しかし、このPayPal Honeyも「アフィリエイト関連Cookieを独自のCookieに置き換えており、製品を紹介したインフルエンサーの収益を奪い取っている」として非難されており、弁護士系YouTuberのLegalEagleがPayPalを相手に訴訟を提起する事態に発展しています。

人気のブラウザ拡張機能「PayPal Honey」がインフルエンサーのアフィリエイト収益を盗みユーザーに不利な取引を提示していることが判明 - GIGAZINE

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1o_hf

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