デザイン

鳥の羽のようなデザインのピアノ「Ravenchord」


現代のピアノはほとんどが似たようなデザインをしていますが、こうしたデザインを根本から覆すようなピアノ「Ravenchord」が登場しています。設計を根本から見直したというRavenchordについて、その全容と設計コンセプトが紹介されています。

Unveiling Ravenchord: A Radical Piano Redesign from Dan Harden - Whipsaw
https://whipsaw.com/2023/06/05/unveiling-ravenchord-a-radical-piano-redesign-from-dan-harden/

Ravenchordを制作したのは、製品デザイン業務を担うWhipsawのダン・ハーデンCEOです。


ハーデン氏がピアノの設計を根本的に見直そうと考えたとき、設計の最大の課題になったのは「弦」だといいます。ピアノは88の鍵盤と3つのペダルに加え、約230本もの金属製の弦が張られているのが特徴の楽器ですが、その弦の数を維持しつつ、ピアノの形を変えるというのは至難の業だったとのこと。

そこでハーデン氏は、グランドピアノのように弦が演奏者の前に張り出したり、アップライトピアノのように弦が持ち上がって演奏者の顔を塞いだりするのではなく、弦を楽器の前面に配置し、鳥の翼の形に似せました。


弦は音程に基づいて配置され、ピアノの前面に螺旋状に広がるように並べられています。ピアニストが演奏すると、観客はハンマーやダンパーなどの内部機構がリアルタイムで動くのを見ることが可能。ハーデン氏はこれを「ピアノの内部機構と非凡な機能を明らかにすることでより表現力が高まり、楽器が解放される」と表現しています。

Ravenchordという名前に込められた意味としては、「Raven」は楽器の賢さを証明するもので、「chord」は、クラヴィコードハープシコード(チェンバロ)といったピアノの系譜に由来しているとのこと。

一般的なピアノのように「屋根」で音を反射させることはできませんが、その分「純粋な音色」を楽しめるとハーデン氏は述べています。一般的なピアノと同様、フレームは調律のために取り外すことが可能。本体の幅は約213cmで、奥行きは約46cm。床から鍵盤までの高さは一般的なピアノと同程度の約76cmで、重さは約227kgです。


ハーデン氏は「文化的な追求を現実のものにするというアイデアは、私にとって喜びでした。音楽は人生最大の喜びのひとつであり、それを中心にデザインすることは非常に満ち足りた体験でした。ピアノという製品カテゴリーに新たな息吹を与えることで、聴衆はピアノに新たな光を当て、その複雑な展開に目を見張り、より純粋な響きを聞き、演奏者に感情移入することができます」と述べました。

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in デザイン, Posted by log1p_kr

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