「史上最大の詐欺会社」とも呼ばれる血液検査会社セラノスの元社長が詐欺罪・共謀罪で有罪に
「少量の血液で200種類以上の血液検査を迅速かつ安価に出来る」というふれ込みで立ち上げられた医療ベンチャーのセラノスで社長兼最高執行責任者(COO)を務めていたサニー・バルワニ氏が、詐欺罪・共謀罪で有罪判決を下されました。
Theranos Ex-President Sunny Balwani Found Guilty of Fraud - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-07-07/theranos-jury-has-reached-verdict-in-sunny-balwani-fraud-trial
Ex-Theranos president Ramesh Sunny Balwani found guilty of fraud
https://www.axios.com/2022/07/07/theranos-sunny-balwani-guilty-fraud
セラノスは当時スタンフォード大学・化学工学科の2年生だったエリザベス・ホームズ氏が創業した医療ベンチャー。セラノスは2014年に約3億5000万ドル(約480億円)を調達し、同社の時価総額は800億ドル(約1兆円)に到達。これによりホームズ氏は史上最年少でビリオネアになった女性として話題となり、2015年には「世界で最も影響力のある100人」にも選出されました。
しかし、2015年にウォール・ストリート・ジャーナルがセラノスの血液検査の信ぴょう性に疑問を投げかける記事を掲載してから状況は一変。2016年には医療保健当局から臨床検査の免許をはく奪され、2018年には連邦検察からホームズ氏とバルワニ氏が詐欺罪で起訴されることとなりました。経営陣トップの2人が訴えられたのち、セラノスは株主に対して同社の解散を通知しています。
この訴訟で、ホームズ氏は2022年1月に有罪判決を受けていたのですが、7月にはバルワニ氏も有罪判決を下されることとなりました。バルワニ氏はホームズ氏ほど知名度が高い人物ではありませんが、投資家および患者の両方から10億ドル(約1400億円)相当の資金をだまし取ったとして、ホームズ氏同様に訴えられていました。
バルワニ氏は訴訟を提起された12件の罪すべてで有罪判決を受けており、同氏は自身の弁護において「何も証言しなかった」と報じられています。12件の罪のうち、1件は元アメリカ教育長官であるベッツィ・デヴォス氏の家族からセラノスがだまし取った「1億ドル(約140億円)の投資に関する電信詐欺」も含まれます。
なお、ホームズ氏はすでに有罪判決を不服として上訴しており、バルワニ氏もこれに続く可能性が高いと報じられています。
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