Google発の自動運転車メーカー・Waymoがコスト削減しながらより高性能に仕上がった第6世代「Waymo Driver」を発表
Googleと同じAlphabet傘下の企業で自動運転車を開発しているWaymoが、自動運転車「Waymo Driver」の第6世代モデルを発表しました。Waymo Driverは大幅なコスト削減を実現しながら、従来よりも高い解像度、範囲、計算能力を有する最新の自動運転車になっているとのことです。
Meet the 6th-generation Waymo Driver: Optimized for costs, designed to handle more weather, and coming to riders faster than before
https://waymo.com/blog/2024/08/meet-the-6th-generation-waymo-driver/
Waymo generation 6 robotaxi Geely Zeekr
https://www.cnbc.com/2024/08/19/waymo-generation-6-robotaxi-geely-zeekr.html
Waymo’s sixth-generation autonomous fleet has fewer sensors ‘without compromising safety’
https://www.engadget.com/transportation/evs/waymos-sixth-generation-autonomous-fleet-has-fewer-sensors-without-compromising-safety-175339320.html
自動運転システムでは信頼性の確保と予期せぬ天候に備えた安全なバックアップ機能を提供する冗長性が不可欠です。そのため、Waymo Driverでは3つの補完的なセンシングモダリティから周囲環境を把握しています。強化されたカメラレーダーサラウンドビューと、高性能なLiDARシステムを備えた第6世代センサースイートは、13台のカメラと4台のLiDAR、6台のレーダー、外部オーディオレシーバー(EAR)により構成されています。これにより、幅広い道路状況で、遭遇する可能性のあるさまざまなイベントに安全に対応することが可能になるそうです。Waymo Driverの第6世代センサースイートは、車両全周囲最大500メートルを昼夜を問わず、さまざまな気象条件で把握できます。
センサー技術の進歩と戦略的な配置により、安全性に不可欠な冗長性を維持しながらセンサーの数を削減することにも成功しています。このアプローチは安全性を優先すると同時に、自動運転システムの最適化も可能にしているそうです。寒冷気候向けにセンサークリーニングを調整するなど、特定環境での動作に合わせてセンサーコンポーネントを交換することもできます。
前世代のWaymo Driverはすでにアメリカの複数の都市で自動運転タクシーとして運用されています。自動運転タクシーサービスを提供している都市では、猛暑・霧・雨・雹(ひょう)の中でも安全で信頼性の高いサービスを乗客に提供しているとWaymoは主張しました。そして、冬の天候がWaymoの技術と業務に与える影響についての理解を深め、これらの洞察を第6世代システムに直接適用したことも明かしています。
例えば、Waymoの車両は手動介入なしに長期間にわたって風雨にさらされるため、テキサスの荒れた道路を走行している時や、氷点下の気温で動作している時であっても、周囲の明確な視界を維持できるように各センサーに予防措置を実装しているそうです。これらの戦略を補完し、悪条件でも信頼性の高いパフォーマンスを確保するため、センサー機能に十分な余裕を組み込み、各モダリティの範囲を拡大しています。
第6世代ハードウェアは既に製造段階にあり、数千台のWaymo Driverに統合されています。Waymoは次世代システムを安全かつ迅速に車両に統合するために、新しいハードウェアをコンポーネントからシステムレベルに至るまで、クローズドコーステスト、シミュレーション、公道テストで細かく検証しています。
第6世代センサースイートはすでに実世界で数千kmの運転経験を積んでおり、シミュレーションではさらに数百万kmの経験を積んでいます。なお、Waymo Driverはこれまでのあらゆる車両で収集してきたデータから学習しているため、基礎モデルのトレーニングに必要な走行距離は大幅に削減されるそうです。これにより、次世代Waymo Driverの開発は加速・強化されているとWaymoは強調しています。
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